准看護師試験
母子看護 / 小児の看護
問 1
新生児期の生理的黄疸を引き起こす血液成分はどれか。
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
- 血 漿
正答:1
解説: 新生児期の生理的黄疸は、生後 2 ~ 4 日以降にみられる黄疸である。赤血球の破壊によってヘモグロビンから生じた間接型ビリルビンは、肝でグルクロン酸抱合されて水溶性の直接型ビリルビンになり、胆道から腸管へ排泄され、ほとんどの例で皮膚の黄疸がみられる。
各選択肢の解説:
- 赤血球(正答): 新生児は胎内酸素濃度が低いため赤血球数が多く、出生後の酸素濃度上昇に伴い不要になった赤血球が破壊される。この際に生じるビリルビンが肝臓の未熟な処理能力を超えるため黄疸が生じる。
- 白血球: 白血球は免疫機能を担う血液成分で、生理的黄疸の原因とはならない。
- 血小板: 血小板は止血機能を担う血液成分で、生理的黄疸とは関係がない。
- 血漿: 血漿は血液の液体成分で、直接的に黄疸の原因とはならない。
出典:A 日程 '25
問 2
正常な発達の 4 か月児にみられるのはどれか。
- 寝返りをする。
- 1 人で座る。
- 首がすわる。
- はいはいができる。
正答:3
解説: 正常な乳児の運動発達の順序を理解することが重要である。4 か月児の発達段階では首がすわることが最も重要な指標となる。
各選択肢の解説:
- 寝返りをする: 寝返りは 5 ~ 6 か月頃に見られる運動発達で、4 か月児にはまだ早い。首がすわってから次の段階として現れる。
- 1 人で座る: お座りは 7 ~ 8 か月頃の発達段階で、4 か月児には到達していない。腰がすわる必要がある。
- 首がすわる(正答): 首がすわるのは 3 ~ 4 か月頃で、4 か月児の正常な発達段階として適切。うつ伏せで頭を持ち上げ、縦抱きで頭がぐらつかない状態。
- はいはいができる: はいはいは 7 ~ 8 か月頃に後方に這い、8 ~ 9 か月頃に前方に這うようになる。4 か月児にはまだ見られない。
出典:A 日程 '25
問 3
児童虐待においてネグレクトとはどのような行為をさすか。
- 殴る、蹴る。
- 性的な行為を強要する。
- 食事を与えない。
- 無視や拒否的な態度をとる。
正答:3
解説: 児童虐待におけるネグレクトとは、こどもを家に置いて外出する、食事を与えない、衣服を着替えさせない、などの不適切な養育のことである。
各選択肢の解説:
- 殴る、蹴る: これは身体的虐待に該当する。身体に外傷を与える行為で、ネグレクトとは異なる虐待の形態。
- 性的な行為を強要する: これは性的虐待に該当する。子どもに対する性的行為の強要で、ネグレクトではない。
- 食事を与えない(正答): これは典型的なネグレクト(養育放棄)の例。基本的な生活に必要な食事を提供しないことは養育義務の放棄。
- 無視や拒否的な態度をとる: これは心理的虐待(精神的虐待)に分類される。子どもの情緒的発達を阻害する行為。
出典:A 日程 '25
問 4
採血時に泣いて体を動かす 1 歳 6 か月児の看護について、適切なのはどれか。
- 採血を中止する。
- 必要性を繰り返し説明する。
- おもちゃなどであやし、気をそらす。
- 顔にタオルをかけて見えないようにする。
正答:3
解説: 1 歳 6 か月頃は簡単な指示や絵本が理解できるため、おもちゃなどであやし、気をそらしたりあやしながら実施するのが適切である。
各選択肢の解説:
- 採血を中止する: 医学的に必要な処置を中止することは適切ではない。泣いて体を動かすのは年齢相応の反応。
- 必要性を繰り返し説明する: 1 歳 6 か月児には複雑な説明の理解は困難。かえって恐怖心を増大させる可能性がある。
- おもちゃなどであやし、気をそらす(正答): 年齢に適した対応方法。注意をそらすことで恐怖心を軽減し、処置を安全に実施できる。
- 顔にタオルをかけて見えないようにする: 視覚を遮断することで恐怖心が増大し、呼吸困難のリスクもある。不適切な方法。
出典:A 日程 '25
問 5
A ちゃん(1 歳 3 か月、男児)。川崎病と診断され入院治療中である。入院 10 日目より指先から膜様落屑がみられるようになり、母親が心配している。母親への説明について、適切なのはどれか。
- 「薬の副作用です。」
- 「回復期にみられる症状です。」
- 「症状の悪化が考えられます。」
- 「皮膚科で原因を相談してみましょう。」
正答:2
解説: 川崎病は、原因不明の熱性・急性疾患である。膜様落屑は回復期にみられる症状であり、症状の悪化ではない。
各選択肢の解説:
- 薬の副作用です: 膜様落屑は川崎病の自然経過における回復期症状であり、薬の副作用ではない。誤った説明。
- 回復期にみられる症状です(正答): 川崎病では回復期(入院 10 日目頃)に指先から手のひらにかけて膜様落屑が見られる。正常な経過の一部。
- 症状の悪化が考えられます: 膜様落屑は回復の兆候であり、悪化を示すものではない。母親の不安を不必要に煽る。
- 皮膚科で原因を相談してみましょう: 川崎病の経過として既知の症状であり、他科紹介の必要はない。
出典:A 日程 '25
問 6
11 歳の 1 型糖尿病患児と親への退院時の説明について、適切なのはどれか。
- 「退院後はインスリン注射は必要ありません。」
- 「血糖コントロールができていれば、通常の学校生活が送れます。」
- 「血糖値の測定は親に行ってもらいましょう。」
- 「低血糖症状があるときは軽い運動をしましょう。」
正答:2
解説: 1 型糖尿病は、原因不明の自己免疫機序によってインスリン産生細胞が破壊され、インスリンの絶対的欠乏により起こるものである。インスリン補充療法によって通常の生活を送ることができる。
各選択肢の解説:
- 退院後はインスリン注射は必要ありません: 1 型糖尿病は膵 β 細胞の破壊により内因性インスリンが分泌されないため、生涯にわたりインスリン補充が必要。
- 血糖コントロールができていれば、通常の学校生活が送れます(正答): 適切な血糖管理により、通常の活動や学校生活を送ることができる。正しい指導内容。
- 血糖値の測定は親に行ってもらいましょう: 11 歳であれば自立性を促すため、血糖測定は自分で行うのが望ましい。
- 低血糖症状があるときは軽い運動をしましょう: 低血糖時は速やかに糖質を摂取する必要があり、運動は血糖をさらに低下させる危険がある。
出典:A 日程 '25
問 7
標準的な発育の児において、頭囲と胸囲が等しくなるのはいつか。
- 1 歳頃
- 3 歳頃
- 6 歳頃
- 9 歳頃
正答:1
解説: 乳児期前半は頭囲の方が大きく、1 歳で約 45cm となり胸囲と等しくなる。
各選択肢の解説:
- 1 歳頃(正答): 出生時は頭囲の方が胸囲より大きいが、1 歳頃に約 45cm で両者が等しくなる。これは正常な発育パターン。
- 3 歳頃: この時期には既に胸囲の方が頭囲より大きくなっている。
- 6 歳頃: 学童期初期では胸囲が頭囲を明らかに上回る。
- 9 歳頃: 学童期後期では胸囲と頭囲の差はさらに拡大している。
出典:A 日程 '25
問 8
6 か月児への散剤の与薬について、適切なのはどれか。
- ミルクに混ぜる。
- 離乳食に混ぜる。
- はちみつで練る。
- 少量の白湯でとく。
正答:4
解説: 乳児への散剤投与では、少量の白湯に溶かして内服させることが最も適切である。
各選択肢の解説:
- ミルクに混ぜる: ミルクに混ぜると苦味などによりミルクを飲まなくなる可能性がある。また、薬剤の飲み残しのリスクもある。
- 離乳食に混ぜる: 食事には基本的に薬剤を混ぜない。食事に対する嫌悪感を生じさせる可能性がある。
- はちみつで練る: 乳児ボツリヌス症予防のため、1 歳未満にはちみつは与えてはいけない。
- 少量の白湯でとく(正答): 少量の白湯に溶かすと内服しやすく、確実に薬剤を投与できる。最も安全で適切な方法。
出典:A 日程 '25
問 9
乳幼児が成人に比べ脱水を起こしやすい理由について、正しいのはどれか。
- 体重あたりの水分量が少ない。
- 体重あたりの不感蒸泄量が少ない。
- 体重あたりの体表面積が小さい。
- 腎臓の尿濃縮力が弱い。
正答:4
解説: 小児は体重に占める水分の割合が高く、なかでも細胞外液の割合が高いこと、腎機能が未熟であることなどの理由から脱水になりやすい。腎臓においては、尿濃縮力が弱く、脱水になりやすい。
各選択肢の解説:
- 体重あたりの水分量が少ない: これは誤り。乳幼児は成人と比べて体重に占める水分の割合が高い(約 80%)。
- 体重あたりの不感蒸泄量が少ない: これは誤り。乳幼児は体重あたりの不感蒸泄量が成人より多い。
- 体重あたりの体表面積が小さい: これは誤り。乳幼児は体重あたりの体表面積が成人より大きく、これも脱水のリスク因子。
- 腎臓の尿濃縮力が弱い(正答): 乳幼児の腎機能は未熟で、尿を十分に濃縮できないため、水分を保持する能力が低く脱水になりやすい。
出典:A 日程 '25
問 10
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めると考えられているのはどれか。
- 親の喫煙
- 日光浴
- 母乳栄養
- 腹 臥
正答:1
解説: 乳幼児突然死症候群とは、1 歳未満、特に 6 か月未満に多く、出生 1000 人に対して 0.5 人である。危険因子の一つとして親の喫煙がある。
各選択肢の解説:
- 親の喫煙(正答): 両親、特に母親の喫煙は SIDS の重要な危険因子。妊娠中および出生後の受動喫煙が影響する。
- 日光浴: 適度な日光浴はビタミン D 合成に必要で、SIDS のリスク因子ではない。
- 母乳栄養: 母乳栄養は感染症予防などにより SIDS のリスクを軽減する保護因子。
- 腹臥: うつ伏せ寝(腹臥位)も SIDS の危険因子だが、選択肢の中では親の喫煙が最も重要。
出典:A 日程 '25
問 11
麻しんの子と昨日接触した 1 歳児の感染を心配している母への説明について、適切なのはどれか。
- 「感染力は弱いので心配ありません。」
- 「3 日間様子をみて、症状がなければ大丈夫です。」
- 「予防接種をしていれば感染しません。」
- 「接触後 4 ~ 5 日以内であれば免疫グロブリンの投与が発症予防に有効です。」
正答:4
解説: 麻疹は、麻疹ウイルスの感染により発病する感染力の非常に強い感染症であり、1 回の罹患によって終生免疫を獲得する。患者との接触 4 日以内であれば免疫グロブリン製剤が発病予防に有効である。
各選択肢の解説:
- 感染力は弱いので心配ありません: 麻疹は感染力が非常に強い感染症(基本再生産数 12-18)で、空気感染する。この説明は完全に誤り。
- 3 日間様子をみて、症状がなければ大丈夫です: 麻疹の潜伏期間は 10-12 日と長く、3 日間の観察では不十分。不適切な指導。
- 予防接種をしていれば感染しません: ワクチン接種により感染リスクは大幅に低下するが、100%予防できるわけではない。絶対的な表現は不適切。
- 接触後 4 ~ 5 日以内であれば免疫グロブリンの投与が発症予防に有効です(正答): 麻疹患者との接触後 4 日以内(遅くとも 6 日以内)の免疫グロブリン投与は発症予防効果がある。
出典:A 日程 '25
問 12
学童期にある小児の気管支喘息発作時の看護について、適切なのはどれか。
- 仰臥位を保つ。
- 呼気時の喘鳴を観察する。
- 発作がおさまってから吸入を行う。
- 自分の症状を詳しく話してもらう。
正答:2
解説: 気管支喘息発作の症状として、呼気の延長があるため観察する必要がある。発作時には呼吸困難があり、不安な感情を抱く可能性もあることから、落ち着いて対応し、「はい」「いいえ」などのうなずきで返答できる言葉をかけてニードを把握する。
各選択肢の解説:
- 仰臥位を保つ: 喘息発作時は呼吸困難があるため、起座位や半座位など呼吸しやすい体位をとらせる。仰臥位は不適切。
- 呼気時の喘鳴を観察する(正答): 気管支喘息では気道狭窄により特に呼気時に喘鳴が聞かれる。症状の程度を評価するため重要な観察項目。
- 発作がおさまってから吸入を行う: 気管支拡張薬の吸入は発作時の治療として即座に行う必要がある。発作後では治療効果が期待できない。
- 自分の症状を詳しく話してもらう: 発作時は呼吸困難により会話が困難。簡単な質問で「はい」「いいえ」で答えられる形で状況を把握する。
出典:A 日程 '25
問 13
出生直後の正常新生児にみられるのはどれか。
- 生理的黄疸
- 生理的貧血
- 卵円孔の閉鎖
- 大泉門の閉鎖
正答:3
解説: 新生児が呼吸を開始し肺循環が活性になると卵円孔が閉鎖する。
各選択肢の解説:
- 生理的黄疸: 新生児の生理的黄疸は生後 2 ~ 4 日以降に出現する。出生直後には見られない。
- 生理的貧血: 生後 3 ~ 4 週間頃から新しい赤血球の産生が減少し、生後 2 ~ 3 か月で赤血球数が徐々に減少して生理的貧血となる。出生直後の現象ではない。
- 卵円孔の閉鎖(正答): 胎児期には右房と左房を結ぶ卵円孔が開いているが、出生後に肺呼吸が開始され肺血管抵抗が低下すると、左房圧が右房圧より高くなり卵円孔が機能的に閉鎖する。これは出生直後の正常な循環動態の変化。
- 大泉門の閉鎖: 大泉門は前頭骨と頭頂骨の間にある菱形の膜様部分で、通常 1 歳 6 か月頃に閉鎖する。出生直後に閉鎖するものではない。
出典:A 日程 '24
問 14
離乳の進め方の説明について、適切なのはどれか。
- 開始は 8 ~ 9 か月ころが望ましい。
- 離乳食は 1 日 2 回から始める。
- 離乳食はつぶし粥から始める。
- 完了は 2 歳ころである。
正答:3
解説: 離乳食はなめらかな舌触りのつぶし粥から始める。
各選択肢の解説:
- 開始は 8 ~ 9 か月ころが望ましい: 離乳開始時期は生後 5 ~ 6 か月頃が適切。8 ~ 9 か月は離乳中期に該当し、開始時期としては遅すぎる。
- 離乳食は 1 日 2 回から始める: 離乳開始時は 1 日 1 回から始める。開始後 1 か月程度経過してから 1 日 2 回に増やしていく。
- 離乳食はつぶし粥から始める(正答): 離乳開始時は消化しやすく、なめらかな舌触りのつぶし粥(10 倍粥をすりつぶしたもの)から始めるのが基本。乳児の摂食機能の発達に適している。
- 完了は 2 歳ころである: 離乳の完了は 12 ~ 15 か月頃で、遅くとも 18 か月頃までには完了する。2 歳は遅すぎる。
出典:A 日程 '24
問 15
子どもへの医療処置に対するプレパレーションについて、適切なのはどれか。
- 幼児には事前の説明は必要ない。
- 処置中は子どもに話しかけないようにする。
- 処置後は子どもの感情を表出させる。
- 処置室の壁面は装飾のないものにする。
正答:3
解説: プレパレーションは処置前、処置中、処置後を通じた包括的な心理的支援である。
各選択肢の解説:
- 幼児には事前の説明は必要ない: 年齢に応じた説明は必要。幼児には絵本や人形を使った分かりやすい説明を行う。事前説明により不安を軽減できる。
- 処置中は子どもに話しかけないようにする: 処置中も年齢に応じた声かけや励ましは重要。「頑張っているね」「もう少しで終わるよ」など緊張を和らげる関わりが必要。
- 処置後は子どもの感情を表出させる(正答): 処置後のプレパレーションも重要で、子どもが体験した恐怖や不安を遊びや言葉で表現できるよう支援する。これにより心理的回復を促進する。
- 処置室の壁面は装飾のないものにする: 子どもが安心できる環境作りが大切で、年齢に応じた装飾や親しみやすい環境設定が望ましい。
出典:A 日程 '24
問 16
アトピー性皮膚炎を発症した乳児の看護について、適切なのはどれか。
- 保湿剤の使用を避ける。
- 痒みには温湿法を行う。
- 抗アレルギー薬はミルクに混ぜて与える。
- 家族にステロイド外用薬の塗り方を説明する。
正答:4
解説: アトピー性皮膚炎の治療では適切な外用薬の使用法を家族が理解することが重要である。
各選択肢の解説:
- 保湿剤の使用を避ける: アトピー性皮膚炎では皮膚の乾燥が悪化因子となるため、保湿剤による皮膚の保湿は治療の基本。使用を避けるのは不適切。
- 痒みには温湿法を行う: 温湿法は血管拡張により痒みを増強させる可能性がある。痒みには冷湿法が効果的で、皮膚を冷やすことで痒みを軽減できる。
- 抗アレルギー薬はミルクに混ぜて与える: ミルクなどの主食に薬剤を混ぜるとミルクを飲まなくなるリスクがあり、薬剤の飲み残しも生じる。少量の白湯で溶かして与えるのが適切。
- 家族にステロイド外用薬の塗り方を説明する(正答): ステロイド外用薬は炎症の抑制に有効だが、適切な量と塗り方が重要。家族が正しい使用法を理解することで治療効果を高められる。
出典:A 日程 '24
問 17
小児の与薬について、適切なのはどれか。
- 皮下注射の部位は前腕内側である。
- 筋肉注射は小児では多く使用する注射法である。
- 坐薬は体温では溶解しない。
- 乳児に散剤を投与するときは、少量の水で練って口腔内に塗り付ける。
正答:4
解説: 乳児への散剤投与では、少量の水で練って口腔内に塗り付ける方法が確実である。
各選択肢の解説:
- 皮下注射の部位は前腕内側である: 小児の皮下注射部位は上腕外側が一般的。前腕内側は血管や神経が表在にあり、注射部位として不適切。
- 筋肉注射は小児では多く使用する注射法である: 小児では筋肉量が少なく、筋肉注射は成人ほど頻繁には使用されない。静脈内注射や皮下注射が多く選択される。
- 坐薬は体温では溶解しない: 坐薬は体温(約 37℃)で溶解するよう設計されている。体温で溶解することで薬効成分が放出される。
- 乳児に散剤を投与するときは、少量の水で練って口腔内に塗り付ける(正答): 乳児への散剤投与では、少量の水で練ってペースト状にし、清潔な指で頬の内側や上顎に塗り付ける方法が確実。嚥下反射により確実に服薬できる。
出典:A 日程 '24
問 18
ダウン症候群について、正しいのはどれか。
- 22 番染色体のトリソミーにより生じる。
- 母親の加齢とともに発生率が減少する。
- 成長・発達の遅滞はみられない。
- 心疾患を合併することがある。
正答:4
解説: ダウン症候群は 21 番染色体トリソミーによる先天性疾患で、様々な合併症を伴う。
各選択肢の解説:
- 22 番染色体のトリソミーにより生じる: ダウン症候群は 21 番染色体のトリソミー(21 トリソミー)により生じる。22 番染色体の異常ではない。
- 母親の加齢とともに発生率が減少する: 逆に母親の年齢が高くなるほど発生率は増加する。35 歳以上では発生率が高くなることが知られている。
- 成長・発達の遅滞はみられない: ダウン症候群では知的発達遅滞や身体発育遅延が特徴的に見られる。運動発達、言語発達ともに遅れが生じる。
- 心疾患を合併することがある(正答): ダウン症候群の約 40 ~ 50%に先天性心疾患を合併する。房室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症などが多い。
出典:A 日程 '24
問 19
小児の骨と歯の発育について、正しいのはどれか。
- 手根骨の化骨数は暦年齢の 2 倍である。
- 乳歯は 3 か月から生え始める。
- すべての乳歯が生え揃うのは 2 歳から 3 歳ころである。
- 10 歳ころから永久歯に生え変わる。
正答:3
解説: 乳歯の萌出と完成時期についての正しい知識が重要である。
各選択肢の解説:
- 手根骨の化骨数は暦年齢の 2 倍である: 手根骨の化骨数と暦年齢の関係は単純な 2 倍の関係ではない。骨年齢の評価には複雑な要因が関与する。
- 乳歯は 3 か月から生え始める: 乳歯の萌出は生後 6 ~ 9 か月頃から始まる。3 か月では早すぎる。最初に下顎の中切歯が萌出することが多い。
- すべての乳歯が生え揃うのは 2 歳から 3 歳ころである(正答): 乳歯は 20 本あり、生後 6 か月頃から萌出が始まり、2 歳 6 か月~ 3 歳頃に全ての乳歯が生え揃う。
- 10 歳ころから永久歯に生え変わる: 永久歯への生え変わりは 6 ~ 7 歳頃から始まる。第一大臼歯や下顎中切歯が最初に萌出する。10 歳では既に生え変わりが進行している。
出典:A 日程 '24
問 20
小児が成人に比べて熱中症になりやすいのはなぜか。
- 肝機能が未熟である。
- 体温調節機能が未熟である。
- 体重当たりの体表面積が小さい。
- 体重に占める水分の割合が小さい。
正答:2
解説: 小児は生理学的特徴により成人より熱中症になりやすい。
各選択肢の解説:
- 肝機能が未熟である: 肝機能の未熟性は熱中症の直接的原因ではない。腎機能の未熟性により脱水になりやすいことは熱中症のリスク因子となる。
- 体温調節機能が未熟である(正答): 小児は発汗機能や血管調節機能が未熟で、体温調節能力が成人より劣る。特に乳幼児では体温調節中枢の発達が不十分で、環境温度の変化に対応しにくい。
- 体重当たりの体表面積が小さい: 逆に小児は体重当たりの体表面積が成人より大きい。これにより外界からの熱を受けやすく、熱中症のリスクが高まる。
- 体重に占める水分の割合が小さい: 小児は体重に占める水分の割合が成人より大きい(新生児約 80%、成人約 60%)。ただし、水分代謝回転が早く脱水になりやすい。
出典:A 日程 '24
問 21
児童虐待について、正しいのはどれか。
- 減少傾向にある。
- 虐待が深刻な場合は、市町村保健センターに一時保護される。
- 里親制度・児童養護施設を利用することができる。
- 表在性の外傷がみられることはない。
正答:3
解説: 虐待を受けた子どもは適切な保護と支援が必要である。
各選択肢の解説:
- 減少傾向にある: 児童虐待の相談件数は年々増加傾向にあり、減少していない。社会の認識向上により発見されるケースが増えている面もある。
- 虐待が深刻な場合は、市町村保健センターに一時保護される: 一時保護は児童相談所が行う権限であり、市町村保健センターではない。児童相談所が子どもの安全確保のため一時保護を実施する。
- 里親制度・児童養護施設を利用することができる(正答): 虐待を受けた子どもが家庭で生活することが困難な場合、里親制度や児童養護施設などの社会的養護により子どもの安全と健全な発育を支援する。
- 表在性の外傷がみられることはない: 身体的虐待では打撲、挫傷、熱傷など様々な表在性外傷がみられることが多い。これらの外傷は虐待の重要な発見の手がかりとなる。
出典:A 日程 '24
問 22
急性糸球体腎炎で入院している患児の看護について、適切なのはどれか。
- 水分摂取を促す。
- 腹部の冷罨法を行う。
- ベッド上での遊びを工夫する。
- 食べ物の持ち込みを許可する。
正答:3
解説: 急性糸球体腎炎では安静が重要で、症状に応じた活動制限が必要である。
各選択肢の解説:
- 水分摂取を促す: 急性糸球体腎炎では浮腫や高血圧を防ぐため、水分制限が必要。むやみに水分摂取を促すのは不適切。
- 腹部の冷罨法を行う: 腹部の冷罨法は急性糸球体腎炎の標準的な治療法ではない。むしろ体温維持や安楽な体位の確保が重要。
- ベッド上での遊びを工夫する(正答): 急性期には安静が必要なため、ベッド上で行える年齢に応じた遊びを工夫することで、安静を保ちながら精神的ストレスを軽減できる。
- 食べ物の持ち込みを許可する: 塩分制限やタンパク質制限が必要な場合が多く、食べ物の持ち込みは制限される。栄養管理は医師の指示に従って行う。
出典:A 日程 '24
問 23
乳幼児の痙攣の看護について、適切なのはどれか。
- 小児は痙攣を起こしにくい。
- 舌をかけ体をゆする。
- 痙攣時に嘔吐が伴う場合は顔を横向きにする。
- 前駆症状がみられることはない。
正答:3
解説: 乳幼児の痙攣時は安全確保と窒息予防が最重要である。
各選択肢の解説:
- 小児は痙攣を起こしにくい: 小児、特に乳幼児は成人より痙攣を起こしやすい。脳の発達が未熟で痙攣閾値が低く、発熱などの刺激で容易に痙攣を起こす。
- 舌をかけ体をゆする: 痙攣時は刺激を与えてはいけない。体をゆすったり舌を押さえようとすると、かえって外傷の原因となる。安全な場所で見守ることが重要。
- 痙攣時に嘔吐が伴う場合は顔を横向きにする(正答): 痙攣時の嘔吐による窒息を防ぐため、顔を横向きにして気道確保を行う。これは重要な安全確保の方法。
- 前駆症状がみられることはない: 痙攣の前にふるえ、意識レベルの変化、焦点の合わない眼球運動などの前駆症状がみられることがある。これらの観察は重要。
出典:A 日程 '24
問 24
新生児黄疸について、正しいのはどれか。
- 生理的黄疸は生後 24 時間以内に出現する。
- 肝臓でのビリルビン処理が過剰なために起こる。
- 病的黄疸の治療で最初に行われるのは交換輸血である。
- 病的黄疸の原因の 1 つに母子間の血液型不適合がある。
正答:4
解説: 新生児黄疸には生理的なものと病的なものがあり、原因と治療法を理解することが重要である。
各選択肢の解説:
- 生理的黄疸は生後 24 時間以内に出現する: 生理的黄疸は生後 2 ~ 4 日以降に出現する。生後 24 時間以内の黄疸は病的黄疸を疑う。
- 肝臓でのビリルビン処理が過剰なために起こる: 逆に新生児では肝臓の抱合能が未熟でビリルビン処理能力が不足するため黄疸が生じる。処理が過剰ではない。
- 病的黄疸の治療で最初に行われるのは交換輸血である: 病的黄疸の治療は重症度に応じて段階的に行われ、まず光線療法が選択されることが多い。交換輸血は重症例に対する最終手段。
- 病的黄疸の原因の 1 つに母子間の血液型不適合がある(正答): ABO 式や Rh 式血液型不適合による溶血性貧血は病的黄疸の重要な原因の一つ。母乳性黄疸、感染症なども原因となる。
出典:A 日程 '23
問 25
肺炎の患児の看護について、適切なのはどれか。
- 活動は制限しない。
- 室内の湿度は低めを保つ。
- 膿胸、中耳炎、髄膜炎の合併症に注意する。
- 食事は絶飲食とする。
正答:3
解説: 小児肺炎では合併症の早期発見と適切な対応が重要である。
各選択肢の解説:
- 活動は制限しない: 肺炎では呼吸困難や全身状態の悪化を防ぐため安静が必要。体力消耗を避けるため活動制限が必要。
- 室内の湿度は低めを保つ: 痰の喀出を促進し呼吸を楽にするため、室内湿度は 60 ~ 80%程度に保つ。低湿度では痰が粘稠になり排出困難となる。
- 膿胸、中耳炎、髄膜炎の合併症に注意する(正答): 小児肺炎では膿胸、中耳炎、髄膜炎、敗血症などの重篤な合併症を起こすことがあり、これらの早期発見と対応が重要。
- 食事は絶飲食とする: 一般的に絶飲食は不要。食欲に応じた食事を提供し、摂取困難な場合は少量ずつ頻回に与える。栄養状態の維持が重要。
出典:A 日程 '23
問 26
川崎病について、正しいのはどれか。
- 原因は RS ウイルスである。
- 10 歳代に好発する。
- 主たる治療は手術療法である。
- 心臓合併症を伴うことがある。
正答:4
解説: 川崎病は原因不明の全身性血管炎で、心血管合併症が最も重要な問題である。
各選択肢の解説:
- 原因は RS ウイルスである: 川崎病の原因は現在でも不明。RS ウイルスは下気道感染症の原因ウイルスで、川崎病の原因ではない。
- 10 歳代に好発する: 川崎病の約 80%は 4 歳以下の乳幼児に発症し、特に 1 歳前後に多い。10 歳代での発症は稀。
- 主たる治療は手術療法である: 急性期の治療は免疫グロブリン大量静注療法とアスピリン投与が主体。手術は心血管合併症に対してのみ考慮される。
- 心臓合併症を伴うことがある(正答): 川崎病の最も重要な合併症は冠動脈病変(冠動脈瘤、狭窄など)で、約 3 ~ 5%に発症する。長期的な心血管系のフォローアップが必要。
出典:A 日程 '23
問 27
胸膜の疾患を発症した患児の看護について、適切なのはどれか。
- 気胸は幼児期の男子に多い。
- 気胸で症状が軽い場合は安静にして自然吸収を待つ。
- 胸膜炎は無症状のため注意が必要である。
- 小児に胸腔穿刺や胸腔ドレーナシは実施しない。
正答:2
解説: 小児の胸膜疾患では症状と重症度に応じた適切な治療選択が重要である。
各選択肢の解説:
- 気胸は幼児期の男子に多い: 自然気胸は思春期以降の長身やせ型の男子に多く見られる。幼児期には稀。
- 気胸で症状が軽い場合は安静にして自然吸収を待つ(正答): 軽度の気胸(肺虚脱率が 20 ~ 30%以下)で呼吸困難が軽い場合は、安静にして自然吸収を待つ保存的治療が選択される。
- 胸膜炎は無症状のため注意が必要である: 胸膜炎では発熱、胸痛、咳嗽、呼吸困難などの症状が現れる。無症状ではない。
- 小児に胸腔穿刺や胸腔ドレーナシは実施しない: 小児でも重症の気胸や胸水貯留に対しては、胸腔穿刺や胸腔ドレナージが必要に応じて実施される。
出典:A 日程 '23
問 28
小児の耳鼻咽喉疾患について、正しいのはどれか。
- 急性中耳炎は無症状である。
- 急性中耳炎は風疹ウイルスの感染によることが多い。
- アデノイド(咽頭扁桃肥大)により睡眠時無呼吸を起こすことがある。
- 滲出性中耳炎は、水泳などを契機に起こる。
正答:3
解説: 小児の耳鼻咽喉疾患は解剖学的特徴と関連して特有の症状を呈する。
各選択肢の解説:
- 急性中耳炎は無症状である: 急性中耳炎では発熱、耳痛、難聴などの症状が現れる。乳幼児では機嫌不良、哺乳不良として現れることもある。
- 急性中耳炎は風疹ウイルスの感染によることが多い: 急性中耳炎の多くは上気道感染に続発する細菌感染症で、肺炎球菌やインフルエンザ菌が主な原因。風疹ウイルスは原因ではない。
- アデノイド(咽頭扁桃肥大)により睡眠時無呼吸を起こすことがある(正答): アデノイド肥大により上気道が狭窄し、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがある。口呼吸や鼻閉も生じる。
- 滲出性中耳炎は、水泳などを契機に起こる: 滲出性中耳炎は中耳に非化膿性浸出液が貯留した状態で、耳管機能不全や急性中耳炎の遷延が原因。外耳道への水の侵入とは異なる。
出典:A 日程 '23
問 29
小児の異物の誤飲・誤嚥時の看護について、適切なのはどれか。
- 4 ~ 5 歳児に異物の誤飲や誤嚥を起こしやすい。
- アルカリ性の強い漂白剤を誤飲した場合は、直ちに嘔吐させる。
- 気道内異物の除去方法として背部叩打法がある。
- 腹部突き上げ法(ハイムリック法)による異物の除去は幼児では行わない。
正答:3
解説: 小児の異物誤飲・誤嚥は年齢別の特徴を理解し適切な対応を行うことが重要である。
各選択肢の解説:
- 4 ~ 5 歳児に異物の誤飲や誤嚥を起こしやすい: 異物誤飲・誤嚥は生後 7 か月~ 4 歳頃、特に 1 ~ 2 歳児に多い。この時期は口に物を入れる行動が活発で、咀嚼能力が未熟。
- アルカリ性の強い漂白剤を誤飲した場合は、直ちに嘔吐させる: アルカリ性物質では嘔吐により逆流時に再度食道や気道を損傷する危険があり、嘔吐は誘発しない。水分摂取も避ける。
- 気道内異物の除去方法として背部叩打法がある(正答): 乳児では背部叩打法と胸部圧迫法、幼児以上では腹部突き上げ法(ハイムリック法)が気道異物除去の標準的方法。
- 腹部突き上げ法(ハイムリック法)による異物の除去は幼児では行わない: 腹部突き上げ法は 1 歳以上の幼児から成人まで適用される。適用外は 1 歳未満の乳児。
出典:A 日程 '23
問 30
気管支喘息発作時の患児の看護について、適切なのはどれか。
- 発作は昼間に起こりやすい。
- 体位は起座位とする。
- 胸式呼吸をするよう説明する。
- 隔離が必要である。
正答:2
解説: 気管支喘息発作時は呼吸困難の軽減と患児の不安軽減が重要である。
各選択肢の解説:
- 発作は昼間に起こりやすい: 気管支喘息発作は夜間や早朝に起こりやすい。これは自律神経の日内変動やホルモン分泌の影響による。季節の変わり目にも多い。
- 体位は起座位とする(正答): 喘息発作時は呼吸困難があるため、起座位や半座位など呼吸しやすい体位をとらせる。衣服をゆるめて呼吸を楽にする。
- 胸式呼吸をするよう説明する: 腹式呼吸を指導する。腹式呼吸により横隔膜の動きが改善され、呼吸筋の疲労を軽減できる。
- 隔離が必要である: 気管支喘息は感染症ではなく、隔離の必要はない。むしろ家族の付き添いにより患児の不安を軽減することが重要。
出典:A 日程 '23
問 31
骨肉腫について、正しいのはどれか。
- 骨原発の良性腫瘍である。
- 好発年齢は幼児である。
- 上腕骨、橈骨の骨幹端部に好発する。
- 局所の疼痛、腫脹、可動域制限が初発症状である。
正答:4
解説: 骨肉腫は小児の原発性骨悪性腫瘍の中で最も頻度が高い疾患である。
各選択肢の解説:
- 骨原発の良性腫瘍である: 骨肉腫は骨原発の悪性腫瘍(肉腫)で、良性腫瘍ではない。転移のリスクが高く、早期診断と治療が重要。
- 好発年齢は幼児である: 骨肉腫の好発年齢は 10 ~ 20 歳の思春期で、身長増加期に多い。幼児期の発症は稀。
- 上腕骨、橈骨の骨幹端部に好発する: 骨肉腫は膝関節周辺(大腿骨遠位端、脛骨近位端)に最も多く発生し、次いで上腕骨近位端に多い。上腕骨遠位端や橈骨は比較的稀。
- 局所の疼痛、腫脹、可動域制限が初発症状である(正答): 骨肉腫の初発症状は局所の疼痛と腫脹で、進行すると関節可動域制限、跛行、病的骨折などが現れる。夜間痛が特徴的。
出典:B 日程 '23
問 32
先天性股関節脱臼について、正しいのはどれか。
- 男児に多い。
- 治療は直達牽引を行う。
- 股関節の開排拡大がみられる。
- 股関節クリックサイン(クリック音)がみられる。
正答:4
解説: 先天性股関節脱臼は乳児期の重要な整形外科的疾患で、早期発見と治療が重要である。
各選択肢の解説:
- 男児に多い: 先天性股関節脱臼は女児に約 6 ~ 9 倍多く発症する。これは女性ホルモンや骨盤の解剖学的差異が関与するとされている。
- 治療は直達牽引を行う: 乳児期の治療はリーメン・ビューゲル装具による整復・保持が第一選択。直達牽引は適応ではない。早期発見により保存的治療で改善することが多い。
- 股関節の開排拡大がみられる: 逆に股関節の開排制限(外転制限)がみられる。股関節を外転させにくくなり、おむつ交換時に気づくことがある。
- 股関節クリックサイン(クリック音)がみられる(正答): 股関節を屈曲・外転させた際に聞かれるクリック音(Ortolani 徴候、Barlow 徴候)は重要な診断所見。大腿皮膚溝の非対称、下肢長差なども診断の手がかり。
出典:B 日程 '23
問 33
ネフローゼ症候群の患児の看護について、適切なのはどれか。
- 水分摂取を制限する。
- 安静の必要はない。
- 体重の減少に注意する。
- 浮腫が軽減すれば内服は中止してよい。
正答:1
解説: ネフローゼ症候群では浮腫のコントロールが重要で、水分・塩分制限が基本的な管理となる。
各選択肢の解説:
- 水分摂取を制限する(正答): ネフローゼ症候群では低蛋白血症により浮腫が生じるため、水分および塩分制限が必要。浮腫の程度に応じて制限量を調整する。
- 安静の必要はない: 浮腫が強い急性期には安静が必要。過度な活動は循環負荷を増大させ、浮腫を悪化させる可能性がある。
- 体重の減少に注意する: ネフローゼ症候群では体液貯留により体重増加がみられる。体重減少ではなく体重増加に注意し、日々の体重測定により浮腫の程度を評価する。
- 浮腫が軽減すれば内服は中止してよい: ネフローゼ症候群は長期間の治療が必要な疾患で、ステロイド療法などは段階的に減量する。自己判断での中止は再発のリスクが高い。
出典:B 日程 '23
問 34
小児の予防接種について、正しいのはどれか。
- B 型肝炎ワクチンは、任意接種である。
- 水痘ワクチンは、不活化ワクチンである。
- 接種時期と回数が規定されている。
- 異なるワクチンを同時に接種することはない。
正答:3
解説: 小児の予防接種は感染症の予防と集団免疫の獲得のため、適切なスケジュールに従って実施される。
各選択肢の解説:
- B 型肝炎ワクチンは、任意接種である: B 型肝炎ワクチンは平成 28 年 10 月から定期接種に追加された。生後 2 か月、3 か月、7 ~ 8 か月の計 3 回接種する。
- 水痘ワクチンは、不活化ワクチンである: 水痘ワクチンは生ワクチン(弱毒生ワクチン)である。1 歳と 1 歳 3 か月~ 1 歳 6 か月の 2 回接種が定期接種。
- 接種時期と回数が規定されている(正答): 各ワクチンには予防接種法により接種時期、接種回数、接種間隔が詳細に規定されており、これに従って接種を行う。
- 異なるワクチンを同時に接種することはない: 現在は異なる種類のワクチンの同時接種が推奨されている。左右の腕や大腿部の異なる部位に同時接種することで、接種回数を減らし利便性を高める。
出典:A 日程 '22
問 35
乳児への与薬について、適切なのはどれか。
- 水剤はミルクに混ぜる。
- 錠剤は粉砕する。
- 散剤はそのまま飲ませる。
- 坐薬は手袋を装着して挿入する。
正答:4
解説: 乳児への与薬では安全性と確実性を重視した方法を選択する必要がある。
各選択肢の解説:
- 水剤はミルクに混ぜる: ミルクに薬剤を混ぜると苦味などによりミルクを飲まなくなるリスクがあり、薬剤の飲み残しも生じる。少量の白湯で希釈して与えるのが適切。
- 錠剤は粉砕する: 錠剤の粉砕は薬効の変化や吸収速度の変化を起こす可能性があり、原則として行わない。医師の指示がある場合のみ粉砕可能。
- 散剤はそのまま飲ませる: 乳児に散剤をそのまま与えると誤嚥のリスクがある。少量の白湯で溶かして与えるか、指で口腔内に塗り付ける方法が安全。
- 坐薬は手袋を装着して挿入する(正答): 坐薬挿入時は感染予防のため手袋を装着し、適切な体位で確実に挿入する。挿入後は肛門を軽く押さえて排出を防ぐ。
出典:A 日程 '22
問 36
低出生体重児の看護について、適切なのはどれか。
- 母親の面会は避けるようにする。
- 皮膚温を 37.5℃ に保つ。
- できるだけ母乳を与える。
- 音や光の刺激を多くする。
正答:3
解説: 低出生体重児では生理機能が未熟なため、適切な環境管理と栄養管理が重要である。
各選択肢の解説:
- 母親の面会は避けるようにする: 母親との早期接触は愛着形成に重要で、積極的に面会を促す。カンガルーケアなども推奨される。面会制限は感染対策上必要な場合のみ。
- 皮膚温を 37.5℃ に保つ: 低出生体重児の適切な皮膚温は 36.5 ~ 37.0℃。37.5℃ は発熱域で高すぎる。体温調節機能が未熟なため適切な保温が必要。
- できるだけ母乳を与える(正答): 母乳は消化吸収が良く、免疫物質を含むため低出生体重児に最適な栄養。母乳栄養により感染症のリスクが減少し、発育も良好となる。
- 音や光の刺激を多くする: 低出生体重児は神経系が未熟なため、過度な刺激は避ける。静かで適度に暗い環境を保ち、必要時のみ最小限の刺激とする。
出典:A 日程 '22
問 37
A ちゃん(3 歳、女児)。急性リンパ性白血病と診断された。看護について、適切でないのはどれか。
- 出血や止血状態を確認する。
- 治療は短期間であると家族に伝える。
- 寛解期には、これまでの遊びが継続できるよう支援する。
- 同じ状況下の家族会を紹介する。
正答:2
解説: 急性リンパ性白血病は小児の血液悪性疾患の中で最も頻度が高く、長期間の治療が必要である。
各選択肢の解説:
- 出血や止血状態を確認する: 白血病では血小板減少により出血傾向があるため、出血症状の観察と止血状態の確認は重要な看護ケア。
- 治療は短期間であると家族に伝える(不適切): 急性リンパ性白血病の治療期間は約 2 ~ 3 年と長期間に及ぶ。短期間との説明は誤りで、家族には正確な情報提供が必要。
- 寛解期には、これまでの遊びが継続できるよう支援する: 寛解期には感染に注意しながら年齢に応じた遊びや活動を継続し、正常な発達を支援することが重要。
- 同じ状況下の家族会を紹介する: 同じ疾患を持つ家族との交流は情報共有や精神的支援に有効。家族会の紹介は適切な支援方法。
出典:A 日程 '22
問 38
コプリック斑がみられる疾患はどれか。
- 水痘
- 手足口病
- 麻疹
- ヘルパンギーナ
正答:3
解説: コプリック斑は麻疹の特徴的な初期症状で、診断の重要な手がかりとなる。
各選択肢の解説:
- 水痘: 水痘では皮膚に特徴的な水疱性発疹がみられるが、口腔内のコプリック斑は出現しない。発疹は体幹から始まり四肢に広がる。
- 手足口病: 手足口病では手のひら、足の裏、口腔内に小水疱がみられるが、コプリック斑ではない。エンテロウイルスによる感染症。
- 麻疹(正答): コプリック斑は麻疹の前駆期(カタル期)に口腔粘膜、特に下顎第 2 大臼歯の対側頬粘膜に現れる白色の小斑点。麻疹の早期診断に重要。
- ヘルパンギーナ: ヘルパンギーナでは軟口蓋や咽頭後壁に小水疱や潰瘍がみられるが、コプリック斑ではない。エンテロウイルスによる夏季の感染症。
出典:B 日程 '22
問 39
腸重積症にみられる特徴的な便はどれか。
- 灰白色便
- 粘血便
- 暗緑色便
- 白色水様便
正答:2
解説: 腸重積症は乳幼児に多い消化器救急疾患で、特徴的な症状の把握が重要である。
各選択肢の解説:
- 灰白色便: 灰白色便は胆道閉鎖症や胆汁うっ滞の特徴的な症状。胆汁の流出障害により便が白色調となる。
- 粘血便(正答): 腸重積症では腸管の血流障害により粘膜から出血し、粘液と血液が混じった粘血便(イチゴゼリー様便)が特徴的にみられる。
- 暗緑色便: 暗緑色便は胎便の特徴で、出生後 24 時間以内に排出される。ビリベルジンの色調による。
- 白色水様便: 白色水様便はロタウイルス感染症の特徴的な症状。大量の水様性下痢を呈する。
出典:B 日程 '22
問 40
乳幼児突然死症候群(SIDS)について、正しいのはどれか。
- 男児より女児に多い。
- 1 ~ 2 歳児に多い。
- 母乳栄養児に多い。
- 母親の喫煙は危険因子である。
正答:4
解説: SIDS は 1 歳未満の乳児に起こる原因不明の突然死で、危険因子の理解と予防対策が重要である。
各選択肢の解説:
- 男児より女児に多い: SIDS は女児より男児に約 1.5 倍多く発症する。性差の原因は明確ではないが、男児の方がリスクが高い。
- 1 ~ 2 歳児に多い: SIDS は 1 歳未満、特に生後 2 ~ 6 か月の乳児に多く発症する。1 歳を超えると SIDS の診断基準に該当しない。
- 母乳栄養児に多い: 逆に人工栄養児の方が SIDS のリスクが高い。母乳栄養は感染症予防効果により SIDS のリスクを軽減する保護因子。
- 母親の喫煙は危険因子である(正答): 妊娠中および出生後の母親の喫煙は SIDS の重要な危険因子。受動喫煙も含めて禁煙が重要な予防策。
出典:B 日程 '22
問 41
幼児の救急処置について、適切なのはどれか。
- 胸の厚みの 1/5 の深さまで圧迫を行う。
- 胸骨圧迫と人工呼吸を 3:1 の割合で行う。
- 1 分間に 100 ~ 120 回の速さで行う。
- 二本指圧迫法で行う。
正答:3
解説: 幼児の心肺蘇生では年齢に応じた適切な方法を用いることが重要である。
各選択肢の解説:
- 胸の厚みの 1/5 の深さまで圧迫を行う: 幼児では胸の厚みの約 1/3 の深さまで圧迫を行う。1/5 では不十分で効果的な循環補助ができない。
- 胸骨圧迫と人工呼吸を 3:1 の割合で行う: 幼児では胸骨圧迫と人工呼吸を 15:2 の割合で行う。3:1 は新生児の蘇生で用いられる比率。
- 1 分間に 100 ~ 120 回の速さで行う(正答): 胸骨圧迫の速度は成人と同様に 1 分間に 100 ~ 120 回(現在のガイドラインでは 100 ~ 120 回)で行う。これは年齢を問わず共通。
- 二本指圧迫法で行う: 二本指圧迫法は乳児(1 歳未満)に用いる方法。幼児(1 歳以上)では片手または両手で胸骨圧迫を行う。
出典:関西広域連合、北摂東・甲信越、神奈川、宮崎 '21
問 42
手掌を押すと軽く握る原始反射で正しいのはどれか。
- 吸啜反射
- 把握反射
- モロー反射
- 緊張性頸反射
正答:2
解説: 原始反射は新生児期に見られる無条件反射で、神経系の発達を評価する重要な指標である。
各選択肢の解説:
- 吸啜反射: 口唇周囲や口腔内に触れた際に吸啜動作を示す反射。哺乳行動に関連する重要な反射。
- 把握反射(正答): 手掌に指や物を置くと手指を屈曲させて握る反射。生後 3 ~ 4 か月頃に消失し、随意的な把握に置き換わる。
- モロー反射: 急激な刺激や頭部の急な落下により、両上肢を外転・伸展後に抱きつくような動作をする反射。
- 緊張性頸反射: 頭部を一側に向けると同側上下肢が伸展し、反対側上下肢が屈曲する反射。フェンシング肢位とも呼ばれる。
出典:東京、茨城 '21
問 43
乳児の脱水症状で適切なのはどれか。
- 徐脈
- 血圧の上昇
- 体重の増加
- 大泉門の陥没
正答:4
解説: 乳児の脱水症状を正しく理解し、早期発見に努めることが重要である。
各選択肢の解説:
- 徐脈: 脱水時は循環血液量減少により代償性に頻脈となる。徐脈は脱水の症状ではない。
- 血圧の上昇: 脱水時は循環血液量減少により血圧は低下する。重度の脱水ではショック状態となる。
- 体重の増加: 脱水では水分喪失により体重は減少する。体重減少率により脱水の程度を評価(5%以上で軽度、10%以上で中等度、15%以上で重度)。
- 大泉門の陥没(正答): 乳児特有の脱水症状で、頭蓋内圧低下により大泉門が陥没する。他に皮膚の弾力性低下、粘膜乾燥、尿量減少なども重要な症状。
出典:東京、茨城 '21
問 44
新生児メレナ(真性メレナ)について正しいのはどれか。
- 吐血・下血がみられる。
- ビタミン K 過剰に伴う出血である。
- 出生後 7 日ころ発症することが多い。
- 原因の一つに腸内細菌叢の形成(確立)がある。
正答:1
解説: 新生児メレナはビタミン K 欠乏による出血性疾患で、重篤な合併症を防ぐため理解が重要である。
各選択肢の解説:
- 吐血・下血がみられる(正答): 新生児メレナでは消化管出血により吐血(コーヒー残渣様)や下血(黒色便、血便)がみられる。重篤な場合は大量出血によりショックとなる。
- ビタミン K 過剰に伴う出血である: ビタミン K 欠乏により生じる出血性疾患。ビタミン K 依存性凝固因子(II、VII、IX、X)の産生不足が原因。
- 出生後 7 日ころ発症することが多い: 発症時期により早発型(生後 24 時間以内)、古典型(生後 2 ~ 4 日)、遅発型(生後 2 週間~ 2 か月)に分類される。
- 原因の一つに腸内細菌叢の形成(確立)がある: 逆に腸内細菌叢の未形成がビタミン K 欠乏の一因。腸内細菌によるビタミン K 産生が不十分で、母乳中のビタミン K 含量も少ない。
出典:東京、茨城 '21
問 45
ファロー四徴症について正しいのはどれか。
- 一般的には保存療法である。
- 特徴の一つに左室肥大がある。
- 無酸素発作時はうつ伏せにする。
- チアノーゼ性心疾患の中では最も多い。
正答:4
解説: ファロー四徴症は代表的なチアノーゼ性先天性心疾患で、特徴的な症状と管理法を理解することが重要である。
各選択肢の解説:
- 一般的には保存療法である: ファロー四徴症は外科的修復術が標準治療。根治術前に姑息術(Blalock-Taussig 短絡術など)を行うこともある。保存療法のみでは予後不良。
- 特徴の一つに左室肥大がある: ファロー四徴症では肺動脈狭窄により右室負荷が増大し、右室肥大をきたす。左室肥大ではない。
- 無酸素発作時はうつ伏せにする: 無酸素発作時は膝胸位(蹲踞位)をとらせる。これにより体血管抵抗が上昇し、右左短絡が減少して症状が軽減される。
- チアノーゼ性心疾患の中では最も多い(正答): ファロー四徴症は全先天性心疾患の約 10%、チアノーゼ性心疾患の約 50%を占める最頻疾患。肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右室肥大の 4 つの特徴を持つ。
出典:東京、茨城 '21
問 46
小児看護について、正しいのはどれか。
- 看護師には、子どものアドボケイト(権利の擁護)をする役割はない。
- 幼児期の子どもから、インフォームドアセントが適切である。
- 小児看護は、あらゆる健康レベルの子どもと家族を対象にする。
- 成育医療は、ライフステージで区切ってとらえる医療のあり方である。
正答:3
解説: 小児看護の理念と対象について正しく理解することが重要である。
各選択肢の解説:
- 看護師には、子どものアドボケイト(権利の擁護)をする役割はない: 小児看護師には子どもの権利擁護(アドボケイト)の重要な役割がある。子どもの最善の利益を代弁し、権利を守る責務を負う。
- 幼児期の子どもから、インフォームドアセントが適切である: インフォームドアセントは幼児期のみならず、発達段階に応じてすべての年齢の子どもに必要。年齢や理解力に応じた説明と同意が重要。
- 小児看護は、あらゆる健康レベルの子どもと家族を対象にする(正答): 小児看護は健康な子どもから重篤な疾患を持つ子どもまで、あらゆる健康レベルの子どもと家族を対象とする包括的な看護分野。
- 成育医療は、ライフステージで区切ってとらえる医療のあり方である: 成育医療は胎児期から成人期まで人の一生を連続的・包括的にとらえる医療の考え方。ライフステージで区切るのではなく、継続性を重視する。
出典:北海道・東北、東海・北陸、中国・四国、九州・沖縄、千葉、奈良 '21
問 47
アプガースコアについて、誤っているのはどれか。
- 出生時の仮死の程度や、健康状態を評価する方法である。
- 生後 1 分後、5 分後に評価する。
- 10 点満点で採点、評価する。
- 心拍数、呼吸、筋緊張、反射の 4 項目から判定する。
正答:4
解説: アプガースコアは新生児の状態評価に用いられる重要な指標である。
各選択肢の解説:
- 出生時の仮死の程度や、健康状態を評価する方法である: アプガースコアは新生児の生命徴候と神経学的状態を総合的に評価し、仮死の程度を判定する標準的な方法。
- 生後 1 分後、5 分後に評価する: 生後 1 分、5 分は必須の評価時点。5 分後のスコアが 7 点未満の場合は 10 分後も評価する。
- 10 点満点で採点、評価する: 各項目を 0 ~ 2 点で評価し、合計 10 点満点。8 ~ 10 点は正常、4 ~ 7 点は軽度仮死、0 ~ 3 点は重度仮死とする。
- 心拍数、呼吸、筋緊張、反射の 4 項目から判定する(誤り): アプガースコアは 5 項目から構成される:心拍数、呼吸、筋緊張、反射、皮膚の色。皮膚の色(チアノーゼの有無)が重要な評価項目として含まれる。
出典:愛知、岐阜 '21
問 48
小児におこりやすい症状への対応について、適切でないのはどれか。
- 嘔吐がある場合は、上体を起こし、顔を横に向ける。
- けいれん発作時は、意識レベルを確かめるために、室内を明るくする。
- 下痢がある場合は、排便後速やかに温湯で洗浄し、便を取り除く。
- 体温上昇時に悪寒が生じている場合は、保温を行う。
正答:2
解説: 小児の症状への適切な対応方法を理解し、安全で効果的なケアを提供することが重要である。
各選択肢の解説:
- 嘔吐がある場合は、上体を起こし、顔を横に向ける: 誤嚥防止のため適切な対応。上体を起こし、顔を横向きにすることで嘔吐物の気道への流入を防ぐ。
- けいれん発作時は、意識レベルを確かめるために、室内を明るくする(不適切): けいれん発作時は光刺激が発作を誘発・増悪させる可能性があるため、室内は暗くして刺激を最小限にする。意識レベルは発作終了後に評価する。
- 下痢がある場合は、排便後速やかに温湯で洗浄し、便を取り除く: 皮膚のただれ予防のため適切な対応。便による皮膚刺激を避けるため、排便後は速やかに清拭・洗浄する。
- 体温上昇時に悪寒が生じている場合は、保温を行う: 発熱の上昇期に生じる悪寒時は末梢血管収縮により寒気を感じるため、適度な保温が必要。熱型に応じた適切な対応。
出典:愛知、岐阜 '21