小児看護 II 過去問
問題 1 小児の生理的特徴について、適切なのはどれか。
- 生後 6 カ月頃までは、母体からの免疫グロブリンの移行により、感染症に罹患しにくい。
- 新生児の脈拍数は幼児より少ない。
- 白血球数は新生児期が最も少ない。
- 幼児の睡眠時間は約 18 時間である。
正解: 1 解説: 胎児期に胎盤を通じて移行した母体からの IgG(移行抗体)により、生後 6 カ月頃まで感染症に対する免疫を獲得している。新生児の脈拍数は成人より多く、白血球数も成人より多い。幼児の睡眠時間は約 12-14 時間で、新生児が約 18 時間である。
問題 2 離乳食について、正しいのはどれか。
- 離乳の開始時期は、3 ~ 4 カ月である。
- 新しい食品を始めるときは、1 さじずつ与える。
- はちみつは、早く与える。
- ミルクや母乳は、離乳食が始まったら、量を減らす。
正解: 2 解説: 新しい食品を開始する際は、アレルギー反応を確認するために 1 さじから開始する。離乳開始は生後 5-6 カ月頃が適切。はちみつは 1 歳未満禁止(ボツリヌス菌芽胞汚染のリスク)。母乳・ミルクは離乳食開始後も量を維持し、徐々に減らしていく。
問題 3 熱性けいれんについて、正しいのはどれか。
- 6 歳以上の小児に好発する。
- 解熱時に起こりやすい。
- 反復する場合は、予防的にジアゼパム坐薬を用いる。
- てんかんには移行しない。
正解: 3 解説: 熱性けいれんは生後 6 か月~ 5 歳に好発し、1-3 歳で最多。発熱の急上昇時に起こりやすい。反復する場合はジアゼパム坐薬を予防的に使用する。複雑型熱性けいれんはてんかんに移行する場合がある。
問題 4 予防接種について、正しいのはどれか。
- 生ワクチンは、不活化ワクチンに比べて、持続性は短い。
- MR ワクチンは、麻疹・水痘の 2 種混合ワクチンである。
- ヒブワクチン(Hib ワクチン)は、定期接種に定められている。
- インフルエンザワクチンは、1 回の接種で生涯免疫が得られる。
正解: 3 解説: ヒブワクチンは定期接種である。生ワクチンは不活化ワクチンより持続性が長い。MR ワクチンは麻疹・風疹の混合ワクチン。インフルエンザワクチンは毎年接種が必要。
問題 5 児の免疫に関する説明で正しいのはどれか。
- 胎児期は胎盤を通じて母体から IgG を受け取る。
- 出生後は母乳から IgM を受け取る。
- 1 歳頃から抗体の産生が盛んになる。
- 3 歳頃に IgA が成人と同じレベルになる。
正解: 1 解説: 移行抗体として胎盤を通過するのは IgG のみ。母乳からは IgA を受け取る。抗体産生は生後 6 か月頃から活発になり、IgA が成人レベルになるのは 10 歳頃である。
問題 6 発達障害でないのはどれか。
- 学習障害
- 摂食障害
- 自閉症スペクトラム障害
- 注意欠陥(欠如)多動性障害
正解: 2 解説: 摂食障害は発達障害ではなく摂食に関連する精神疾患である。学習障害、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害は発達障害に分類される。
問題 7 スキャモンの発達・発育曲線で、成長発育量の増加が最も遅く現れるのはどれか。
- リンパ系
- 神経系型
- 一般型
- 生殖系(器)型
正解: 4 解説: スキャモンの発達曲線において、生殖器型は出生後から思春期まで低い水準を保ち、思春期に急激に発育するため、成長発育量の増加が最も遅く現れる。リンパ系は思春期前にピークを迎え、神経系型は出生後急速に発達する。
問題 8 乳児の栄養について、適切でないのはどれか。
- 乳児が欲するときに欲するだけ与える授乳方法を、自律授乳という。
- 1 回の授乳時間の目安は、60 分程度とする。
- 母乳不足のサインの一つに、授乳後短時間で空腹を訴え泣く行動がある。
- 離乳の開始は、生後 5 ~ 6 カ月頃が望ましい。
正解: 2 解説: 適切でないのは選択肢 2。1 回の授乳時間の目安は 30-40 分程度が適切で、60 分は長すぎる。自律授乳(自律哺乳)、母乳不足のサイン、離乳開始時期についての記述は正しい。
問題 9 児童虐待について、正しいのはどれか。
- 減少傾向にある。
- 虐待が深刻な場合は、市町村保健センターに一時保護される。
- 里親制度・児童養護施設を利用することができる。
- 表在性の外傷がみられることはない。
正解: 3 解説: 児童虐待は年々増加傾向にある。一時保護は児童相談所が行う。虐待を受けた児童は里親制度や児童養護施設を利用できる。身体的虐待では表在性外傷がみられることがある。
問題 10 腸重積症にみられる特徴的な便はどれか。
- 灰白色便
- 粘血便
- 暗緑色便
- 白色水様便
正解: 2 解説: 腸重積症の特徴的な便は粘血便で、イチゴジャムのような外観を呈する。灰白色便は胆道閉鎖症、白色水様便はロタウイルス感染症でみられる。
問題 11 気管支喘息発作時の患児の看護について、適切なのはどれか。
- 発作は昼間に起こりやすい。
- 体位は起座位とする。
- 胸式呼吸をするように説明する。
- 隔離が必要である。
正解: 2 解説: 気管支喘息発作時は起座位をとり、呼吸を楽にする。発作は夜間に起こりやすい。腹式呼吸を促し呼吸筋の負担を軽減する。感染性疾患ではないため隔離は不要。
問題 12 小児におこりやすい症状への対応について、適切でないのはどれか。
- 嘔吐がある場合は、上体を起こし、顔を横に向ける。
- けいれん発作時は、意識レベルを確かめるために、室内を明るくする。
- 下痢がある場合は、排便後速やかに温湯で洗浄し、便を取り除く。
- 体温上昇時に悪寒が生じている場合は、保温を行う。
正解: 2 解説: 適切でないのは選択肢 2。けいれん発作時は室内を暗くし、刺激を最小限にする。嘔吐時の体位、下痢後の清潔ケア、悪寒時の保温対応は適切である。
問題 13 小児の予防接種について、正しいのはどれか。
- B 型肝炎ワクチンは、任意接種である。
- 水痘ワクチンは、不活化ワクチンである。
- 接種時期と回数が規定されている。
- 異なるワクチンを同時に接種することはない。
正解: 3 解説: 予防接種は接種時期と回数が規定されている。B 型肝炎ワクチンは定期接種、水痘ワクチンは生ワクチン。異なるワクチンの同時接種は可能である。
問題 14 乳児の与薬について、適切なのはどれか。
- 水薬はミルクに混ぜる。
- 錠剤は粉砕する。
- 散剤はそのまま飲ませる。
- 坐薬は手袋を装着して挿入する。
正解: 4 解説: 坐薬挿入時は感染予防のため手袋を装着する。水薬をミルクに混ぜると薬効や味に影響する。錠剤の粉砕は医師の指示なく行わない。散剤は乳児には白湯に溶かして与える。
問題 15 早産児のケアについて、適切でないのはどれか。
- 母親の面会は避けるようにする。
- 皮膚温は 37.5℃ に保つ。
- できるだけ母乳を与える。
- 音や光刺激を多くする。
正解: 1 解説: 母親の面会は避けるべきではなく、早産児の発達に重要である。皮膚温の管理、母乳栄養の推進は重要だが、音や光刺激は最小限にすべきである。
問題 16 小児の与薬および注射について、正しいものを 1 つ選びましょう。
- 筋肉内注射は、大腿部内側広筋に実施する。
- 皮下注射は、ツベルクリン反応検査の時に用いられる。
- 坐薬は、肛門部が損傷している場合に用いられる。
- 水薬は、良く振って混和し、必要量を薬杯やスポイドなどに準備する。
正解: 4 解説: 水薬は使用前によく振って混和し、適切な器具で準備する。筋肉内注射は外側広筋に実施、ツベルクリン反応は真皮内注射、肛門損傷時の坐薬使用は禁忌である。
問題 17 手掌を押すと軽く握る原始反射で正しいのはどれか。
- 吸啜反射
- 把握反射
- モロー反射
- 緊張性頸反射
正解: 2 解説: 手掌を押すと軽く握る反射は把握反射である。吸啜反射は口唇に触れると吸う反射、モロー反射は驚愕時の抱擁様反射、緊張性頸反射は頭部回旋に伴う四肢の反射である。
問題 18 乳児の脱水症状で適切なのはどれか。
- 徐脈
- 血圧の上昇
- 体重の増加
- 大泉門の陥没
正解: 4 解説: 脱水症状では大泉門の陥没がみられる。脱水時は頻脈、血圧低下、体重減少が起こる。大泉門の陥没は乳児の脱水症状の重要な指標である。
問題 19 プレパレーションについて、誤っているのはどれか。
- 心理的苦痛や混乱を緩和する目的で行う。
- 子どもだけでなく、両親(家族)を含めた支援過程である。
- 実際の処置中におもちゃなどを使って、気を紛らわせる。
- 処置の終了とともに終わる。
正解: 4 解説: 誤っているのは選択肢 4。プレパレーションは処置終了後もストレス対処として継続的に行う。心理的支援、家族を含めた支援、処置中の気分転換は適切である。
問題 20 てんかん患児の看護について、誤っているのはどれか。
- 吐き気や嘔吐を伴う時は、頭を横にして誤嚥を予防する。
- 転倒や外傷の危険があるため、保護帽などの着用を勧める。
- 発作を起こさなくなったら、抗てんかん薬は中止してもよいと説明する。
- 家族に継続な支援を行う。
正解: 3 解説: 誤っているのは選択肢 3。抗てんかん薬は医師の指示なく中止してはならず、発作がなくても継続服薬が必要。誤嚥予防、保護具使用、家族支援は適切な看護である。
追加練習問題
問題 21 新生児の生理的特徴について、正しいのはどれか。
- 出生時の体重は平均 4000g である。
- 呼吸数は成人と同じである。
- 体表面積は体重に比して大きい。
- 血液量は成人と同じ割合である。
正解: 3 解説: 新生児は体表面積が体重に比して大きく、体温調節が困難である。出生時平均体重は約 3000g、呼吸数は成人より多く、血液量は体重に占める割合が大きい。
問題 22 乳児の発達について、適切なのはどれか。
- 首のすわりは生後 1 か月頃である。
- 寝返りは生後 3 か月頃である。
- おすわりは生後 6-7 か月頃である。
- ひとり歩きは生後 8 か月頃である。
正解: 3 解説: おすわりは生後 6-7 か月頃に可能になる。首のすわりは 3-4 か月、寝返りは 4-6 か月、ひとり歩きは 12-15 か月頃である。
問題 23 小児の薬物療法について、正しいのはどれか。
- 体重 1kg あたりの薬物代謝は成人より遅い。
- 肝機能は出生時から成人と同レベルである。
- 腎機能は新生児期から成人と同レベルである。
- 体重に基づいた投与量計算が必要である。
正解: 4 解説: 小児では体重に基づいた薬物投与量計算が必要。小児は薬物代謝が早く、肝機能・腎機能は段階的に成熟するため、年齢に応じた投与量調整が重要である。
問題 24 小児の感染症対策について、適切なのはどれか。
- 手洗いは成人のみが行えばよい。
- 予防接種は任意のものは接種しなくてよい。
- 感染症流行時は保育園を休ませる。
- 解熱剤は 38℃ 以上で必ず使用する。
正解: 3 解説: 感染症流行時は集団感染防止のため保育園等を休ませる。手洗いは年齢に応じて指導、任意予防接種も感染予防に重要、解熱剤は全身状態を見て判断する。
問題 25 小児の成長発達の評価について、正しいのはどれか。
- 身長の伸びは思春期まで一定である。
- 体重増加は新生児期が最も緩やかである。
- 頭囲の測定は発達評価に重要である。
- 運動発達の個人差はほとんどない。
正解: 3 解説: 頭囲測定は脳の発達評価に重要。身長の伸びは年齢により変化し、体重増加は新生児期が最も著明、運動発達には個人差がある。
問題 26 小児の栄養について、適切でないのはどれか。
- 母乳は免疫物質を含んでいる。
- 離乳食は生後 3 か月から開始する。
- 幼児期は鉄欠乏性貧血に注意が必要である。
- 学童期は成長に見合った栄養摂取が必要である。
正解: 2 解説: 適切でないのは選択肢 2。離乳食開始は生後 5-6 か月が適切。母乳の免疫物質、幼児期の鉄欠乏対策、学童期の適切な栄養摂取は重要である。
問題 27 小児の事故防止について、正しいのはどれか。
- 乳児期は転落事故が最も多い。
- 幼児期は交通事故が最も多い。
- 学童期は溺水事故が最も多い。
- 年齢に応じた事故防止対策が必要である。
正解: 4 解説: 年齢・発達段階に応じた事故防止対策が重要。乳児期は窒息、幼児期は転落・誤飲、学童期は交通事故や外傷に注意が必要である。
問題 28 小児の検査・処置時の看護について、適切なのはどれか。
- 検査前の説明は保護者のみに行う。
- 処置中は児を強く抑制する。
- 年齢に応じた説明を行う。
- 泣くことは禁止する。
正解: 3 解説: 年齢・発達段階に応じた説明が重要。児にも理解できる言葉で説明し、保護者とともに協力を得る。強制的な抑制や泣くことの禁止は心理的負担を増加させる。
問題 29 川崎病について、正しいのはどれか。
- 5 歳以上に好発する。
- 冠動脈瘤の合併症がある。
- 細菌感染症である。
- 発疹は出現しない。
正解: 2 解説: 川崎病は冠動脈瘤が重要な合併症である。4 歳以下(特に 1 歳前後)に好発し、原因不明の血管炎症候群で、特徴的な発疹が出現する。
問題 30 新生児黄疸について、正しいのはどれか。
- 生理的黄疸は生後 1 日以内に出現する。
- 病的黄疸は光線療法の適応になる。
- 母乳性黄疸は直ちに授乳を中止する。
- 黄疸は足先から出現する。
正解: 2 解説: 病的黄疸では光線療法が行われる。生理的黄疸は生後 2-3 日目に出現、母乳性黄疸でも授乳継続可能、黄疸は頭部から足部に向かって出現する。
問題 31 小児の脱水症について、正しいのはどれか。
- 等張性脱水が最も多い。
- 低張性脱水では細胞外液が増加する。
- 高張性脱水では意識障害が起こりやすい。
- 脱水の程度は体重減少率で評価しない。
正解: 1 解説: 小児では等張性脱水が最も多い。高張性脱水では意識障害、低張性脱水では細胞外液減少が特徴。脱水の程度は体重減少率で評価する。
問題 32 小児の与薬における注意点について、適切でないのはどれか。
- 薬物の味を隠すためにジュースに混ぜる。
- 服薬後は副作用の観察を行う。
- 年齢・体重に応じた用量計算を行う。
- 拒薬時は保護者と協力して服薬させる。
正解: 1 解説: 適切でないのは選択肢 1。薬物をジュースに混ぜると薬効に影響する場合がある。副作用観察、適切な用量計算、保護者との協力は重要である。