臨床看護概論I 過去解説
問題1 回復期・リハビリテーション期にある患者の看護について、適切なのはどれか。
- 心理的安定している。
- 日常生活動作(ADL)は理学療法士が援助するので、看護は関わらない。
- 家族の不安を解決することは、患者を支えることにつながる。
- 社会資源は利用できない。
正解: 3 解説: 回復期・リハビリテーション期では、家族の不安や心理的負担も大きく、家族支援が患者の回復に重要な役割を果たす。看護師はADL支援にも積極的に関わり、社会資源の活用も重要である。
問題2 ショックの5徴候にないのはどれか。
- 虚血
- 冷感
- 顔面紅潮
- 脈拍触知不能
正解: 3 解説: ショックの5徴候は、虚血・冷感・脈拍触知不能・意識障害・乏尿である。ショック時は末梢循環不全により顔面蒼白となり、顔面紅潮は起こらない。
問題3 黄疸のある患者の看護について、適切なのはどれか。
- かゆみへの対応
- 適度な運動
- 低エネルギー食
- 下痢予防
正解: 1 解説: 黄疸では胆汁酸の皮膚への沈着により強いかゆみが生じる。皮膚の清潔保持、爪を短く切る、冷罨法、抗ヒスタミン薬の使用などでかゆみ対策を行う。
問題4 死後硬直が始まるのはいつか。
- 直後
- 2~3時間後
- 5~6時間後
- 12時間後
正解: 2 解説: 死後硬直は死後2~3時間後から始まり、一般的に12~24時間でピークに達し、その後徐々に解除される。気温や体格により時間は変動する。
問題5 急性期にある患者の看護の特徴について、正しいのはどれか。
- 症状の経過が長期である。
- 状態の変化が緩やかである。
- 医療の必要度は低い。
- 生活行動において医依存度が高い。
正解: 4 解説: 急性期は生命の危険があり、症状が急激に変化し、高度な医療処置が必要で医療依存度が高い。症状の経過は短期間で、状態変化は急激である。
問題6 脱水について正しいのはどれか。
- 低張性脱水は水分が欠乏して起こる。
- 低張性脱水は下痢や嘔吐が原因となる。
- 高張性脱水はカルシウムが欠乏して起こる。
- 高張性脱水は口渇や皮膚乾燥が現れにくい。
正解: 2 解説: 低張性脱水は下痢・嘔吐により電解質が水分より多く失われることで起こる。高張性脱水は水分欠乏が主因で、強い口渇・皮膚乾燥が特徴的である。
問題7 嘔吐した患者の看護について、適切なのはどれか。
- 体位は仰臥位のまま保持する。
- 心身の安静をはかる。
- 下血を伴うことはない。
- 口腔ケアはおこなわない。
正解: 2 解説: 嘔吐時は心身の安静を図り、誤嚥防止のため側臥位とし、口腔ケアで清潔保持を行う。コーヒー残渣様嘔吐など下血を伴う場合もある。
問題8 呼吸困難感のある患者の看護について、適切なのはどれか。
- 酸素消費量を最小限に抑える援助をする。
- 湿度はできるだけ低く調整する。
- 水分摂取を控えるよう説明する。
- 体位は仰臥位を保持する。
正解: 1 解説: 呼吸困難時は酸素消費量を最小限に抑えるため、安楽な体位(半坐位など)をとり、活動を制限し、適切な湿度(50-60%)と水分摂取を維持する。
問題9 慢性期にある患者の看護について、適切なのはどれか。
- セルフケアができるように援助する。
- 生活習慣はこれまでどおりでよいと説明する。
- 症状は安定しており悪化する心配はないと説明する。
- 成人期の患者には家族指導は必要ない。
正解: 1 解説: 慢性期看護の目標はセルフケア能力の向上と自立支援である。生活習慣の改善指導、症状管理、家族を含めた包括的な支援が必要である。
問題10 排尿障害のある患者の看護について、適切なのはどれか。
- 反射性尿失禁の改善に、骨盤底筋運動を行う。
- 尿閉時は膀胱訓練を行う。
- 間欠的導尿は自己では行えない。
- 尿失禁では皮膚の発赤・びらんに注意する。
正解: 4 解説: 尿失禁では皮膚トラブル予防が重要。反射性尿失禁には骨盤底筋運動は無効、尿閉時の膀胱訓練は禁忌、間欠的自己導尿は患者自身が実施可能である。
問題11 浮腫のある患者の看護について、適切なのはどれか。
- 皮膚を乾燥させる。
- 冷罨法を行う。
- 腹水がある場合は仰臥位にする。
- 水分出納の確認を行う。
正解: 4 解説: 浮腫のある患者では水分出納バランスの観察が重要。皮膚の保湿、温罨法、腹水がある場合は半坐位が適切である。
問題12 意識障害のある患者が、普通の呼びかけに容易に開眼した。ジャパン・コーマ・スケール(JCS)の評価はどれか。
- I-2
- I-3
- II-10
- II-20
正解: 3 解説: JCSでII-10は「普通の呼びかけで容易に開眼する」状態を示す。I群は覚醒しているが意識清明でない状態、II群は刺激に応じて覚醒する状態である。
問題13 感覚障害のある患者の看護について、適切なのはどれか。
- 皮膚感覚は障害のある患者は体位変換の必要ない。
- 皮膚損傷は起こりにくいので、観察の必要はない。
- 湯たんぽは身体に密着させる。
- 転倒転落に気をつける。
正解: 4 解説: 感覚障害により転倒・転落リスクが高まる。感覚障害があっても体位変換は必要で、皮膚損傷は起こりやすく、温度感覚障害により熱傷リスクがある。
問題14 緩和ケアについて、正しいのはどれか。
- がんの診断がついたときから開始されることはない。
- 痛みを緩和して延命することが目的。
- 患者の家族への支援が含まれる。
- 在宅では行われない。
正解: 3 解説: 緩和ケアは診断時から開始され、患者・家族両方への全人的ケアを提供する。延命が主目的ではなく、在宅でも積極的に行われる。
問題15 嘔吐の持続により起こりえるのはどれか。
- 代謝性アシドーシス
- 呼吸性アシドーシス
- 代謝性アルカローシス
- 呼吸性アルカローシス
正解: 3 解説: 嘔吐の持続により胃酸(HCl)が大量に失われ、体内のH+が減少してpHが上昇し、代謝性アルカローシスが起こる。
問題16 ショック状態にある患者の看護について、誤っているのはどれか。
- 体位変換や移動が必要な時は、循環動態の変動に留意しながら行う。
- 体位は上半身を挙上したファーラー位とする。
- 重篤な病態に備え、観察を行う。
- 意識があるときは、言葉がけを行うことで、精神的な安定を図る。
正解: 2 解説: ショック時は下肢挙上位(ショック体位)が基本で、ファーラー位は血液の静脈還流を阻害し、ショックを悪化させる可能性がある。
問題17 食事療法について、誤っているのはどれか。
- 一般治療食の形態には、常食、軟食、流動食などがある。
- 医師、看護師、管理栄養士などの多職種による連携が必要。
- 特別治療食とは、直接的な疾患治療効果を目指す食事である。
- 特別治療食は、管理栄養士が処方する。
正解: 4 解説: 特別治療食は医師が処方し、管理栄養士が栄養管理・調整を行う。多職種連携により患者の病態に応じた食事療法を実施する。
問題18 慢性期について、適切なのはどれか。
- 進行は急激である。
- 主な治療は、手術療法である。
- 長期にわたり、だんだんに闘病意欲が高まる。
- セルフケア(自己管理)が必要である。
正解: 4 解説: 慢性期は長期間の経過をたどり、進行は緩慢で、主に薬物療法・食事療法・運動療法が中心となり、患者のセルフケア能力向上が重要である。
問題19 痛みのある患者の特徴と看護について適切なのはどれか。
- 痛みは主観的なものである。
- 急性疼痛では脈拍数の減少がみられる。
- ブレーデンスケールで痛みの持続時間を評価する。
- VASは最も強い痛みを10として数字で答える。
正解: 1 解説: 痛みは主観的体験で患者の訴えが重要。急性疼痛では脈拍増加がみられる。ブレーデンスケールは褥瘡リスク評価、VASは0-10または0-100mmの線分で評価する。
問題20 患者・家族の理解と援助について、誤っているのはどれか。
- 身体的・精神的・社会的側面からアセスメントする。
- 同じ疾患・治療でも、患者によって受け止め方は異なる。
- 家族に病人が出ると、家族の役割が変化する。
- 健康問題が起こったときは、家族だけで対応する。
正解: 4 解説: 健康問題には医療チーム全体での包括的支援が必要。家族だけでの対応では限界があり、専門職による適切な支援が重要である。
問題21 退院支援を開始する時期で適切なのはどれか。
- 入院と同時
- 症状が消失したとき
- 退院が決定したとき
- 患者が退院を希望したとき
正解: 1 解説: 退院支援は入院と同時に開始し、継続的に行うことが重要。早期から退院後の生活を見据えた計画的な支援により、安全で円滑な在宅移行が可能となる。
問題22 終末期ケアについて、正しいのはどれか。
- 予期的悲嘆とは、患者が死亡した時の家族の悲しみをいう。
- キューブラー・ロスによる死の受容段階とは、残された家族の心理傾向を5段階に分類したもの。
- 患者が亡くなった後は、患者と家族だけにしないように配慮する。
- 宗教や慣習上の要望に配慮する。
正解: 4 解説: 終末期ケアでは患者・家族の価値観、宗教的信念、文化的背景を尊重したケアが重要。予期的悲嘆は死亡前の悲嘆、キューブラー・ロスの段階は患者の心理過程を示す。
問題23 徒手筋力テスト(MMT)で、抵抗を加えなければ重力に抗して完全に動かせる状態はどれか。
- 1
- 2
- 3
- 4
正解: 3 解説: MMT段階3は「重力に抗して完全に動かせるが、抵抗には勝てない」状態。段階4は「軽度の抵抗に勝てる」、段階5は「強い抵抗に勝てる正常な筋力」である。
問題24 咳嗽・喀痰のある患者の看護について、適切なのはどれか。
- 仰臥位を保持する。
- 水分摂取を禁止する。
- 口腔ケアを行う。
- 病室の湿度は30%を維持する。
正解: 3 解説: 咳嗽・喀痰のある患者には口腔ケアで口腔内の清潔保持が重要。半坐位で排痰を促し、水分摂取で痰の粘稠度を下げ、適切な湿度(50-60%)を維持する。
問題25 しびれのある患者の看護について、誤っているのはどれか。
- 皮膚の刺激になるため、マッサージはいけない。
- 転倒予防のため、周囲の障害物を取り除く。
- やわらかい素材で圧迫しない衣服を選択する。
- 精神的苦痛の緩和を図るため、気分転換の方法を患者とともにみつける。
正解: 1 解説: 適切な方法でのマッサージは血行改善効果があり禁忌ではない。転倒予防、適切な衣服選択、精神的支援は重要なケアポイントである。
追加練習問題
問題26 臨床看護の活動範囲について、正しいのはどれか。
- 医療施設内のみで行われる。
- 在宅や福祉施設などの地域へと活動の場が広がっている。
- 病院の外来のみで実施される。
- 教育施設では行われない。
正解: 2 解説: 現代の臨床看護は医療施設だけでなく、在宅、福祉施設、教育施設など地域全体に活動の場が広がり、包括的な看護サービスを提供している。
問題27 看護に必要な4つの概念について、正しい組み合わせはどれか。
- 人間・環境・健康・看護
- 疾患・治療・回復・予防
- 身体・精神・社会・霊的
- 急性期・回復期・慢性期・終末期
正解: 1 解説: フローレンス・ナイチンゲールが提唱した看護の4つの基本概念は「人間・環境・健康・看護」であり、現在の看護理論の基盤となっている。
問題28 急性期看護の優先事項について、最も適切なのはどれか。
- 患者教育の実施
- 生命の維持・生理機能の安定
- 社会復帰の準備
- セルフケア能力の向上
正解: 2 解説: 急性期看護では生命維持と生理機能の安定が最優先事項となり、合併症予防と基本的ニーズの充足に焦点を当てる。
問題29 ADL(日常生活動作)について、正しいのはどれか。
- ADLは手段的日常生活動作のことである。
- IADLは基本的日常生活動作のことである。
- ADLは基本的日常生活動作、IADLは手段的日常生活動作である。
- ADLとIADLに違いはない。
正解: 3 解説: ADLは食事、排泄、移動などの基本的日常生活動作、IADLは買い物、調理、金銭管理などの手段的日常生活動作を指す。
問題30 終末期における聴覚について、正しいのはどれか。
- 意識低下とともに早期に失われる。
- 最後まで残っている感覚である。
- 痛み刺激でのみ反応する。
- 薬物により完全に遮断される。
正解: 2 解説: 聴覚は五感の中で最後まで残る感覚とされており、意識レベルが低下しても周囲の会話や音が聞こえている可能性があるため、適切な声かけが重要である。
問題31 慢性期における生活の質(QOL)向上について、最も重要なのはどれか。
- 医療費の削減
- 入院期間の短縮
- その人の価値観を大切にしたケア
- 画一的な治療の実施
正解: 3 解説: 慢性期では治癒よりもいかに生きるかが重要で、患者個人の価値観を尊重し、自尊心が満たされるような個別性のあるケアが求められる。
穴埋め問題
①~㉕にあてはまる語句を記入してください
臨床看護とは 従来医療施設内の看護だけではなく「①」や「②」などの地域へと活動の場が広がっている。
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解答
①在宅 ②福祉施設臨床看護の場 集団(看護の対象)に対して「③」「④」「⑤」あるいは「⑥」に向けて援助することを目的にした活動
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解答
③健康 ④疾病 ⑤障害 ⑥予防医療施設 看護施設(介護保険3施設)「⑦」特別養護老人ホーム、介護療養型医療施設 看護職等養成施設(教育施設)大学、短期大学、専門学校、「⑧」専攻科など
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解答
⑦介護老人保健施設 ⑧看護師病気とは 病気とは、解剖学的・生理学的変化、「⑨」、諸臓器の変化「⑩」、外部からの損傷を受けた時に起こる状態
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解答
⑨生体機能 ⑩機能障害看護師の態度 看護師の行動や態度は患者の「⑪」を与えることがあるので、「⑫」、不快感を助長するような行為は慎み、「⑬」にし、患者が不利益を被ることがないよう注意を払う。
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解答
⑪苦痛 ⑫恐怖 ⑬安楽看護覚え書 看護に必要な4つの概念「⑭」、「⑮」、「⑯」、「⑰」について再認識しながら学んでいこう
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解答
⑭人間 ⑮環境 ⑯健康 ⑰看護急性期とは 急性期の看護、生命の維持、生理機能の安定を優先に考えて、合併症の予防、患者、家族の「⑱」、基本的な「⑲」についても十分に対応すること。
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解答
⑱不安 ⑲日常生活動作回復期・リハビリテーション期にある患者の看護 ADLとは「⑳」 IADLとは「㉑」
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解答
⑳基本的日常生活動作 ㉑手段的日常生活動作慢性期 慢性期そのものは直らなくても、どのように生きていくかに焦点を合わせる援助が求められる。 人生を「㉒」という生活と人生の質(QOL)を維持・充実させ、その人の価値観を大切にし、自尊心が満たされるように患者、家族を援助・支援することが必要。
Details
解答
㉒よりよく生きる終末期とは 終末期にある患者、家族への援助の基本は、患者「㉓」も考慮し、苦痛のコントロールだけでなく、死に直面することによっておこる「㉔」、さらに社会的な問題など対応が求められる。
Details
解答
㉓自律性 ㉔不安・恐怖危篤時:死への看護 意識が低下しても「㉕」は最後まで残っており、周囲の気配や会話が聞こえているといわれる