小児看護2 配られた問題集
1. 小児の生理的特徴について、適切なのはどれか。
- 生後6月頃までは、母体からの免疫グロブリンの移行により、感染症に罹患しにくい。
- 新生児の脈拍数は幼児より少ない。
- 白血球数は新生児期が最も少ない。
- 幼児の睡眠時間は約18時間である。
解答:1
解説:
- (正解)母体からのIgGが生後3-6か月まで児を保護する
- 新生児の脈拍数は幼児より多い(110-160回/分)
- 新生児期の白血球数が最も多い(10,000-30,000/μL)
- 18時間は新生児の睡眠時間、幼児は11-12時間
2. 母乳栄養について、誤っているのはどれか。
- 乳児に口唇裂、口蓋裂がある場合は授乳困難になる。
- 母親が向精神薬を使用している場合、母乳を与えるのは避ける。
- 毎回の授乳時間は10~15分が良い。
- 分娩後10日までの授乳を初乳という。
解答:4
解説:
- 口唇裂・口蓋裂があると吸啜力が低下し、専用哺乳器が必要
- 向精神薬は母乳中に移行し、乳児に鎮静・呼吸抑制のリスク
- 毎回の授乳時間は10-15分が適切(片側5-8分ずつ)
- (誤り)初乳は分娩後5日頃まで、10日までは移行乳
3. 熱性けいれんについて、正しいのはどれか。
- 6歳以上の小児に好発する。
- 解熱時に起こりやすい。
- 反復する場合は、予防的にジアゼパム坐薬を用いる。
- てんかんには移行しない。
解答:3
解説:
- 好発年齢は6か月~5歳(1~2歳がピーク)
- 発熱の初期(体温急上昇時)に多い
- (正解)反復例では発熱時にジアゼパム坐薬を予防的に使用
- 複雑型は10-15%がてんかんに移行する可能性あり
4. 児の免疫に関する説明で正しいのはどれか。
- 胎児期は胎盤を通じて母体からIgGを受け取る。
- 出生後は母乳からIgMを受け取る。
- 1歳頃から抗体の産生が盛んになる。
- 3歳頃にIgAが成人と同じレベルになる。
解答:1
解説:
- (正解)IgGは胎盤を通過できる唯一の免疫グロブリン
- 母乳にはIgAが含まれる(IgMではない)
- 抗体産生は生後数か月から開始(生後2-3か月でIgM、6か月でIgG)
- IgAは10-12歳頃に成人レベルに達する(3歳では30-40%)
5. 新生児期の生理的黄疸を引き起こす血液成分はどれか。
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
- 血漿
解答:1
解説:
- (正解)胎児赤血球の破壊によりヘモグロビン→ビリルビンに分解
- 白血球は感染防御機能で黄疸とは無関係
- 血小板は止血機能で黄疸とは無関係
- 血漿自体は黄疸の原因ではない
6. 標準的な成長・発達をしている2歳児ができることはどれか。
- 走る
- 片足で跳ぶ
- スキップができる
- 三角が書ける
解答:1
解説:
- (正解)2歳では安定して走ることができる
- 片足で跳ぶのは4~5歳頃から可能
- スキップは5~6歳頃から可能
- 三角が書けるのは5歳頃、2歳では丸や直線の段階
7. スキャモンの発達・発育曲線で、成長発育の増加が最も遅く現れるのはどれか。
- リンパ系型
- 神経系型
- 一般型
- 生殖系(器)型
解答:4
解説:
- リンパ系型:思春期(12-14歳)に最高値200%、その後減少
- 神経系型:出生後急速発達、6歳で90%完成
- 一般型:身長・体重など、思春期に再び急速発育
- (正解)生殖系型:最も遅く、思春期(10-12歳以降)に急激発育
8. 乳児の栄養について、適切でないのはどれか。
- 乳児が欲するときに欲するだけ与える授乳方法を、自律授乳という。
- 1回の授乳時間の目安は、60分程度とする。
- 母乳不足のサインの1つに、授乳後短時間で空腹を訴え泣く行動がある。
- 離乳の開始は、生後5~6カ月頃が望ましい。
解答:2
解説:
- 自律授乳は乳児の空腹サインに合わせた授乳方法
- (不適切)授乳時間は60分ではなく10-15分が適切
- 母乳不足のサイン:授乳後短時間で空腹で泣く
- 離乳開始は生後5~6カ月頃が適切
9. 腸重積症にみられる特徴的な便はどれか。
- 灰白色便
- 粘血便
- 暗緑色便
- 白色水様便
解答:2
解説:
- 灰白色便:胆道閉鎖症の特徴(胆汁流出障害)
- (正解)粘血便:腸重積症の代表的症状、イチゴゼリー状の便
- 暗緑色便:胎便(メコニウム)、出生後24-48時間以内に排出
- 白色水様便:ロタウイルス胃腸炎の特徴
10. 母子保健法に基づく保健対策として、正しいものの組み合わせはどれか。
A. 3歳児健康検査 B. 予防接種 C. 妊産婦健康診査 D. 肢体不自由児の自立支援医療
- AとB
- AとC
- BとC
- CとD
解答:2
解説:
A. 3歳児健康検査ー母子保健法(第12条) B. 予防接種ー予防接種法(別法) C. 妊産婦健康診査ー母子保健法(第13条) D. 肢体不自由児の自立支援医療ー児童福祉法(別法)
正解:2. AとC(いずれも母子保健法)
11. 小児の骨と歯の発達について、正しいのはどれか?
- 手根骨の化骨数は暦年齢の2倍である。
- 乳歯は3カ月から生え始める。
- すべての乳歯が生え揃うのは2歳から3歳頃である。
- 10歳ころから永久歯に生え始める。
解答:3
解説:
- 手根骨の化骨数は「暦年齢+1」が目安(例:3歳で4個)
- 乳歯萌出開始は生後6~8ヶ月頃(3ヶ月では早すぎる)
- (正解)乳歯20本が2歳6ヶ月~3歳頃に生え揃う
- 永久歯萌出開始は6歳頃(第1大臼歯)
12. 予防接種について、正しいのはどれか。
- 生ワクチンは、不活化ワクチンに比べて、持続性は短い。
- MRワクチンは、麻疹・水痘の2種混合ワクチンである。
- ヒブワクチン(Hibワクチン)は、定期接種に定められる。
- インフルエンザワクチンは、1回の接種で生涯免疫が得られる。
解答:3
解説:
- 生ワクチンは不活化ワクチンより持続性が長い
- MRワクチンは麻疹・風疹の混合、水痘は別ワクチン
- (正解)Hibワクチンは2013年から定期接種
- インフルエンザワクチンは毎年接種が必要
13. 乳児の脱水症状で適切なのはどれか。
- 徐脈
- 血圧の上昇
- 体重の増加
- 大泉門の陥没
解答:4
解説:
- 脱水時は頻脈、徐脈ではない
- 脱水時は血圧低下、上昇ではない
- 脱水時は体重減少、増加ではない
- (正解)大泉門陥没は脱水の特徴的所見
14. 乳児の与薬について、適切なのはどれか。
- 水薬はミルクに混ぜる。
- 鉄剤は粉砕する。
- 散剤はそのまま飲ませる。
- 坐薬は手袋を装着して挿入する。
解答:4
解説:
- 水薬をミルクに混ぜるのは禁忌(摂取不足、ミルク嫌いのリスク)
- 鉄剤粉砕は原則禁忌(酸化・胃粘膜刺激のリスク)
- 散剤はそのまま与えると窒息リスク、白湯で溶かす
- (正解)坐薬は手袋装着で感染予防
15. プレパレーションについて、誤っているのはどれか。
- 心理的苦痛や混乱を緩和する目的で行う。
- 子どもだけでなく、両親(家族)を含めた支援過程である。
- 実際の処理中におもちゃなどを使って、気を紛らわせる。
- 処置の終了とともに終わる。
解答:4
解説:
- 心理的苦痛や混乱を緩和する目的
- 子どもと両親(家族)を含めた支援過程
- 処置中におもちゃなどで気を紛らわせる(ディストラクション技法)
- (正解)処置終了後もアフターケアが重要、終了とともに終わらない
16. 発達障害ではないのはどれか。
- 学習障害
- 摂食障害
- 自閉症スペクトラム障害
- 注意欠陥(欠如)多動性障害
解答:2
解説:
- 学習障害(LD):特定学習障害、発達障害の一つ
- (正解)摂食障害:拒食症・過食症など、精神疾患であり発達障害ではない
- 自閉症スペクトラム障害(ASD):社会的コミュニケーション障害、発達障害
- 注意欠陥多動性障害(ADHD):注意力・多動性・衝動性の障害、発達障害
17. 小児におこりやすい症状への対応について、適切でないのはどれか。
- 嘔吐がある場合は、上体を起こし、顔を横に向ける。
- けいれん発作時は、意識レベルを確かめるために、室内を明るくする。
- 下痢がある場合は、排便後速やかに温湯で洗浄し、便を取り除く。
- 体温上昇時に悪寒が生じている場合は、保温を行う。
解答:2
解説:
- 嘔吐時は上体を起こし、顔を横に向ける(誤嚥予防)
- (不適切)けいれん発作時は室内を暗くする(光刺激は悪化因子)
- 下痢時は排便後速やかに温湯で洗浄(おむつかぶれ予防)
- 悪寒時は保温を行う(体温調節中枢の反応)
18. 川崎病について、正しいのはどれか。
- 原因はRSウイルスである。
- 10歳代に好発する。
- 主たる治療は手術療法である。
- 心臓合併症を伴うことがある。
解答:4
解説:
- 原因不明(RSウイルスではない)、全身の血管炎
- 4歳以下の乳幼児に好発(1歳未満がピーク)
- 主な治療は薬物療法(アスピリン、IVIG)
- (正解)最重要な合併症は冠動脈病変(冠動脈瘤形成)
19. ネフローゼ症候群の患児の看護について、適切なのはどれか。
- 水分摂取を制限する。
- 安静の必要はない。
- 体重の減少に注意する。
- 浮腫が軽減すれば内服は中止としてよい。
解答:1
解説:
- (正解)水分貨留や浮腫の悪化を防ぐため水分制限が必要
- 浮腫がある急性期は安静が必要
- 水分貨留により体重増加に注意(減少ではない)
- 長期管理が必要、自己判断で内服中止は禁物
20. 児童虐待においてネグレクトとはどのような行為をさしますか
- 殴る・蹴る
- 性的行為を強要する
- 食事を与えない
- 無視や拒否的な態度をする
解答:3
解説:
- 殴る・蹴る(身体的虐待)
- 性的行為を強要する(性的虐待)
- (正解)食事を与えない(ネグレクト):基本的ニーズの放棄
- 無視や拒否的な態度をする(心理的虐待)
21. 学童期の肥満について、適切なのはどれか。
- 生活習慣の改善は有効である。
- 肥満度10%以上は肥満である。
- 男女とも減少傾向にある。
- 朝食の欠食は肥満には繋がらない。
解答:1
解説:
- (正解)肥満治療の第一選択は生活習慣の改善
- 日本の学童肥満判定基準は20%以上(10%ではない)
- 日本では男女ともに学童肥満は増加傾向
- 朝食欠食は肥満のリスク因子(過食を招く)
23. 先天性風疹症候群(CRS)について、正しいのはどれか。
- 産道感染による。
- 母親の妊娠36週以降の感染で発症する。
- 妊娠前のワクチン接種では予防できない。
- 難聴が出現する。
解答:4
解説:
- 産道感染ではなく胎盤感染(母体血流→胎児血流)
- 妊娠20週まで(妊娠初期)の感染でリスク高い、36週以降ではない
- 妊娠前のMRワクチン接種で予防可能
- (正解)三大症状:難聴、心疾患、白内障(眼症状)
24. 出生直後の正常新生児にみられるのはどれか。
- 生理的黄疸
- 生理的貧血
- 卵円孔の閉鎖
- 大泉門の膨隆
解答:3
解説:
- 生理的黄疸は生後2~3日目から出現、出生直後ではない
- 生理的貧血は生後2~3ヶ月頃、出生直後ではない
- (正解)卵円孔の閉鎖は出生後の呼吸開始で機能的に起こる
- 大泉門膨隆は異常所見、出生直後の正常所見ではない
25. ダウン症候群について、正しいのはどれか?
- 22番トリソミーにより生じる。
- 母親の加齢とともに発症率が減少する。
- 成長・発達の遅延はみられない。
- 心痾患を合併することがある。
解答:4
解説:
- ダウン症候群は21番染色体トリソミー、22番ではない
- 母体年齢上昇で発症率増加、減少ではない
- 知的障害、成長・発達遅延が必発
- (正解)先天性心疾患の合併率40~50%
26. 小児が成人に比べて熱中症になりやすいのはなぜか。
- 肝機能が未熟である。
- 体温調節機能が未熟である。
- 体重あたりの体表面積が小さい。
- 体重に占める水分の割合が小さい。
解答:2
解説:
- 肝機能未熟は熱中症の直接的原因ではない
- (正解)発汗機能・体温調節中枢が未熟で熱放散不十分
- 小児は体表面積/体重比が成人より大きい
- 小児の水分割合は成人より高い(新生児80%、成人60%)
27. 離乳食について、正しいのはどれか。
- 離乳の開始時期は、3~4カ月である
- 新しい食品を始めるときは、1さじずつ与える
- はちみつは、できるだけ早く与える。
- ミルクや母乳は離乳食が始まったら、量を減らす
解答:2
解説:
- 離乳開始は5~6ヶ月頃、3~4ヶ月は早すぎる
- (正解)アレルギー確認のため1さじから開始
- はちみつは1歳未満禁忌(ボツリヌス菌のリスク)
- 離乳食開始後も母乳・ミルクは継続
28. てんかん患児の看護について、誤っているのはどれか。
- 吐き気や嘔吐を伴うときは、頭を横にして誤嚥を防ぐ。
- 転倒や外傷の危険があるため、保護帽などの着用をすすめる。
- 発作を起こさなくなったら、抗てんかん薬は中止してもよいと説明する。
- 家族に継続的な支援を行う。
解答:3
解説:
- 発作中の嘔吐時は頭を横向きにして誤嚥防止
- 転倒・外傷予防のため保護帽着用
- (正解)抗てんかん薬は自己判断で中止禁止、医師の指示で慎重に
- 家族への継続的な支援が必要
29. 呼吸器疾患について誤っているのはどれか。
- 急性喉頭炎(クループ症候群)は、呼気性喘鳴を認める。
- 2歳以下に起こる急性細気管支炎の原因はRSウイルスが多い。
- マイコプラズマ肺炎は学童期に多くみられる。
- 乳幼児の細菌性肺炎の原因として最も多いのはインフルエンザ菌である。
解答:1
解説:
- (正解)クループは吸気性喘鳴、呼気性ではない
- RSウイルスは2歳以下の細気管支炎の主要原因
- マイコプラズマ肺炎は5~15歳の学童期に好発
- 乳幼児の細菌性肺炎はHib、現在は肺炎球菌が主要原因
30. コプリック斑がみられる疾患はどれか。
- 水痘
- 手足口病
- 麻疹
- ヘルパンギーナ
解答:3
解説:
- 水痘:VZVによる全身性水疱性発疹、コプリック斑なし
- 手足口病:手掌・足底・口腔内の水疱性発疹、コプリック斑なし
- (正解)麻疹:下顎臼歯対側頬粘膜のコプリック斑が特徴的
- ヘルパンギーナ:口蓋弓の小水疱・潰瘍、コプリック斑なし