成人看護3 過去
空白の欄に適切な語句をあてはめ、表を完成させなさい。
| ショックの種類 | 原因となる疾患 | |
|---|---|---|
| 1.(心原性)ショック | 急性心筋梗塞 | 不整脈 |
| 2.(心外閉塞・拘束性)ショック | 心タンポナーデ | 3.(肺血栓塞栓症) |
| 4.(循環血液量減少性)ショック | 食道静脈瘤破裂 | 骨盤骨折 |
| 5.(血液分布異常性)ショック | 6.(敗血症) | アナフィラキシー |
ショック分類と他の原因疾患
1. 心原性ショック
- 急性心筋梗塞
- 重篤な不整脈(心室頻拍、心室細動)
- 重症心不全
- 心筋症
- 弁膜症(急性僧帽弁閉鎖不全など)
2. 心外閉塞・拘束性ショック
- 心タンポナーデ
- 肺血栓塞栓症
- 緊張性気胸
- 収縮性心膜炎
4. 循環血液量減少性ショック
- 出血性:食道静脈瘤破裂、骨盤骨折、消化管出血、外傷
- 非出血性:脱水、熱中症、糖尿病性ケトアシドーシス
5. 血液分布異常性ショック
- 敗血症性ショック
- アナフィラキシーショック
- 神経原性ショック(脊髄損傷)
- 薬物性ショック
ショックの5P症状を記入しなさい
- 虚脱 (Prostration)
- 蒼白 (Pallor)
- 冷汗 (Perspiration)
- 脈拍不全 (Pulse irregularities)
- 呼吸困難 (Pulmonary distress)
以下の問題に番号で答えなさい
1. 心肺蘇生(一次救命処置)で正しいものはどれか
- 脈の確認は必須であり、橈骨動脈を触知する
- 自発呼吸の確認は、口の動きで判断する
- 意識がないときは、まず人工呼吸を行う
- 心肺停止後5分で脳の障害が始まる
正解: 4
解説:
- 誤:BLSでは脈拍の確認は必須ではなく、確認する場合は頸動脈が推奨される
- 誤:呼吸の確認は胸郭の上下動で判断し、口の動きだけでは不十分
- 誤:意識がない場合はまず胸骨圧迫を開始し、その後人工呼吸を行う
- 正:心停止後約5分で不可逆的な脳障害が始まるため、迅速な蘇生が必要
2. 入院患者が病棟の廊下で倒れていた。最初に行うのはどれか
- 安全な場所へ患者を移動する
- 身体を揺らして反応を見る
- 心臓マッサージを行う
- 大きな声で呼びかける
- 気道を確保する
正解: 4
解説:
- 誤:まず意識確認が優先、安全な場所への移動は二次的
- 誤:身体を強く揺らすのは脊椎損傷のリスクがあり危険
- 誤:意識と呼吸の確認前に心臓マッサージは行わない
- 正:まず大きな声で呼びかけて意識レベルを確認することが最優先
- 誤:意識確認後に必要に応じて行う
3. 除細動が有効な心電図はどれか。2つ選べ
- 心室頻拍
- 心静止(Asystole)
- 心室細動
- 心房細動
- 無脈性電気活動(PEA)
正解: 13.
解説:
- 正:心室頻拍(VT)は除細動適応のshockable rhythm
- 誤:心静止(Asystole)は除細動非適応、アドレナリン投与が有効
- 正:心室細動(VF)は除細動適応のshockable rhythm
- 誤:心房細動は血行動態が安定していれば緊急除細動の適応ではない
- 誤:無脈性電気活動(PEA)は除細動非適応、原因検索と治療が必要
4. 成人に自動体外式除細動器(AED)を使用する際の電極パッドの貼り付けで正しいのはどれか
- 服の上に張っても効果が得られる
- 胸骨圧迫心臓マッサージを止めてもらい、正確に確実に張り付ける
- AEDパッドを貼付部の発汗は、貼り付け前に拭き取る
- 経皮吸収型テープ剤を貼布している場合、テープ剤の上に貼り付けする
正解: 3
解説:
- 誤:服は脱がせて素肌に直接貼り付ける必要がある
- 誤:胸骨圧迫は可能な限り中断せず、パッド貼付中も継続する
- 正:発汗や水分はパッドの密着を妨げるため事前に拭き取る
- 誤:ニトロテープなどは除去してから貼り付ける(火傷のリスク)
5. 動脈で正しいのはどれか
- 骨格筋の収縮は動脈の血流を助けている
- 内膜、中膜および外膜のうち、中膜がもっとも厚い
- 逆流を防ぐ弁が備わっている
- 大動脈は弾性線維が乏しい
正解: 2
解説:
- 誤:骨格筋の収縮は静脈の血流を助けるもので、動脈には無関係
- 正:動脈壁は内膜・中膜・外膜からなり、中膜(平滑筋層)が最も厚い
- 誤:逆流防止弁は静脈や心臓に存在するもので、動脈にはない
- 誤:大動脈は弾性線維が豊富であり、心臓の拍動を末梢に伝える
6. 夜勤中に、心電図モニターを装着している患者のアラームが鳴った。モニターを見ると心電図波形は、心室頻拍であった。急いで患者のもとに行き、呼びかけたが反応がなく、呼吸もしていない様子であった。次の対応で適切なのはどれか
- 意識を確認し、血圧測定を行う
- ナースコールで直ちに応援を呼び、胸骨圧迫心臓マッサージを行う
- 聴診器で呼吸音を確認し、呼吸の有無を確認した
- 直ちに除細動器を取りに行き、除細動を行う
正解: 2
解説:
- 誤:心室頻拍で意識・呼吸なしの場合、血圧測定は無意味で時間の無駄
- 正:心停止状態のため、応援要請と胸骨圧迫開始が最優先
- 誤:聴診での確認に時間をかけるより、直ちに胸骨圧迫開始
- 誤:除細動器を取りに行く間に胸骨圧迫が中断してしまう
7. 細胞外液に比べて細胞内液で濃度が高いのはどれか
- カルシウム
- ナトリウム
- カリウム
- クロール
正解: 3
解説:
- 誤:カルシウムは細胞外液の方が高濃度(細胞内で0.0001mM、細胞外1.2mM)
- 誤:ナトリウムは細胞外液の方が高濃度(細胞兢10mM、細胞外140mM)
- 正:カリウムは細胞内液の方が高濃度(細胞内140mM、細胞外4mM)
- 誤:クロール(塩素)は細胞外液の方が高濃度
8. 貧血とタール便とで入院した患者のショックの兆候はどれか
- a. 不穏の出現
- b. 脈拍数の増加
- c. 頸静脈の怒張
- d. 体温の上昇
- a、b
- a、d
- b、c
- c、d
正解: 1
解説: a.正:不穏は組織酸素供給不全による意識障害の初期徴候 b.正:脈拍数増加は心拍出量低下への代償機転 c.誤:頸静脈怒張は右心不全の徴候で、出血ショックでは静脈系の虚脱が起こる d.誤:ショック時は末梢循環不全で体温低下が起こる
9. 循環血液量減少性ショックになる可能性が最も高いのはどれか
- 頸椎骨折
- 肋骨骨折
- 腰椎圧迫骨折
- 骨盤骨折
正解: 4
解説:
- 誤:頸椎骨折は神経損傷による神経原性ショックのリスクがある
- 誤:肋骨骨折では限定的な出血であり、大量出血のリスクは低い
- 誤:腰椎圧迫骨折は通常外傷性出血のリスクは低い
- 正:骨盤骨折は大量出血(1-3L)を起こしやすく、循環血液量減少性ショックのリスクが最も高い
10. 心原性ショックで直ちに現れる徴候はどれか
- 血圧の上昇
- 体温の上昇
- 尿量の増加
- 脈拍数の増加
正解: 4
解説:
- 誤:心原性ショックでは心拍出量低下により血圧は低下する
- 誤:ショック時は末梗循環不全で体温低下が起こる
- 誤:ショック時は腔内臓器への血流減少で尿量は減少する
- 正:心拍出量低下への代償機転として交感神経亢進により頻脈が出現
11. さまざまなショックの特徴で正しいのはどれか
- 循環血液量減少性ショックでは徐脈が特徴である
- アナフィラキシーによるショック状態では血圧が低下する
- 敗血症によるショック状態では早期に咽頭浮腫が起こることがある
- 神経原性ショックでは顔面が紅潮するのが特徴である
正解: 2
解説:
- 誤:循環血液量減少性ショックでは代償機転で頻脈が特徴
- 正:アナフィラキシーショックでは血管拡張と毛細血管透過性上昇で血圧低下
- 誤:咽頭浮腫はアナフィラキシーの特徴で、敗血症ショックでは特徴的ではない
- 誤:神経原性ショックでは末梢血管拡張で温かく乾燥した皮膚が特徴
12. 日本高血圧学会(2019)による分類で、1度高血圧にあたるのはどれか
- 118/68mmHg
- 124/78mmHg
- 132/76mmHg
- 142/92mmHg
正解: 4
解説:
- 誤:118/68mmHgは正常血圧(120/80mmHg未満)
- 誤:124/78mmHgは正常高値(120-129/80mmHg未満)
- 誤:132/76mmHgは高値血圧(130-139/80-89mmHg)
- 正:142/92mmHgは1度高血圧(140-159/90-99mmHg)に該当
13. 心筋梗塞の患者の看護について、適切なのはどれか
- 症状が安定すれば、発症前の生活習慣に戻してよい
- 回復期は運動制限の必要はない
- 慢性期は定期的な受診の必要はない
- 長期にわたる自己管理が必要である
正解: 4
解説:
- 誤:心筋梗塞後は生活習慣の改善(禁煙・食事療法・運動療法)が必要
- 誤:回復期でも段階的な運動療法と適切な運動制限が必要
- 誤:慢性期でも心機能・合併症のモニタリングのため定期受診が必要
- 正:心筋梗塞は生活習慣病であり、再発予防のため長期的な自己管理が不可欠
14. 循環器疾患に伴う呼吸困難時の看護について、適切なのはどれか
- 喘鳴がみられる
- 仰臥位で安静にすると症状がやわらぐ
- 夜間就眠後は、呼吸は楽になる
- ピンク色の泡沫状痰は症状軽快時に認められる
正解: 1
解説:
- 正:心不全による肺うっ血で喘鳴(ラッセル音)が聞かれる
- 誤:仰臥位では肺うっ血が悪化し、起座呼吸(起座位)が特徴
- 誤:夜間に肺うっ血が進行し、発作性夜間呼吸困難が出現
- 誤:ピンク色泡沫状痰は肺水腫の急性期徴候で、軽快時ではない
15. 左心不全で入院中の片麻痺患者。夜間に呼吸が苦しくなり顔色不良となった。対応で適切なのはどれか
- 肩枕を入れる
- 起座位にする
- 下肢を挙上する
- ヴァルサルバ法を実施する
正解: 2
解説:
- 誤:肩枕は仰臥位に近く、肺うっ血を悪化させる
- 正:起座位は肺うっ血を軽減し、呼吸を改善する最適な体位
- 誤:下肢挙上は静脈還流を増加させ、心負荷を悪化させる
- 誤:ヴァルサルバ法は胸内圧上昇で静脈還流を減少させるが、急性期には不適切
16. 慢性心不全患者の急性増悪を疑うのはどれか
- 体重の減少
- 喘息様症状
- 下肢の熱感
- クモ状血管腫
正解: 2
解説:
- 誤:急性増悪時は体液貯留で体重増加が特徴的
- 正:喘息様症状(喘鳴・呼吸困難)は肺うっ血進行のサイン
- 誤:下肢の熱感は慢性心不全の急性増悪の典型的徴候ではない
- 誤:クモ状血管腫は肝疾患の徴候であり、心不全とは無関係
17. 心房細動で発症リスクが高まるのはどれか
- 脳塞栓
- 脳出血
- 心筋炎
- 心外膜炎
- 心内膜炎
正解: 1
解説:
- 正:心房細動では心房内血流うっ滞で血栓形成、脳塞栓症のリスクが高い
- 誤:脳出血は高血圧や脳動脈瘤と関連があり、心房細動との直接的関連は少ない
- 誤:心筋炎はウイルス感染などが原因で、心房細動との直接関連は少ない
- 誤:心外膜炎も心房細動との直接的関連は少ない
- 誤:心内膜炎も心房細動との直接関連は少ない
18. 心筋梗塞で左上腕内側と左肩に痛みを感じた。この痛みはどれか
- 表在痛
- 深部痛
- 内臓痛
- 関連痛
正解: 4
解説:
- 誤:表在痛は皮膚表面の痛みで、内臓からの放散痛ではない
- 誤:深部痛は筋肉や関節の痛みで、心臓からの放散痛ではない
- 誤:内臓痛は内臓そのものの痛みで、他部位への放散ではない
- 正:関連痛は心臓から同じ神経支配領域(左肩・左上腕)への放散痛
19. 脳出血患者の入院時の看護について、適切なのはどれか
- 血圧のコントロール
- 生活習慣の指導
- ADLの評価
- 輸血の準備
正解: 1
解説:
- 正:脳出血急性期は再出血予防のため血圧管理が最優先
- 誤:生活習慣指導は急性期ではなく回復期に行う
- 誤:ADL評価は急性期ではなく回復期に実施する
- 誤:脳出血では出血を助長するため輸血は禁忌であり、止血を優先する
20. 髄膜刺激症状はどれか
- チアノーゼ
- うっ血乳頭
- 項部硬直
- クッシング減少
正解: 3
解説:
- 誤:チアノーゼは酸素飽和度低下の徴候で、髄膜刺激症状ではない
- 誤:うっ血乳頭は頭蓋内圧上昇の徴候であり、髄膜刺激症状ではない
- 正:項部硬直(こうぶこうちょく)は髄膜刺激症状の代表的な所見。首を前屈させようとすると抵抗があり、首の後ろが硬くなる状態。髄膜炎やくも膜下出血で出現する
- 誤:クッシング反射(クッシング現象)は頭蓋内圧上昇の徴候であり、髄膜刺激症状ではない
補足:項部硬直とは
- 定義: 頭部を前屈させようとすると首の後ろ(項部)が硬くなり抵抗がある状態
- メカニズム: 髄膜(脳や脊髄を覆う膜)が炎症や刺激を受けると、防御反射として首の筋肉が硬直する
- 検査方法: 患者を仰臥位にして、検者が患者の後頭部を持ち上げて首を前屈させる。正常なら顎が胸につくが、項部硬直があると抵抗がある
- 原因疾患: 髄膜炎(細菌性・ウイルス性)、くも膜下出血など
- 他の髄膜刺激症状: ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候
記述問題
IV. 左心不全の症状を5つ挙げなさい(各1点)
- さび色の喀痰 - 肺水腫による
- チアノーゼ - 酸素飽和度低下
- 起座呼吸 - 臥位で悪化する呼吸困難
- 肺水腫 - 左心房圧上昇による
- 尿量低下 - 心拍出量減少による
解説: 左心不全は左心室の収縮力低下により、肺循環に血液がうっ滞する状態です。肺毛細血管圧が上昇し、血管外への水分漏出により肺水腫を来します。
その他の左心不全の症状
呼吸器症状:
- 発作性夜間呼吸困難 - 就寝後2-3時間に突然出現する呼吸困難
- 喘鳴(心臓喘息) - 気管支粘膜浮腫による
- 湿性ラ音(crackles) - 肺うっ血・肺水腫による
- 咳嗽 - 肺うっ血刺激による
- 頻呼吸 - 呼吸困難への代償
- 血痰・喀血 - 肺毛細血管圧上昇による
循環器症状:
- 頻脈 - 心拍出量低下への代償機転
- ギャロップリズム(奔馬調律) - III音・IV音の聴取
- 脈拍微弱 - 心拍出量低下による
全身症状:
- 易疲労感・倦怠感 - 組織への酸素供給不足
- 運動耐容能低下 - 軽労作で呼吸困難出現
- 冷汗 - 交感神経亢進
- 四肢冷感 - 末梢循環不全
- 蒼白 - 皮膚血流減少
- 不穏・意識障害 - 脳血流低下
- 夜間頻尿 - 臥位での腎血流増加
V. 右心不全の症状を5つ挙げなさい(各1点)
- 頸静脈怒張 - 右心房圧上昇
- 肝腫大 - 肝静脈うっ血
- 腹水 - 門脈圧上昇
- 胸水 - 静脈圧上昇による胸膜腔への滲出
- 浮腫 - 体循環うっ血
解説: 右心不全は右心室の収縮力低下により、体循環系に血液がうっ滞する状態です。静脈圧上昇により全身の浮腫や臓器うっ血を来します。
その他の右心不全の症状
静脈うっ血症状:
- 下腿浮腫・全身浮腫 - 体循環うっ血による(重力の影響で下肢から出現)
- 肝頸静脈逆流 - 右心房圧上昇の証明
- 胸水 - 静脈圧上昇による胸膜腔への滲出
- 体重増加 - 体液貯留による
- 圧痕性浮腫 - 指で圧迫すると痕が残る
消化器症状:
- 食欲不振・悪心・嘔吐 - 消化管うっ血による
- 便秘 - 腸管浮腫による
- 肝機能障害 - うっ血肝による(AST・ALT上昇)
- 黄疸 - 肝うっ血進行時
- 右季肋部痛 - 肝腫大による肝被膜伸展
腎症状:
- 乏尿 - 腎血流減少
- 夜間尿量減少 - 日中の体液貯留が夜間も持続
- BUN・クレアチニン上昇 - 腎血流減少による
全身症状:
- 易疲労感・倦怠感 - 心拍出量低下
- チアノーゼ - 末梢循環不全(静脈血うっ滞)
- 低血圧 - 心拍出量低下
- 頻脈 - 代償機転
VI. 循環の3要素を答えなさい(3点)
- 心臓 - ポンプ機能
- 血管 - 血液の通路
- 血液 - 酸素・栄養運搬
解説: 循環系は心臓(ポンプ)、血管(配管)、血液(運搬媒体)の3要素で構成され、これらが協調して全身への酸素・栄養供給と老廃物の回収を行います。