臨床看護概論3試験対策
CSCATTT
テストに出る部分に太文字にしています
説明
CSCATTT は、災害現場での初動対応における優先順位を示す頭文字です。大規模災害や多数傷病者事案において、現場の安全確保から医療活動までを体系的に行うための行動指針となります。
各要素の詳細:
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C (Command and Control: 指揮調整)
- 災害現場での統一的な指揮命令系統の確立
- 情報の一元化と役割分担の明確化
- 各機関(消防・警察・医療)間の連携調整
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S (Safety: 安全)
- 二次災害の防止(火災・建物崩壊・有害物質など)
- 救助者・医療者自身の安全確保が最優先
- 安全が確保されるまで現場に入らない原則
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C (Communication: 情報伝達)
- 正確で迅速な情報共有
- 無線・携帯電話などの通信手段の確保
- 傷病者数・重症度・必要資源などの報告
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A (Assessment: 評価)
- 現場状況の把握(傷病者数・重症度・必要資源)
- トリアージの実施
- 継続的な状況評価と対応の見直し
-
T (Triage: トリアージ)
- 傷病者の治療優先順位の決定
- 限られた医療資源の効率的配分
- START 法や PAT 法などの体系的手法の使用
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T (Treatment: 治療)
- トリアージ結果に基づく優先的治療
- 現場での応急処置
- 医療資源の適切な配分
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T (Transport: 搬送)
- 適切な医療機関への搬送
- 重症度に応じた搬送優先順位
- 搬送先医療機関の受入状況確認
重要ポイント:
- この順序は優先順位を示しており、前の項目が確保されてから次に進む
- 特に Safety(安全)は全ての基本であり、安全が確保されない状況での活動は禁止
- 各要素は相互に関連し、継続的な評価と見直しが必要
START 法(Simple Triage And Rapid Treatment)によるトリアージ
説明
START 法は、災害現場で多数の傷病者が発生した際に、短時間で傷病者の重症度を判定し、治療優先順位を決定するためのトリアージ手法です。1 分以内に 1 人の傷病者を評価することを目標としています。
START 法の特徴:
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簡便性
- 特別な医療機器を必要としない
- 視診・触診・簡単な質問のみで評価可能
- 医療従事者だけでなく、訓練を受けた救助者も実施可能
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迅速性
- 1 人あたり約 30 秒〜1 分で評価
- 歩行・呼吸・循環・意識の 4 項目のみを評価
- 詳細な診察や検査は行わない
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評価項目の順序
- 歩行(Ambulatory) → 呼吸(Respiration) → 循環(Perfusion) → 意識(Mental status)
- 頭文字で RPM(Respiration, Perfusion, Mental status)と覚える
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トリアージタグの色分け
- 0(黒): 死亡または救命不可能 - 蘇生の適応なし
- I(赤): 最優先治療 - 生命に危険が迫っているが、適切な処置で救命可能
- II(黄): 待機的治療 - 多少の治療時間的余裕がある中等症
- III(緑): 軽症 - 専門医の治療をほとんど必要としない
-
重要な原則
- オーバートリアージ(重症側に判定)を許容する
- 迷った場合は重症側に分類する
- トリアージは継続的に見直す(状態は変化する)
- 現場では蘇生処置を行わない(気道確保のみ)
START 法の目的:
- 限られた医療資源で最大多数の傷病者を救命する
- 治療の優先順位を明確化し、効率的な医療提供を実現する
- 医療従事者間で統一した基準で評価する
画像
穴埋め問題
以下の画像のステップ1,2,3,4と1~16 を埋めなさい。
正答:
- ステップ1: 歩行の確認。介助して歩行できる場合は歩行可能とする。
- ステップ2: 呼吸の確認。呼吸していない場合は気道確保を行う。五感を使って(胸膜部の上下運動を見て、呼吸音を聞いて、呼気を感じて)確認する。呼吸がなければ気道確保を行うが、人工的換気は行わない。
- ステップ3: 循環の確認。毛細血管再充満時間が判定できない時は、脈拍数で評価する。
- ステップ4: 意識の確認。「目を開けてください」「手を握ってください」「名前を教えてください」などと声をかけて従命反応をみる。
- III(緑) 軽症
- 0(黒) 死亡
- I(赤) 最優先治療
- II(黄) 待機的治療
- 歩行できるか?
- 呼吸できるか?
- 気道確保後自発呼吸あり
- 呼吸数は?
- 9回以下 or 30回以上
- 10-29回
- 毛細血管再充満時間は? 橈骨動脈の触知は?
- 2秒以上 or 触知なし
- 2秒未満 or 触知あり
- 従命反応は?
- 反応なし
- 反応あり
災害サイクル(覚えなくていい)
災害発生から復興までの時間経過を段階的に捉えた概念です。
災害サイクルの各段階:
- 静穏期(平常時): 災害対策計画の策定、防災訓練の実施、備蓄品の準備を行う。
- 超急性期(発災直後〜72時間): トリアージ、救命処置、DMAT等による応急処置を行う。
- 急性期(3日〜1週間): 避難所での健康管理、感染予防対策、慢性疾患の服薬管理を行う。
- 亜急性期(1週間〜1か月): 個人差に目を向けた生活支援、セルフケアの促進、廃用症候群の予防を行う。
- 慢性期(1か月〜数か月): 慢性疾患の管理、孤立防止、PTSD等の精神的問題への対応を行う。
- 復興期(数か月〜数年): 生活の自立に向けた支援、復興活動の支援、心のケアの継続を行う。
准看過去問(できたらやる)
災害サイクルの静穏期の看護師の役割について、適切なのはどれか。
- 生活の自立に向けた支援や復興活動を行う。
- 被災者の衛生管理につとめる。
- セルフケアの促進に向けた援助を行う。
- 災害の備えをする災害対策計画や実地訓練を行う。
正解: 4
解説:
- 誤り。生活の自立に向けた支援や復興活動を行うのは復興期の役割です。静穏期は災害発生前の平常時を指します。
- 誤り。被災者の衛生管理につとめるのは、災害発生後の急性期〜慢性期の役割です。静穏期には被災者は存在しません。
- 誤り。セルフケアの促進に向けた援助を行うのは、亜急性期・慢性期の役割です。避難所生活が長期化する中で、被災者の自立を支援します。
- 正しい。静穏期(平常時)は災害が発生していない時期であり、将来の災害に備えて災害対策計画の策定、防災訓練の実施、備蓄品の準備などを行います。
引用元: A日程 '25
災害看護について、適切なのはどれか。
- トリアージ(識別票)の装着位置は、原則として左手関節部である。
- トリアージ(識別票)の赤は、待機的治療群(非緊急治療)を示す。
- 要配慮者には、健康および生活支援が重要である。
- 災害サイクルの静穏期には、感染対策を優先する。
正解: 3
解説:
- 誤り。トリアージタグ(識別票)の装着位置は、原則として右手関節部です。右手が負傷している場合は左手関節部、両手が負傷している場合は首や足首に装着します。
- 誤り。トリアージタグの赤色は、最優先治療群(緊急治療)を示します。生命に危険が迫っているが、適切な処置で救命可能な傷病者に使用します。待機的治療群(非緊急治療)は黄色で示されます。
- 正しい。要配慮者(高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、外国人など)は、災害時に特別な配慮が必要です。健康管理(医療・服薬管理)および生活支援(食事・移動・コミュニケーション支援)が重要です。
- 誤り。災害サイクルの静穏期(平常時)には、災害対策計画の策定や防災訓練が優先されます。感染対策が優先されるのは、避難所生活が行われる急性期〜慢性期です。
引用元: B日程 '25
災害時の備蓄として新生児に最も適しているのはどれか。
- 粉ミルク
- 液体ミルク
- 牛 乳
- 冷凍母乳
正解: 2
解説:
- 不適切。粉ミルクは調乳に清潔な水(煮沸した水や安全な水)と清潔な哺乳瓶が必要です。災害時には水道が止まったり、水質が汚染されたりする可能性があるため、備蓄としては不便です。
- 正しい。液体ミルクは調乳不要で、開封後すぐに飲ませることができます。清潔な水や哺乳瓶の消毒が困難な災害時でも安全に使用でき、常温保存が可能なため、備蓄に最適です。
- 不適切。牛乳は新生児には不適切です。新生児の消化器官は未熟で、牛乳に含まれるタンパク質や脂肪を消化できません。また、牛乳にはビタミンや鉄分が不足しており、栄養面でも不適切です。
- 不適切。冷凍母乳は停電時に保存できません。災害時には停電が長期化する可能性が高く、冷凍母乳が溶けてしまい使用できなくなります。
引用元: B日程 '25
災害サイクルについて、正しいのはどれか。
- 災害発生からの時間経過をサイクルとして捉えた概念である。
- 災害発生から3日間を亜急性期としている。
- 静穏期には個人差に目を向けて生活支援を行う。
- 復興期には災害に備えて防災訓練を行う。
正解: 1
解説:
選択肢の解説:
- 正しい。災害サイクルは、災害発生からの時間経過を段階的に捉えた概念です。各段階で必要な看護活動が異なります。
- 誤り。災害発生から3日間(72時間)は超急性期です。亜急性期は、発災後約1週間から1か月程度を指します。この時期には避難所生活が長期化し、被災者の個別ニーズへの対応が重要になります。
- 誤り。個人差に目を向けて生活支援を行うのは、亜急性期・慢性期の役割です。静穏期(平常時)は災害が発生していない時期であり、災害に備えた準備を行います。
- 誤り。災害に備えて防災訓練を行うのは静穏期(平常時)の役割です。復興期は、被災者の生活再建支援、コミュニティの復興、心のケアなどが中心となります。
引用元: B日程 '24
災害看護について、適切なのはどれか。
- 人的災害は含まない。
- 災害が落ちついてから看護を行う。
- 自然災害は減少傾向にある。
- 感染症予防を行う。
正解: 4
解説:
- 誤り。災害看護の対象には、自然災害(地震、津波、台風など)だけでなく、人的災害(テロ、大規模事故、ビル火災など)も含まれます。人為的な原因による災害も災害看護の対象です。
- 誤り。災害看護は発災直後から開始されます。超急性期(発災直後〜72時間)から、トリアージ、応急処置、搬送支援などの医療活動が行われます。災害が落ち着くのを待っていては救命できません。
- 誤り。自然災害は近年増加傾向にあります。地球温暖化による気候変動の影響で、豪雨災害や台風などの自然災害が増加しています。
- 正しい。災害時には避難所などでの集団生活により、感染症のリスクが高まります。手洗い、うがい、消毒、適切な換気、衛生管理などの感染症予防が重要です。
引用元: B日程 '23
災害によって避難所で生活する高齢者の看護について、適切なのはどれか。
- 慣れない環境なので、動かないよう指導する。
- 水分摂取を制限する。
- 低栄養状態にはなりにくい。
- 持参薬がある場合は、きちんと服用するよう指導する。
正解: 4
解説:
- 誤り。避難所では適度な運動を促すことが重要です。長時間同じ姿勢でいると、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症・肺塞栓症)のリスクが高まります。定期的に体を動かし、足の屈伸運動などを行うよう指導します。
- 誤り。避難所では水分摂取を十分に行うよう指導します。トイレの回数を減らすために水分を控える高齢者がいますが、脱水症状やエコノミークラス症候群のリスクが高まります。こまめな水分補給が必要です。
- 誤り。避難所では低栄養状態になりやすいです。食事の偏り、食欲低下、配給食の不足などにより、栄養不足になるリスクがあります。栄養状態の観察と適切な食事支援が必要です。
- 正しい。避難所生活では、持参薬の継続的な服用が重要です。高血圧、糖尿病などの慢性疾患の悪化を防ぐため、服薬管理を支援します。薬が不足している場合は、医療機関と連携して処方を受けられるよう支援します。
引用元: 北海道・東北、東海・北陸、中国・四国、九州・沖縄、千葉、奈良 '21
正看過去問(できたらやる)
災害時において最も優先して治療を行うのはどれか。
- 胸髄以下の脊髄損傷
- 四肢の単純骨折
- 過換気症候群
- 気道熱傷
正解: 4
解説:
- 誤り。胸髄以下の脊髄損傷は重症ですが、直ちに生命を脅かす状態ではありません。待機的治療群(黄色)に分類されます。
- 誤り。四肢の単純骨折は軽症です。止血や固定後に治療できる待機的治療群(黄色)または軽症群(緑色)に分類されます。
- 誤り。過換気症候群は呼吸困難感はありますが、生命に直結する緊急性は低く、精神的ケアで改善可能です。
- 正しい。気道熱傷は気道浮腫により窒息の危険性が高く、生命に直結します。早急な気道確保と治療が必要な最優先治療群(赤色)です。
引用元: 第101回 午後49問
被災者のトリアージで治療の優先度が最も高いのはどれか。
- 額に擦過傷があるが救助活動に参加している。
- 自力歩行が可能であるが上肢・肩の強い痛みがあり、骨折が疑われる。
- 意識がなく、顔色が蒼白で、骨盤から下腿部にかけて挫滅創がある。
- 意識がなく、瞳孔は散大し、自発呼吸はなく、心音も聴取できない。
正解: 3
解説:
- 誤り。救助活動に参加できるほど状態が良好なため、軽症群(緑色)です。治療の優先度は低くなります。
- 誤り。自力歩行が可能なため、痛みはあっても待機的治療群(黄色)です。骨折の疑いはありますが、生命の危険は低いです。
- 正しい。意識消失、蒼白、広範囲の挫滅創から出血性ショック状態と判断されます。直ちに治療すれば救命可能な最優先治療群(赤色)です。
- 誤り。瞳孔散大、自発呼吸なし、心音聴取不可は心肺停止状態であり、救命困難と判断されます。死亡群(黒色)に分類されます。
引用元: 第95回 午前60問
災害時のトリアージカラーで最優先治療群はどれか。
- 黒
- 赤
- 黄
- 緑
正解: 2
解説:
- 誤り。黒色は0(ゼロ)群で、死亡または救命不可能な傷病者を示します。蘇生の適応はありません。
- 正しい。赤色はI群で最優先治療群です。生命に危険が迫っているが、直ちに適切な処置を行えば救命可能な傷病者を示します。
- 誤り。黄色はII群で待機的治療群です。多少の治療時間的余裕がある中等症の傷病者を示します。
- 誤り。緑色はIII群で軽症群です。専門医の治療をほとんど必要としない軽症の傷病者を示します。
引用元: 第96回 午前61問
災害時に病院に搬送されたトリアージタッグ識別色が赤の傷病者への対処はどれか。
- 遺体安置所に移動する。
- ただちに医療処置を行う。
- 退院後の注意事項を説明する。
- 後日の受診を勧める。
正解: 2
解説:
- 誤り。遺体安置所に移動するのは黒色タグ(死亡群)の傷病者です。赤色タグは救命可能な状態です。
- 正しい。赤色タグは最優先治療群で、生命の危険が迫っており、直ちに医療処置が必要です。遅延なく治療を開始します。
- 誤り。退院後の注意事項を説明できる状態ではありません。まず救命のための緊急処置が必要です。
- 誤り。後日の受診を勧めるのは緑色タグ(軽症群)です。赤色タグは即座に治療が必要な緊急状態です。
引用元: 第97回 午前78問
傷病者のトリアージで適切なのはどれか。
- トリアージ担当者はトリアージのみに専念する。
- トリアージタッグの判定を示す区分色に印を付ける。
- 治療を最優先するのは黒色のトリアージタッグである。
- トリアージタッグは原則として傷病者の左手に装着する。
正解: 1
解説:
- 正しい。トリアージ担当者は迅速な優先順位決定に専念すべきです。治療を行うと時間がかかり、多数の傷病者の評価が遅れます。
- 誤り。区分色に印を付けるのではなく、該当する色のタグを切り離します。時間記録欄に記入することはあります。
- 誤り。治療を最優先するのは赤色タグ(最優先治療群)です。黒色タグは死亡または救命不可能で、治療の対象外です。
- 誤り。トリアージタッグは原則として右手首に装着します。右手が負傷している場合は左手首、両手が使えない場合は首や足首に装着します。
引用元: 第98回 午前44問
大規模災害時のトリアージで、緊急度が最も高いと判断されるのはどれか。
- 下腿に創傷があるが補助があれば歩行できる。
- 自発呼吸はあるが橈骨動脈は触知できない。
- 気道確保しても自発呼吸がない。
- 開眼・閉眼の指示に応じる。
正解: 2
解説:
- 誤り。補助があれば歩行可能なため、待機的治療群(黄色)または軽症群(緑色)です。直ちに生命の危険はありません。
- 正しい。自発呼吸はあるが橈骨動脈触知不可は、ショック状態を示します。直ちに治療すれば救命可能な最優先治療群(赤色)です。
- 誤り。気道確保後も自発呼吸がない場合、現場では蘇生を行わず死亡群(黒色)と判定します。救命の可能性が極めて低いためです。
- 誤り。指示に応じて開眼・閉眼できる従命反応があるため、意識レベルは良好です。待機的治療群(黄色)または軽症群(緑色)です。
引用元: 第100回 午後47問
大規模災害時のトリアージで緊急度が最も高いと判断されるのはどれか。
- 下腿に創傷があるが補助があれば歩行できる。
- 自発呼吸はあるが橈骨動脈は触知できない。
- 気道確保しても自発呼吸がない。
- 開眼・閉眼の指示に応じる。
正解: 2
解説:
- 誤り。補助があれば歩行可能なため、待機的治療群(黄色)または軽症群(緑色)です。直ちに生命の危険はありません。
- 正しい。自発呼吸はあるが橈骨動脈触知不可は、ショック状態を示します。直ちに治療すれば救命可能な最優先治療群(赤色)です。
- 誤り。気道確保後も自発呼吸がない場合、現場では蘇生を行わず死亡群(黒色)と判定します。救命の可能性が極めて低いためです。
- 誤り。指示に応じて開眼・閉眼できる従命反応があるため、意識レベルは良好です。待機的治療群(黄色)または軽症群(緑色)です。
引用元: 第103回 午後76問
災害派遣医療チーム〈DMAT〉の活動で最も適切なのはどれか。
- 被災地域内での傷病者の搬送を行う。
- 外傷後ストレス障害〈PTSD〉に対応する。
- 長期の継続的な医療を行う。
- 被災地の復興を手助けする。
正解: 1
解説:
- 正しい。DMATは災害急性期(発災後48時間以内)に活動する機動性を持った専門的な医療チームで、被災地域内での傷病者の搬送、トリアージ、応急処置を行います。
- 誤り。PTSDへの対応は災害派遣精神医療チーム(DPAT)の役割です。DMATは急性期の身体的医療支援が主な活動です。
- 誤り。DMATは急性期(48〜72時間程度)の短期間活動するチームです。長期の継続的医療は地域の医療機関や医療救護班が担当します。
- 誤り。被災地の復興支援は災害サイクルの復興期の活動です。DMATは急性期の救命医療活動に特化しています。
引用元: 第103回 午前76問
トリアージタグを装着する部位の優先順位で適切なのはどれか。
- 頸部→右手→左手→右足→左足
- 頸部→左手→左足→右手→右足
- 右手→右足→左手→左足→頸部
- 右手→左手→右足→左足→頸部
- 左手→右手→左足→右足→頸部
正解: 4
解説:
- 誤り。頸部を最優先にしていますが、実際の優先順位は右手が第一優先です。頸部は最後の選択肢です。
- 誤り。頸部や左手を優先していますが、正しい優先順位ではありません。
- 誤り。頸部を最後にしている点は正しいですが、右手の次に右足としている点が誤りです。
- 正しい。トリアージタグ装着の優先順位は「右手→左手→右足→左足→頸部」です。右手が第一優先で、四肢が使えない場合に頸部を使用します。
- 誤り。左手を第一優先にしていますが、正しくは右手が第一優先です。
引用元: 第105回 午前80問
災害拠点病院について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 広域災害医療に対応する。
- 災害発生時に指定される。
- 医療救護班の派遣機能を持つ。
- 免震構造であることが指定要件である。
- 救急救命士の配置が義務付けられている。
正解: 1, 3
解説:
- 正しい。災害拠点病院は広域災害医療に対応する役割を持ちます。都道府県を越えた広域搬送の受入れや、災害医療の中核的な役割を担います。
- 誤り。災害拠点病院は平常時から都道府県によって事前に指定されています。災害発生時に指定されるわけではありません。
- 正しい。災害拠点病院は、DMATや医療救護班を派遣する機能を持ちます。被災地への医療支援を行う体制が整っています。
- 誤り。免震構造は推奨されますが、必須の指定要件ではありません。ヘリポート、自家発電装置、備蓄などが主な要件です。
- 誤り。救急救命士の配置は義務付けられていません。災害拠点病院の要件には含まれません。
引用元: 第106回 午前90問
災害医療におけるトリアージについて正しいのはどれか。
- 傷病者を病名によって分類する。
- 危険区域と安全区域を分けることである。
- 医療資源の効率的な配分のために行われる。
- 救命が困難な患者に対する治療を優先する。
正解: 3
解説:
- 誤り。トリアージは病名ではなく、重症度・緊急度によって分類します。生命の危険度と治療の緊急性が基準です。
- 誤り。危険区域と安全区域を分けるのはゾーニングであり、トリアージとは異なります。
- 正しい。トリアージの目的は、限られた医療資源(人員・物資・時間)を効率的に配分し、最大多数の傷病者を救命することです。
- 誤り。救命が困難な患者(黒色タグ)は治療の優先度が最も低くなります。救命可能な赤色タグが最優先です。
引用元: 第106回 午後63問
災害医療について正しいのはどれか。
- 災害拠点病院は市町村が指定する。
- 医療計画の中に災害医療が含まれる。
- 防災訓練は災害救助法に規定されている。
- 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は災害に関連した長期的な医療支援活動を担う。
正解: 2
解説:
- 誤り。災害拠点病院は都道府県が指定します。市町村ではありません。
- 正しい。医療法に基づく医療計画には、災害時における医療提供体制の確保に関する事項が含まれています。
- 誤り。防災訓練は災害対策基本法に規定されています。災害救助法は災害発生後の救助活動に関する法律です。
- 誤り。DMATは急性期(発災後48〜72時間)の短期的な医療支援を行います。長期的な医療支援は他の組織が担当します。
引用元: 第107回 午前67問
災害に関する記述で正しいのはどれか。
- 災害時の要配慮者には高齢者が含まれる。
- 人為的災害の被災範囲は局地災害にとどまる。
- 複合災害は同じ地域で複数回災害が発生することである。
- 災害直後に被災者診療を行う場では医療の供給が需要を上回る。
正解: 1
解説:
- 正しい。要配慮者(災害時要援護者)には、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人など、災害時に特別な配慮を必要とする人々が含まれます。
- 誤り。人為的災害(航空機事故、テロ、化学工場爆発など)の被災範囲は局地災害にとどまるとは限りません。広域に及ぶこともあります。
- 誤り。複合災害は、同時または連続して複数の災害が発生することです(例:地震後に津波、火災が発生)。複数回とは限りません。
- 誤り。災害直後は医療の需要が供給を大きく上回ります。多数の傷病者に対して医療資源が不足する状態になります。
引用元: 第108回 午前78問
災害時のトリアージで正しいのはどれか。
- トリアージタッグは衣服に装着する。
- トリアージでは傷病者の状態を3つに分類する。
- 判定を示すトリアージタッグの区分色は一度決定したら変更しない。
- 最優先に治療を必要とする者には赤色のトリアージタッグを装着する。
正解: 4
解説:
- 誤り。トリアージタッグは右手首(原則)、左手首、右足首、左足首、頸部の順に装着します。衣服に装着するわけではありません。
- 誤り。トリアージでは傷病者の状態を4つ(0:黒、I:赤、II:黄、III:緑)に分類します。3つではありません。
- 誤り。トリアージタッグの区分色は、傷病者の状態変化に応じて変更されます。継続的な再評価が必要です。
- 正しい。赤色タグは最優先治療群(I群)で、生命の危険が迫っているが適切な処置で救命可能な傷病者に装着します。
引用元: 第103回追試 午後77問
災害対策基本法に定められている内容で正しいのはどれか。
- 物資の備蓄
- 避難所の設置
- 災害障害見舞金の支給
- 救護班による医療の提供
正解: 1
解説:
- 正しい。災害対策基本法には、国および地方公共団体による防災のための物資及び資材の備蓄が規定されています。
- 誤り。避難所の設置は災害救助法に規定されています。災害対策基本法は防災全般の基本法です。
- 誤り。災害障害見舞金の支給は災害弔慰金の支給等に関する法律に規定されています。
- 誤り。救護班による医療の提供は災害救助法に規定されています。
引用元: 第109回 午前74問
朝9時に大規模地震が発生した。病棟の患者と職員の安全は確認できた。病棟内の壁や天井に破損はなかったが、病院は、停電によって自家発電装置が作動した。
病棟の看護師長が行う対応で適切なのはどれか。
- 災害対策本部を設置する。
- 災害時マニュアルを整備する。
- 隣接する病棟に支援を要請する。
- スタッフに避難経路の安全確認を指示する。
正解: 4
解説:
- 誤り。災害対策本部の設置は病院全体の判断であり、看護師長の即座の対応ではありません。組織的な対応は上層部が行います。
- 誤り。災害時マニュアルの整備は平常時に行うべきことです。発災直後の緊急時に行う作業ではありません。
- 誤り。自病棟の安全確認が先決です。隣接病棟の状況も不明な段階で支援要請は適切ではありません。
- 正しい。患者と職員の安全確認後、次に必要なのは避難経路の安全確認です。余震や二次災害の可能性があり、避難経路の安全確保が重要です。
引用元: 第109回 午後76問
災害発生時に行うSTART法によるトリアージで最初に判定を行う項目はどれか。
- 意識
- 呼吸
- 循環
- 歩行
正解: 4
解説:
- 誤り。意識(Mental status)の確認は最後の項目です。従命反応の有無を確認します。
- 誤り。呼吸(Respiration)は歩行確認の後に評価します。呼吸数が10〜29回/分かを確認します。
- 誤り。循環(Perfusion)は呼吸の後に評価します。毛細血管再充満時間や橈骨動脈の触知を確認します。
- 正しい。START法では、最初に「歩行できるか」を確認します。歩行可能な傷病者は軽症群(緑色)として分類し、別の場所に移動させます。
引用元: 第111回 午前75問
災害拠点病院の説明で正しいのはどれか。
- 国が指定する。
- 災害発生時に指定される。
- 広域搬送の体制を備えている。
- 地域災害拠点病院は各都道府県に1か所設置される。
正解: 3
解説:
- 誤り。災害拠点病院は都道府県が指定します。国が指定するのは基幹災害拠点病院です。
- 誤り。災害拠点病院は平常時から事前に指定されています。災害発生時に指定されるわけではありません。
- 正しい。災害拠点病院は、広域搬送の体制(ヘリポート、搬送車両など)を備えており、被災地域からの傷病者受入れや他地域への搬送を行います。
- 誤り。地域災害拠点病院は各都道府県に複数か所設置されます。基幹災害拠点病院が各都道府県に原則1か所です。
引用元: 第111回 午後75問
災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。
- 地域災害拠点病院は市町村が指定する。
- 災害対策基本法に防災計画の作成が規定されている。
- トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。
- 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。
正解: 2
解説:
- 誤り。地域災害拠点病院は都道府県が指定します。市町村ではありません。
- 正しい。災害対策基本法には、国・都道府県・市町村による防災計画(防災基本計画・地域防災計画など)の作成が規定されています。
- 誤り。トリアージは救命可能な患者(赤色タグ)の治療を優先します。救命困難な患者(黒色タグ)は最も優先度が低くなります。
- 誤り。精神科医療および精神保健活動を専門的に行うのは災害派遣精神医療チーム(DPAT)です。DMATは身体的な急性期医療を担当します。
引用元: 第112回 午後71問
災害時のトリアージで正しいのはどれか。
- トリアージタッグは衣服に装着する。
- 治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。
- トリアージの判定は患者の到着時および到着後30分の2回行う。
- 最優先に治療を必要とする者には、黄色のトリアージタッグを装着する。
正解: 2
解説:
- トリアージタッグは衣服ではなく身体の一部に装着する。
- 治療優先度はⅠ(赤:最優先治療)→Ⅱ(黄:待機的治療)→Ⅲ(緑:軽症)→0(黒:救命困難)の順である。
- トリアージは状態変化に応じて何度でも行う。
- 最優先の患者には赤色のトリアージタッグを装着する。
引用元: 第110回 午後71問
大地震後、自家用車内での生活を余儀なくされた避難住民への肺塞栓症予防の生活指導で適切なのはどれか。
- 窓を常時開けて十分に換気する。
- 上半身を高めにして睡眠をとる。
- 座っている間も積極的に足の運動をする。
- アルコール摂取などで熟眠できるようにする。
正解: 3
解説:
- 誤り。換気は重要ですが、肺塞栓症の予防には直接関係しません。エコノミークラス症候群の予防には身体活動が重要です。
- 誤り。上半身を高くすることは肺塞栓症の予防には効果がありません。下肢の血流改善が重要です。
- 正しい。自家用車内での生活は狭い空間で長時間同じ姿勢をとるため、深部静脈血栓症→肺塞栓症のリスクが高まります。積極的な足の運動(足首の屈伸、ふくらはぎのマッサージなど)が予防に有効です。
- 誤り。アルコールは脱水を招き、血液が濃縮されて血栓形成のリスクが高まります。肺塞栓症予防には不適切です。
引用元: 第99回 午前54問
災害の慢性期(復興期)における避難所内の看護師の役割で最も適切なのはどれか。
- 住宅支援
- 感染予防
- 安全な避難と誘導
- 居住スペースの確保
正解: 2
解説:
- 誤り。住宅支援は行政や福祉担当者の役割です。看護師の専門的な役割ではありません。
- 正しい。慢性期(復興期)においても、避難所では集団生活が続いており、感染予防は看護師の重要な役割です。手洗い指導、換気、衛生管理などを継続します。
- 誤り。安全な避難と誘導は超急性期・急性期の役割です。慢性期(復興期)ではすでに避難は完了しています。
- 誤り。居住スペースの確保は避難所の管理者や行政の役割です。
引用元: 第103回 午後77問
災害急性期に看護師が行う対応で最も適切なのはどれか。
- 情報の発信を行う。
- 各自の判断で行動する。
- 災害現場の安全を確保する。
- 災害時の対応マニュアルの見直しをする。
正解: 3
解説:
- 誤り。情報の発信は災害対策本部などが組織的に行います。看護師個人が情報発信するのは適切ではありません。
- 誤り。災害時は指揮命令系統に従い、組織的に行動します。各自の判断で勝手に行動すると混乱を招きます。
- 正しい。災害急性期では、CSCATTTのSafety(安全)確認が最優先です。現場の安全確保は全ての活動の基本となります。
- 誤り。マニュアルの見直しは静穏期(平常時)に行うべきことです。急性期に行う作業ではありません。
引用元: 第103回 午前77問
35歳の男性。震度6強の地震発生36時間後、がれきの下から救出され、病院に搬入された。長時間両大腿部が圧迫されていたため、下肢に知覚・運動障害を認めたが、意識は清明で呼吸と循環動態は安定していた。入院後、両下肢が著しく腫脹し、赤褐色尿を認め、全身状態が急速に悪化した。血液検査で血清クレアチンキナーゼ(CK)値と血清カリウム値とが急激に上昇した。
最も考えられるのはどれか。
- PTSD
- 深部静脈血栓症
- ネフローゼ症候群
- 挫滅症候群(クラッシュ症候群)
正解: 4
解説:
- 誤り。PTSDは精神的な症状であり、身体的な検査値異常や赤褐色の尿は説明できません。
- 誤り。深部静脈血栓症では、クレアチンキナーゼの著明な上昇や赤褐色の尿は通常みられません。
- 誤り。ネフローゼ症候群では、低タンパク血症、浮腫、高脂血症が特徴で、クレアチンキナーゼの上昇は説明できません。
- 正しい。長時間の圧迫→筋肉壊死→ミオグロビン放出(赤褐色尿)、クレアチンキナーゼ・カリウム上昇が特徴的です。圧挫症候群(クラッシュ症候群)の典型的な症状です。
引用元: 第98回 午前51問
災害発生後の時期と災害看護活動の組合せで最も適切なのはどれか。
- 災害発生直後~数時間 ― 食中毒予防
- 災害発生後3日~1週 ― 外傷後ストレス障害〈PTSD〉への対応
- 災害発生後1週~1か月 ― 廃用症候群の予防
- 災害発生後1か月以降 ― 救命処置
正解: 3
解説:
- 誤り。発災直後は救命活動、トリアージ、応急処置が優先です。食中毒予防は数日後から重要になります。
- 誤り。PTSDは発災から1か月以降に診断され、対応されます。3日~1週は急性ストレス反応への対応が中心です。
- 正しい。亜急性期(1週~1か月)は避難所生活が長期化し、運動不足による廃用症候群の予防が重要です。エコノミークラス症候群、筋力低下の予防を行います。
- 誤り。救命処置は発災直後~72時間(超急性期)に行います。1か月以降は生活再建支援、心のケアが中心です。
引用元: 第104回 午前75問
災害発生後、避難先の体育館で生活を始めた高齢者への対応で最も適切なのはどれか。
- トイレに近い場所を確保する。
- 持参薬を回収して被災者に分ける。
- 区画された範囲内で過ごすよう促す。
- 私語を控えて館内の静穏が保てるように指導する。
正解: 1
解説:
- 正しい。高齢者はトイレが近く、移動に時間がかかるため、トイレに近い場所を確保することで転倒や失禁のリスクを減らせます。
- 誤り。持参薬は個人の処方薬であり、他の被災者に分配することはできません。服薬管理を支援し、不足時は医療機関と連携します。
- 誤り。過度に区画された範囲内に閉じこもると、運動不足や孤立につながります。適度な活動を促すことが重要です。
- 誤り。過度な静穏を強制すると、ストレスや孤立感が増します。適度なコミュニケーションは心理的ケアとして重要です。
引用元: 第104回 午後75問
山村部で地震による家屋倒壊と死者が出た災害が発生し、3週が経過した。避難所では、自宅の半壊や全壊の被害にあった高齢者を中心に10世帯が過ごしている。
高齢者の心のケアとして最も適切なのはどれか。
- 認知行動療法を行う。
- 自分が助かったことを喜ぶよう説明する。
- 地震発生時の状況について詳しく聞き取る。
- 長年親しんだものの喪失について話せる場をつくる。
正解: 4
解説:
- 誤り。認知行動療法は専門的な治療技法であり、看護師が避難所で実施するには適していません。
- 誤り。サバイバーズギルト(生き残ったことへの罪悪感)を抱えている可能性があり、「生き残れて良かった」という言葉は逆効果です。
- 誤り。災害直後に詳細を聞き出すのは再トラウマ化のリスクがあります。無理に話させるべきではありません。
- 正しい。喪失体験を語る場を設けることで、悲嘆のプロセスを支援できます。共感的に傾聴し、感情の表出を促すことが心理的ケアとして適切です。
引用元: 第105回 午後66問
Aさん(27歳、男性)は、地震によって倒壊した建物に下腿を挟まれていたが、2日後に救出された。既往歴に特記すべきことはない。注意すべき状態はどれか。
- 尿崩症
- 高カリウム血症
- 低ミオグロビン血症
- 代謝性アルカローシス
正解: 2
解説:
- 誤り。尿崩症は下垂体後葉の障害で起こり、圧迫による筋肉損傷とは関係ありません。
- 正しい。長時間の圧迫により筋肉が壊死し、細胞内のカリウムが血中に放出されます。高カリウム血症は致死的不整脈を起こすため、最も注意が必要です。
- 誤り。ミオグロビンは上昇します(低ミオグロビンではない)。筋肉壊死によりミオグロビンが血中に放出され、腎障害を起こします。
- 誤り。代謝性アシドーシス(アルカローシスではない)が起こります。筋肉壊死により酸性物質が放出されます。
引用元: 第106回 午後62問
大震災の2日後、避難所にいる成人への心理的援助で適切なのはどれか。
- 宗教の多様性への配慮は後で行う。
- 会話が途切れないように話しかける。
- 確証がなくても安全であると保証する。
- ストレス反応に関する情報提供を行う。
正解: 4
解説:
- 誤り。宗教の多様性への配慮は常に必要です。特に災害時は精神的支えとして宗教が重要になるため、配慮を怠ってはいけません。
- 誤り。無理に会話を続けることは被災者の負担になります。沈黙も尊重し、被災者のペースに合わせることが重要です。
- 誤り。確証がない情報を伝えることは信頼を損ないます。正確な情報のみを提供し、不明な点は「分からない」と正直に伝えるべきです。
- 正しい。災害後のストレス反応(不眠、食欲不振、イライラなど)は正常な反応であることを伝え、心理教育を行うことで不安を軽減できます。
引用元: 第107回 午前57問
大震災発生後1週、約300人の被災者が小学校の体育館に避難している。
この時点で看護師が行う支援として最も適切なのはどれか。
- 災害看護マニュアルの見直し
- 生活の自立支援
- 感染症対策
- 避難訓練
正解: 3
解説:
- 誤り。マニュアルの見直しは静穏期に行うべきです。発災後1週間は実際の支援活動が優先されます。
- 誤り。自立した生活支援は亜急性期~慢性期の役割です。発災1週間では まだ急性期であり、基本的な支援が必要です。
- 正しい。発災1週間後は、避難所での集団生活により感染症のリスクが高まる時期です。手洗い、うがい、換気、衛生管理などの感染予防対策が重要です。
- 誤り。避難訓練は静穏期(平常時)に行うべきです。現在避難中の状況で訓練を行う必要はありません。
引用元: 第103回追試 午前76問
Aさん(55歳、女性)は、1人暮らし。Aさんには視覚障害があり、光と輪郭がぼんやりわかる程度である。食事の準備や室内の移動は自立している。震度6の地震が発生した。Aさんは、避難所に指定されたバリアフリーの公民館に近所のBさんと避難した。公民館には複数の部屋がある。避難所の開設初日に医療救護班として看護師が派遣された。
避難所生活を開始するAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 隣に住んでいたBさんをAさんの世話係にする。
- 話しかける前にAさんの肩に手を添える。
- トイレの近くの部屋をAさんに割り当てる。
- Aさんの手を引いて移動を介助する。
正解: 3
解説:
- 誤り。Bさんに世話係を任せるのは負担が大きく、Aさんの自立を妨げる可能性があります。看護師が直接支援する方が適切です。
- 誤り。視覚障害者に話しかける際は、まず声をかけてから接触するのが基本です。いきなり肩に手を添えるのは驚かせる可能性があります。
- 正しい。視覚障害者はトイレの位置がわかりにくいため、トイレの近くの部屋を割り当てることで移動の負担を軽減できます。
- 誤り。半歩前を歩き、Aさんの方から介助者の腕や肩に手を添えてもらう方法が適切です。
引用元: 第109回 午後75問
大規模災害発生後2か月が経過し、応急仮設住宅で生活を始めた被災地の住民に出現する可能性が高い健康問題はどれか。
- 慢性疾患の悪化
- 消化器感染症の発症
- 深部静脈血栓症の発症
- 急性ストレス障害の発症
正解: 1
解説:
- 正しい。発災2か月後は慢性期に入り、避難生活のストレス、服薬中断、食事の偏りなどにより、高血圧や糖尿病などの慢性疾患が悪化しやすくなります。
- 誤り。消化器感染症は急性期(発災後数日~2週間)に多く発生します。2か月後には衛生環境が改善されています。
- 誤り。深部静脈血栓症は発災直後~数週間(車中泊や避難所の狭いスペースでの生活時)に多く発生します。
- 誤り。急性ストレス障害は発災後3日~4週間以内に発症します。2か月後にはPTSDへの移行が問題になります。
引用元: 第110回 午前71問
A君(4歳、男児)は地震による災害のため体育館に両親と避難し、2週後に仮設住宅に移動した。その後1か月経過したころから、A君はわざと机や椅子をガタガタ揺らしながら「地震だ、逃げろ」などと騒いで遊んでいた。母親は仮設住宅に巡回に来ていた看護師に「Aの遊びにどのように対応したらよいでしょうか」と相談した。
看護師の説明で適切なのはどれか。
- 「すぐに児童精神科の医師の診察を受けましょう」
- 「危険な遊びにエスカレートしないよう、やめさせましょう」
- 「避難できたから安心だね、と声をかけながら見守りましょう」
- 「A君に家の手伝いをしてもらい何か役割を担ってもらいましょう」
正解: 3
解説:
- 誤り。この遊びは災害体験を再現する「災害ごっこ」で、子どもが体験を処理するための正常な反応です。直ちに受診が必要ではありません。
- 誤り。遊びを禁止すると、感情の表出が抑制され、かえって心理的問題が悪化する可能性があります。
- 正しい。「災害ごっこ」は子どもが恐怖体験を処理し、コントロール感を取り戻すための健康的な行動です。安心感を与える声かけをしながら見守ることが適切です。
- 誤り。役割を与えることも有効ですが、まずは子どもの心理的プロセスを理解し、見守ることが優先されます。
引用元: 第113回 午前72問
発災直後、自家用車に泊まり生活を始めた避難者に発生しやすいのはどれか。
- 生活不活発病
- 静脈血栓塞栓症
- 圧挫症候群〈クラッシュ症候群〉
- 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉
正解: 2
解説:
- 誤り。生活不活発病は避難所生活が長期化した際に発生します。発災直後ではありません。
- 正しい。車中泊は狭い空間で長時間同じ姿勢をとるため、深部静脈血栓症→肺塞栓症(エコノミークラス症候群)のリスクが高まります。発災直後から注意が必要です。
- 誤り。圧挫症候群は建物などに長時間挟まれた場合に発生します。車中泊とは関係ありません。
- 誤り。PTSDは発災1か月以降に診断されます。発災直後は急性ストレス反応の段階です。
引用元: 第113回 午前73問
サイコロジカル・ファースト・エイド〈Psychological First Aid:PFA〉について正しいのはどれか。
- 活動の原則は、見る、聞く、つなぐである。
- 災害発生から1週間経過してから活動する。
- 被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する。
- 苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促す。
正解: 1
解説:
- 正しい。PFAの3原則は「見る(Look)」「聞く(Listen)」「つなぐ(Link)」です。被災者のニーズを観察し、傾聴し、必要な支援につなげます。
- 誤り。PFAは災害発生直後から開始されます。1週間待つ必要はありません。
- 誤り。PFAは派遣要請に基づくものではなく、災害現場にいる全ての支援者が実施できる心理的応急処置です。
- 誤り。PFAでは無理に詳細を話させることはしません。被災者が話したいことを傾聴する姿勢が基本です。
引用元: 第113回 午後72問
避難所生活において、身体活動が低下し続けている高齢者に最も起こりやすいのはどれか。
- 感染
- 脱水
- せん妄
- 生活不活発病
正解: 4
解説:
- 誤り。感染は身体活動低下より、集団生活や衛生環境の問題で起こります。
- 誤り。脱水は水分摂取不足や高温環境で起こりますが、身体活動低下との直接的関連は薄いです。
- 誤り。せん妄は環境変化や身体疾患で起こりますが、身体活動低下だけが直接的な原因ではありません。
- 正しい。生活不活発病(廃用症候群)は、身体活動の低下により筋力低下、関節拘縮、心肺機能低下などが起こる状態です。避難所での運動不足により最も起こりやすい健康問題です。
引用元: 第114回 午前77問
災害時のこころのケアで正しいのはどれか。
- こころのケアは発災直後から数週間で終了する。
- 災害派遣精神医療チーム(DPAT)は航空機事故が発生したときにも活動する。
- こころのケアチームを組織化する目的は福祉避難所で医療活動を行うためである。
- サイコロジカルファーストエイド〈Psychological First Aid:PFA〉は発災1か月後に精神科医が行う。
正解: 2
解説:
- 誤り。こころのケアは長期にわたり必要です。急性期、慢性期、復興期と段階に応じて継続的に行われ、数週間で終了するものではありません。
- 正しい。DPATは自然災害だけでなく、航空機・列車事故、犯罪被害、テロなどの人為災害でも活動します。精神科医療および精神保健活動の専門チームです。
- 誤り。こころのケアチームの目的は、被災者の精神的健康を支援することです。福祉避難所での医療活動に限定されません。
- 誤り。PFAは発災直後から、精神科医だけでなく全ての支援者が実施できる心理的応急処置です。1か月後ではありません。
引用元: 第114回 午後74問