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試験解説

全体的に教科書の文章をそのまま使いまわしていて、その中の一部を変えた引っ掛け問題が多い。時間があったら教科書の文章を暗記すると約立つかも。

第 1 問​

(1) 次の文章の中の空欄について、当てはまるものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

人が健康な状態であるということは、ごく自然に日常生活が送れること、また、生き生きとした時間が過ごせることの前提条件である。( )によれば、「健康とは、単に疾病又は病弱の存在しないことでなく、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状況である。」と定義されている。

  • ア:ASD(まちがい。自閉スペクトラム症という心の病気の名前です)
  • イ:GDP(まちがい。国内総生産という、国がどれくらいお金を稼いでいるかを表す数字です)
  • ウ:QOL(まちがい。生活の質という、どれくらい良い生活ができているかを表す言葉です)
  • エ:WHO(正しい。世界保健機関という、世界中の人の健康を守る組織です。1948年にできました)

解答:エ

解説: WHO(世界保健機関)は「健康」について、「病気がないこと」だけではなく、「体も心も元気で、周りの人とも仲良く過ごせている状態」のことだと言っています。つまり、体の健康、心の健康、そして周りの人との関係がうまくいっていること、この3つ全部が大切だということです。

(2) 心が健康であることをより具体的に示す 4 種類の健康について、誤っているものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:人間的健康(正しい。心の健康を表す4つの種類のうちの1つです)
  • イ:社会的健康(正しい。心の健康を表す4つの種類のうちの1つです)
  • ウ:情報的健康(まちがい。心の健康の4つの種類には入っていません)
  • エ:知的健康(正しい。心の健康を表す4つの種類のうちの1つです)

解答:ウ

解説: 心が健康であることを表す4つの種類があります。それは「人間的健康」「社会的健康」「知的健康」「情緒的健康」です。「情報的健康」というものはありません。

教科書:487ページ

(3) プリシード・プロシードモデルについて正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:プロシードは、調査をもとに色々な活動を計画的に行い、評価する段階である。(正しい。実際にやってみて、うまくいったか確認する段階です)
  • イ:ヘルスプロモーションの効果を評価することが出来る。(まちがい。このモデルは、健康づくりの計画を立てて実行するための方法で、その結果がどうだったかを測ることは含まれていません)
  • ウ:リチャード・S・ラザルスとスーザン・フォルクマンによって開発された。(まちがい。ラザルスとフォルクマンはストレスの理論を作った人です。このモデルはローレンス・グリーンという人が作りました)
  • エ:このモデルの最終目標は QOL の維持である。(まちがい。「維持」よりも「向上」が正しいです。最終目標は生活の質を良くすることです)

解答:ア

解説: プリシード・プロシードモデルは、ローレンス・グリーンという人が作った、健康づくりのための計画の仕組みです。「プリシード」は計画を立てる段階で、「プロシード」は実際にやってみて評価する段階です。最終的な目標は、QOL(生活の質)を良くすることです。病気を減らすことだけでなく、みんながより良い生活を送れるようにすることが目標です。

教科書:489ページ

(4) ストレスの概念をボールで例えた時、刺激によって生じたボールの歪みを何というか。正しいものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:ストレス反応(正しい。ボールのへこみは、押されたことに対する反応を表しています)
  • イ:ストレス(まちがい。ストレスはボール全体の状態のことで、押す力もへこみも両方含めた広い意味です)
  • ウ:ストレッサー(まちがい。ストレッサーはボールを押す力そのもの、つまり嫌なことや困ったことを指します)
  • エ:ストレス耐性(まちがい。ストレス耐性はボールの硬さのことで、ストレスに耐える力を指します)

解答:ア

解説: ストレスをボールで例えて考えてみましょう。ボールを押す力が「ストレッサー(嫌なことや困ったこと)」です。ボールがへこんだ形が「ストレス反応(体や心の変化)」です。ボール全体が「ストレス」です。そして、ボールの硬さは「ストレスに耐える力」を表しています。

教科書:491ページ

(5) 次の図は、汎適応症候群の生理学的変化の過程を示した図である。空欄 ① ~ ④ の中に当てはまるものとして、正しい組合せを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:① 反ショック相 ② ショック相 ③ 抵抗期 ④ 警告反応期(まちがい。順番が逆です)
  • イ:① ショック相 ② 反ショック相 ③ 警告反応期 ④ 抵抗期(正しい。体がストレスを受けたときの正しい順番です)
  • ウ:① ショック相 ② 反ショック相 ③ 抵抗期 ④ 警告反応期(まちがい。③と④が逆です)
  • エ:① 反ショック相 ② ショック相 ③ 警告反応期 ④ 抵抗期(まちがい。①と②が逆です)

解答:イ

解説: 体がストレスを受けたときの変化には順番があります。①まず「ショック相」でびっくりして体の守る力が弱くなります。②次に「反ショック相」で体が頑張って守る力を強くします。③これら①②をまとめて「警告反応期」と呼びます。④そして「抵抗期」でストレスに慣れて対応できるようになります。

(6) ストレッサーの種類について、誤っている記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:物理的ストレッサーは、特定のコミュニティなどで生じる人間関係の問題や、身内の病気、不幸、失敗などの挫折体験といったネガティブな出来事が含まれる。(まちがい。これは心理・社会的ストレッサーの説明です。物理的ストレッサーは、うるさい音、暑さ寒さ、光、振動などの物理的な刺激のことです)
  • イ:化学的ストレッサーは、光化学スモッグ、水質汚染、公害、異臭などの他に、医薬品や食品添加物、たばこ、アルコールも該当する。(正しい。化学物質による刺激のことです)
  • ウ:生物的ストレッサーは、細菌やウイルス、ダニなどのアレルゲンといった外的な刺激や、疲労や身体疾患などの身体的な変調も含まれる。(正しい。ばい菌やウイルスなどの生き物による刺激や、疲れや体の病気も含まれます)
  • エ:心理・社会的ストレッサーは、人生において遭遇する様々な出来事や生活上の変化や、日常生活の苛立ちなどが含まれる。(正しい。人間関係や生活で起こる色々な出来事による刺激のことです)

解答:ア

解説: ストレスの原因は4つに分けられます。①物理的ストレッサー(うるさい音や暑さ寒さなど)、②化学的ストレッサー(汚染物質やたばこ、お酒など)、③生物的ストレッサー(ばい菌やウイルスなど)、④心理・社会的ストレッサー(友達とのけんかや家族の病気など)です。アの説明は④のことなので、①の説明としては間違っています。

(7) ストレスモデルについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:ストレッサーに遭遇した時の受け止め方(認知的評価)と喚起される情動反応の2点がストレス反応に影響を及ぼす。(まちがい。2つではなく3つです。もう1つはコーピング(対処方法)です)
  • イ:ストレッサーに対し、コーピングに成功すると、慢性ストレス反応を引き起こす。(まちがい。うまく対処できれば、ストレス反応は減ります。長く続くストレス反応は起きません)
  • ウ:ストレッサーの認知的評価について、1 次的評価では、その出来事や問題が周囲にとってどの程度重要であるか、脅威であるかを評価する。(まちがい。1次的評価は「自分にとって」どれくらい大変か、怖いかを考えることです。「周りの人にとって」ではありません)
  • エ:ストレッサーの認知的評価について、2 次的評価では、そのストレッサーを低減させることについて、どの程度コントロールが可能であるかを評価する。(正しい。2次的評価は、そのストレスをどれくらいコントロールできるかを考えることです)

解答:エ

解説: ストレスモデル(ラザルスとフォルクマンの理論)では、ストレスに対する反応は3つのことに影響されます。①1次的評価(「これは自分にとってどれくらい大変かな?怖いかな?」と考える)、②2次的評価(「自分はこれをコントロールできるかな?」と考える)、③コーピング(実際にどう対処するか)です。うまく対処できれば、ストレス反応は減ります。

教科書:494ページ

(8) 問題焦点型コーピングについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:問題に詳しい人へ相談して情報を得る。(正しい。問題焦点型コーピングは、困っていることそのものを解決しようとする方法で、情報を集めることもその1つです)
  • イ:人に愚痴を聞いてもらって苛立ちを鎮める。(まちがい。これは情動焦点型コーピングです。嫌な気持ちを発散させることが目的です)
  • ウ:リラクゼーションを行う。(まちがい。これは情動焦点型コーピングです。ストレスで起きた嫌な気持ちを減らすことが目的です)
  • エ:趣味などで気晴らしをする。(まちがい。これは情動焦点型コーピングです。気分転換で気持ちを楽にすることが目的です)

解答:ア

解説: ストレスへの対処方法には2つあります。①問題焦点型コーピング:困っていることそのものを解決しようとする方法です(詳しい人に聞いたり、計画を立てたりする)。②情動焦点型コーピング:嫌な気持ちを楽にしようとする方法です(気晴らしをしたり、誰かに話を聞いてもらったり、リラックスしたりする)。

(9) 防衛機制について、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:意識的な心の働きである。(まちがい。防衛機制は自分では気づかないうちに働く心の仕組みです。本人は気づいていないことが多いです)
  • イ:いずれの防衛機制も患者の不安や葛藤の表れである。(正しい。防衛機制は、不安や心の葛藤から自分を守るための、気づかないうちに働く心の仕組みです)
  • ウ:心身の病を持つ人にみられる。(まちがい。防衛機制は健康な人にも見られる普通の心の働きです。病気の人だけにあるわけではありません)
  • エ:抑圧、逃避、置き換え、合理化、昇華、同一化などは、比較的に健康度の低い人において用いられる。(まちがい。これらの中には、昇華や同一化など、比較的成熟した健康的な防衛機制も含まれています)

解答:イ

解説: 防衛機制とは、心が傷つかないように自動的に自分を守る仕組みです。自分では気づかないうちに働いています。誰にでもあるもので、病気の人だけにあるわけではありません。いろいろな種類があり、子どもっぽいものから大人っぽいものまであります。

(10) ① ~ ③ の記述に当てはまる防衛機制を次のアーオからそれぞれ 1 つずつ選びなさい。​

  • ① 自分の怒りの感情は意識せずに、相手が怒っていると感じる。
  • ② 入院生活中は頻繁に腹痛が起こり、退院すると起こらなくなることを繰り返している。
  • ③ 嫌悪感情を抱いている特定の医療従事者に、過剰なまでにていねいに応答しようとする。

選択肢:

  • ア:投影(①に該当。自分の気持ちを、相手の気持ちだと思い込むこと)
  • イ:退行(該当なし。成長段階の前の行動パターンに戻ることです)
  • ウ:反動形成(③に該当。本当の気持ちと正反対の態度や行動をとること)
  • エ:転換(②に該当。心の葛藤が体の症状として現れること)
  • オ:否認(該当なし。受け入れがたい現実を認めないこと)

解答:① ア  ② エ  ③ ウ

解説:

  • ①は投影:自分の気持ちを、相手の気持ちだと思い込むことです。自分が怒っているのに「あの人が怒っている」と感じてしまいます。
  • ②は転換:心の困りごとが体の症状として出てくることです。入院のストレスでお腹が痛くなり、退院すると治るのはこの例です。
  • ③は反動形成:本当の気持ちと反対の行動をとることです。嫌いな人に対して、わざと過剰に丁寧になるのはこの例です。

防衛機制簡単な説明

  • 抑圧:嫌な記憶や気持ちを心の奥底に押し込めて忘れようとすること(例:つらい思い出を思い出せなくなる)
  • 逃避(回避):嫌なことから逃げたり避けたりすること(例:苦手な人に会わないようにする)
  • 置き換え:本当の相手に向けられない怒りを、別の人や物にぶつけること(例:上司に怒られた腹いせに家族に八つ当たりする)
  • 合理化:失敗や欲求不満をもっともらしい理由をつけて正当化すること(例:「あのブドウは酸っぱいから要らない」)
  • 昇華:満たされない欲求を、社会的に価値のある活動に向けること(例:攻撃的な気持ちをスポーツで発散する)
  • 同一化:憧れの人の真似をして、その人と同じになろうとすること(例:好きなアイドルの服装や話し方を真似する)
  • 否認:つらい現実を認めず、「そんなはずない」と拒否すること(例:「私が病気なんてありえない」)
  • 退行:今の年齢より幼い行動に戻ること(例:弟が生まれた後、お兄ちゃんが赤ちゃん言葉を使い始める)
  • 転換:心の悩みや葛藤が体の症状として現れること(例:ストレスで頭痛や腹痛が起きる)
  • 投映(投射):自分の気持ちを相手の気持ちだと思い込むこと(例:自分が怒っているのに「あの人が怒っている」と感じる)
  • 反動形成:本当の気持ちと正反対の態度や行動をとること(例:好きな人に冷たくしてしまう)

第 2 問​

(1) 精神分析について、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:アーロン・T・ベックによって創始された。(まちがい。精神分析はジークムント・フロイトという人が始めました。ベックは認知療法を始めた人です)
  • イ:人間の心理的要因が人間の行動を決定づけるという考え方を対象関係論という。(まちがい。対象関係論は、人間関係のパターンが心の中に取り込まれるという理論です。心理的要因が行動を決めるという考えは精神決定論と呼ばれます)
  • ウ:心の構造論において、「~しなければならない」「~してはいけない」などの良心や道徳、理想、命令として働いているものを自我と呼ぶ。(まちがい。これは超自我(スーパーエゴ)の説明です。自我(エゴ)は現実に合わせて調整する機能を持ちます)
  • エ:治療者自身の過去の人間関係が患者との関係に現れることを逆転移と呼ぶ。(正しい。逆転移は、治療者が気づかないうちに患者さんに対して持つ感情や態度のことです)

解答:エ

解説: 精神分析はフロイトという人が始めました。心は3つの部分に分かれています。①イド(「○○したい!」という本能)、②自我(「でも現実はこうだから…」と調整する部分)、③超自我(「これはダメ!」という良心)です。逆転移とは、治療する人が気づかないうちに患者さんに対して特別な感情を持ってしまうことです。

教科書: 522ページ

精神分析の用語:簡単な説明

心の場所(局所論):記憶がどこにあるか

  • 意識:今まさに考えていること、気づいていること(例:今この問題を解いていると分かっている)
  • 前意識:今は思い出していないけれど、頑張れば思い出せること(例:昨日の夕ご飯のメニュー)
  • 無意識:どんなに頑張っても思い出せないこと、自分では気づかない心の奥底(例:忘れたつらい記憶)

違い:意識(今考えている)→ 前意識(頑張れば思い出せる)→ 無意識(思い出せない)の順に深くなります。

心の構造(構造論):心の3つの部分

  • エス(イド):「○○したい!」という本能や欲望の塊(例:お腹すいた、遊びたい)
  • 自我(エゴ):「でも現実はこうだから…」と、エスと超自我の間で調整する部分(例:お腹すいたけど、今は授業中だから我慢しよう)
  • 超自我(スーパーエゴ):「これはダメ!」という良心や道徳、親や先生から教わったルール(例:授業中に食べてはいけない)

違い:エス(やりたい!)vs 超自我(ダメ!)を、自我(じゃあどうする?)が調整します。

治療の中で起こること

  • 転移:患者さんが、昔の大切な人(親など)に対する気持ちを、治療者に向けてしまうこと(例:看護師さんを母親のように感じて甘える)
  • 逆転移:治療者が、患者さんに対して特別な感情を持ってしまうこと(例:看護師さんが特定の患者さんに特別な感情を抱く)

違い:転移(患者→治療者)、逆転移(治療者→患者)と、向きが逆です。

(2) 次の文章の中の空欄について、当てはまるものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

( )には、医療機関を受診したり治療に積極的に参加するなど治療に直接的に関わることや、自身の精神的な安定を図ること、他者を頼りサポートを受けることなど、回復したり病気と関わったりするための行動も含まれる。

  • ア:病者行動(まちがい。病者行動は、病気の症状に気づいてから病院に行くまでの行動のことです)
  • イ:病気対処行動(正しい。病気だとわかった後の、回復や病気との付き合い方に関する行動のことです)
  • ウ:病者役割行動(まちがい。病者役割行動は、パーソンズという人が考えた、病気の人として期待される行動パターンのことです)
  • エ:逸脱行動(まちがい。逸脱行動は、社会のルールから外れた行動のことで、病気への対処とは関係ありません)

解答:イ

解説: 病気に関する行動には3つの種類があります。①病者行動(体の調子が悪いと感じて病院に行くまで)、②病者役割行動(病気の人がすべきことを守る)、③病気対処行動(病気だとわかった後、どうやって治すか、どう付き合っていくか)です。この問題は③の説明をしています。

病気に関する行動:簡単な説明

  • 病気行動:体の調子が悪いと感じてから、病院に行くまでの行動(例:「お腹が痛い。病院に行こうかな」と考えて、病院を探して予約する)

    • 時期:症状に気づいた時から病院に行くまで
  • 病者役割行動:パーソンズという学者が考えた「病気の人が社会から期待される4つの決まり」のこと

    • ①治そうと努力しなければならない
    • ②医者の言うことを聞かなければならない
    • ③仕事や学校を休んでもいい(普段の役割を免除される)
    • ④病気になったのは自分のせいじゃない(責任を問われない)
    • 特徴:社会のルール・約束事(「~しなければならない」「~してもいい」)
    • 時期:病院で診断されてから
  • 病気対処行動:病気になった人が実際にやる具体的な行動のこと

    • 例:薬を飲む、リハビリする、家族に助けを求める、気持ちを落ち着かせる、情報を集める
    • 特徴:実際の行動・やること(治療行動、心のケア、人に頼る)
    • 時期:病院で診断されてから
  • 逸脱行動:社会のルールから外れた行動のこと。病気とは関係ない概念(例:犯罪、非行など)

違い(時間の流れ):

  1. 体調が悪い → 病気行動(病院に行くまで)
  2. 病院で診断される
  3. → 病者役割行動と病気対処行動が始まる

病者役割行動 vs 病気対処行動の決定的な違い:

項目病者役割行動病気対処行動
何?社会から期待される「ルール・決まり」実際にやる「具体的な行動」
内容4つの決まり(治す努力、医者に従う、休んでOK、責任なし)薬を飲む、運動する、人に頼るなど
試験の見分け方「期待される」「役割」「依存する」というネガティブ寄りの言葉が出たら→病者役割行動「治療に参加する」「サポートを受ける」「精神的安定」など具体的な行動・ポジティブ寄りの言葉が書いてあったら→病気対処行動

(3) 以下の表は、エリクソンの発達段階である。① ~ ⑤ の空欄に当てはまる各段階の「発達課題 対 危機」を次のアーオの中から選びなさい。​

段階発達課題 対 危機
乳児期基本的信頼 対 基本的不信
幼児初期①
幼児期②
学童期③
青年期自我同一性の確立 対 自我同一性の拡散
成人初期④
壮年期⑤
老年期統合 対 絶望

選択肢:

  • ア:親密 対 孤立(④成人初期に該当。親しい人ができる vs ひとりぼっち)
  • イ:勤勉性 対 劣等感(③学童期に該当。頑張ってできた! vs できなくて自信がない)
  • ウ:生殖性 対 停滞性(⑤壮年期に該当。次の世代を育てる vs 何も残せない)
  • エ:自律性 対 恥と疑惑(①幼児初期に該当。自分でできるようになる vs できなくて恥ずかしい)
  • オ:自主性 対 罪悪感(②幼児期に該当。自分からやってみる vs やっちゃいけなかったかな)

解答:① エ  ② オ  ③ イ  ④ ア  ⑤ ウ

解説: エリクソンは、人が成長するときに乗り越えるべき課題を8段階に分けました。

  • ①幼児初期(1~3歳):自分でできるようになる vs できなくて恥ずかしい(トイレを自分でできるようになるなど)
  • ②幼児期(3~6歳):自分からやってみる vs やっちゃいけなかったかな(自分から遊びを始めるなど)
  • ③学童期(6~12歳):頑張ってできた! vs できなくて自信がない(勉強や習い事で達成感を得る)
  • ④成人初期(20~40歳):親しい人ができる vs ひとりぼっち(結婚や深い友情)
  • ⑤壮年期(40~65歳):次の世代を育てる vs 何も残せない(子どもや若い人を育てる)

(4) ハヴィガーストの発達課題について、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:ハヴィガーストは発達課題の源泉を身体的成熟、社会の文化的要請、個人の価値意識の 3 つに求めた。(正しい。成長するときの課題が、①体が成長すること、②社会から求められること、③自分が大切にしたいこと、の3つから生まれるとしました)
  • イ:児童中期の発達課題は「両親や兄弟および他人に自己を情緒的に結びつけることの学習」が含まれる。(まちがい。これは乳児期・児童初期の課題です。児童中期の課題には、友達との関係づくりや読み書き算数の学習などが含まれます)
  • ウ:青年期の発達課題は「配偶者の選択」が含まれる。(まちがい。結婚相手を選ぶのは成人初期の課題です。青年期の課題には、同年代の仲間との成熟した関係や自分らしさの確立などが含まれます)
  • エ:高齢期の発達課題は「老年の両親に適応すること」が含まれる。(まちがい。年老いた両親への適応は中年期の課題です。高齢期の課題には、退職への適応や配偶者の死への適応などが含まれます)

解答:ア

解説: ハヴィガーストは、成長するときの課題が3つの原因から生まれると言いました。①体が成長すること、②社会から求められること、③自分が大切にしたいこと、の3つです。人生の各段階にそれぞれ課題があり、それをクリアすると次の段階の課題もクリアしやすくなります。

再試も教科書から丸々文章を使い回すと思うので、↓を覚えておくとよさそう。とはいえ量が多くて大変なので、すぐわかるのは飛ばして意味不明なのだけなんとなーく覚えておくでよいかと。

各段階の文章(教科書から)

  1. 乳児期・児童初期:歩行の学習、固形の食べ物を摂る学習、話すことの学習、排泄習慣の学習、性の相違と性的恥の学習、生理的安定の獲得、社会や事物についての単純な概念の形成、両親やきょうだいおよび他人に自己を情緒的に結びつけることの学習、正・不正を区別することの学習と良心を発達させること
  2. 児童中期(学童期):日常の遊びに必要な身体的技能の学習、同年齢の友達と仲良くすることの学習、男子または女子としての適切な社会的役割の学習、読み・書き・計算の基礎的能力を発達させること、良心・道徳性・価値の尺度を発達させること、人格の独立性を達成すること(自立的な人間形成)、民主的な社会的態度を発達させること
  3. 青年期:同年齢の男女両性との洗練された新しい関係を築くこと、自己の身体的変化を受け入れ、男性または女性としての役割を理解すること、両親やきょうだいからの情緒的独立の達成、経済的独立の目安を立てる、職業の選択および準備、結婚と家庭生活の準備、法律や社会制度の知識と民主主義の問題を処理するために必要な言語・合理的思考の発達、社会的に責任のある行動を求め、成し遂げること、価値の確立の指針としての価値の諸理論の体系の学習、適切な科学的世界像と調和した良心的価値の確立
  4. 成人初期:配偶者の選択、結婚相手との生活の学習、子どもをもうける、子どもの養育、家庭の管理、就職、市民的責任の負担、適切な社会集団を見つけること
  5. 成人中期:大人としての市民的社会的責任を達成すること、一定の経済的生活水準の確立と維持、10代の子どもたちが他者から信頼される幸福な大人になれるよう援助すること、大人の余暇活動を充実させること、自分と配偶者を1人の人間として結びつけること、成人中期の生理的変化を理解しこれに適応すること、老年の両親に適応すること
  6. 高齢期:肉体的な力と健康の衰退に適応すること、引退と収入の減少に適応すること、配偶者の死に適応すること、自分と同年代の高齢者たちと明るい親密な関係を確立すること、肉体的生活を満足に送れるように準備すること

教科書: 510ページ

(5) コミュニケーションについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:「心の理論」とは、自分の精神状態を洞察する能力やスキルを持つという仮説である。(まちがい。心の理論とは、「他の人の」心の状態を推測・理解する能力のことです。「自分」でありません。)
  • イ:患者-看護師関係を築くには、患者の家族や友人のように取り決めのない関係を結ぶことが求められる。(まちがい。看護師-患者関係は専門的な援助関係で、治療という目的に基づく取り決めのある関係です)
  • ウ:医療における対話の 4 つのステップでは、ステップ A にあいさつやアセスメントが含まれる。(正しい。4つのステップは、A:あいさつ・状況確認、B:行動計画、C:結論、D:持続です)
  • エ:手話は非言語的コミュニケーションに含まれる。(まちがい。手話は言語的コミュニケーションです。非言語的コミュニケーションは、表情、姿勢、声のトーンなどを指します)

解答:ウ

解説: 医療での話し合いには4つの順番があります。A:あいさつと状況の確認、B:これからどうするかの計画、C:まとめ、D:続けていくこと、です。看護師さんと患者さんの関係は、友達のような関係ではなく、患者さんが良くなるための専門的な関係です。

教科書: 517ページ

(6) ペプロウが示した患者と看護師の関係について、正しい順序を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:同一化の局面 → 開拓利用の局面 → 方向づけの局面 → 問題解決の局面(まちがい。順番が間違っています)
  • イ:同一化の局面 → 方向づけの局面 → 開拓利用の局面 → 問題解決の局面(まちがい。方向づけと同一化が逆です)
  • ウ:方向づけの局面 → 同一化の局面 → 開拓利用の局面 → 問題解決の局面(正しい。ペプロウの看護理論における正しい順番です)
  • エ:方向づけの局面 → 開拓利用の局面 → 同一化の局面 → 問題解決の局面(まちがい。同一化と開拓利用が逆です)

解答:ウ

解説: ペプロウという人が考えた看護師さんと患者さんの関係の4つの段階があります。①方向づけの局面(患者さんが助けを求めて看護師さんに出会う)、②同一化の局面(患者さんが看護師さんを信頼して心を開く)、③開拓利用の局面(患者さんが看護師さんの助けをうまく使う)、④問題解決の局面(患者さんが自分でできるようになって関係が終わる)です。

(7) ペプロウが示した看護師-患者関係に見られる看護師の 4 つの機能について、誤っている記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:相談相手とは、患者が入院の経緯や関連する感情を振り返って話す際の聞き手としての機能である。(正しい。カウンセラーとして、患者さんの話をよく聞く役割です)
  • イ:情報提供者とは、患者が、自分の問題や新しい状況を理解するのに役立つ必要な状況を提供する機能である。(正しい。患者さんが自分の問題や新しい状況を理解するために必要な情報を提供する役割です)
  • ウ:代役とは、患者が過去の関係の中で経験した感情の再現とその検討を促進する機能である。(まちがい。これは転移を促進する機能の説明です。代役(サロゲート)は、患者さんにとって昔の大切な人の代わりとなる役割のことです)
  • エ:技能的専門家とは、専門的な方策を理解し、それらを優れた技能と識別力を持って患者のために使いこなす機能である。(正しい。専門的な知識や技術を使いこなす役割です)

解答:ウ

解説: ペプロウは看護師さんの4つの役割を示しました。①相談相手(患者さんの話をよく聞く)、②情報提供者(必要な情報を教える)、③代役(昔の大切な人の代わりになる)、④技能的専門家(専門的な技術を使う)です。ウの説明は「代役」の説明としては正しくありません。

教科書: 516ページ

(8) 次の文章の中の空欄について、当てはまるものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

精神分析による心の局所(領域)論には、記憶に痕跡が残っており、努力によって意識することのできる心の部分である( )が含まれる。

  • ア:無意識(まちがい。無意識は、どんなに頑張っても思い出せない心の場所です)
  • イ:前意識(正しい。前意識は、今は思い出していないけれど、頑張れば思い出せる心の場所です)
  • ウ:自我(まちがい。自我は心の構造論という別の分け方の概念で、局所論の概念ではありません)
  • エ:超自我(まちがい。超自我は心の構造論という別の分け方の概念で、局所論の概念ではありません)

解答:イ

解説: フロイトは心を3つの場所に分けました。①意識(今まさに考えていること)、②前意識(頑張って思い出せること)、③無意識(どんなに頑張っても思い出せないこと)です。前意識は、昨日の夕ご飯のメニューなど、ちょっと考えれば思い出せることです。

(9) 認知行動療法やそのルーツを含む心理療法ついて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:認知行動療法とは、認知や行動の変容を通じて問題解決や感情的な苦痛の低減を図る心理療法である。(正しい。考え方や行動を変えることで、問題を解決したり嫌な気持ちを減らしたりする治療法です)
  • イ:治療者は患者との対話を通じて、悩みや問題に対する取り組み方を指示する。(まちがい。認知行動療法では「指示」ではなく、患者さんと一緒に協力して問題解決を図ります)
  • ウ:特定の誘発刺激を持たない自発的な行動をレスポンデント行動という。(まちがい。自発的な行動はオペラント行動です。レスポンデント行動は、特定の刺激に対する反射的な行動のことです)
  • エ:認知療法では、患者が無意識に頭に思い浮かび、自らを否定するような考えである否定的自動思考に気づいて、それを是認していく技法を用いる。(まちがい。「是認」ではなく「修正」します。否定的自動思考に気づいて、もっと現実的な考え方に修正していきます)

解答:ア

解説: 認知行動療法とは、考え方や行動を変えることで、心の困りごとを解決しようとする治療法です。「自分はダメだ」というような悪い考え方に気づいて、もっと現実的で前向きな考え方に変えていきます。

認知行動療法に関する用語:簡単な説明

療法の種類

  • 行動療法:「行動」を変えることで問題を解決する方法

    • 例:怖いものに少しずつ慣れる練習、良い行動にご褒美をあげる
    • ポイント:「行動」に注目
  • 認知療法:「考え方(認知)」を変えることで問題を解決する方法

    • 例:「自分はダメだ」→「完璧じゃなくても大丈夫」と考え方を変える
    • ポイント:「考え方」に注目
  • 認知行動療法:「考え方」と「行動」の両方を変えることで問題を解決する方法

    • 行動療法 + 認知療法 = 認知行動療法
    • ポイント:両方に注目

違い:

  • 行動療法:「行動」だけ
  • 認知療法:「考え方」だけ
  • 認知行動療法:「行動」も「考え方」も両方

行動の種類

  • レスポンデント行動:刺激に対する自動的な反応(反射)

    • 例:梅干しを見たら唾が出る、熱いものに触ったら手を引っ込める
    • レスポンデント = 「応答する」という意味
    • 特徴:無意識に自動的に起こる
  • オペラント行動:自分から進んでやる行動

    • 例:お腹が空いたから冷蔵庫を開ける、テストで良い点を取るために勉強する
    • オペラント = 「操作する」という意味
    • 特徴:自分の意志で選んでやる

違い:

  • レスポンデント行動 = 反射(勝手に起こる)

    • 刺激→自動的に反応
    • 例:ベルの音(刺激)→犬が唾を出す(反応)【パブロフの犬】
  • オペラント行動 = 自発的(自分で選ぶ)

    • 行動→結果(ご褒美や罰)→行動が増えたり減ったりする
    • 例:宿題をする(行動)→褒められる(ご褒美)→また宿題をやるようになる

覚え方:

  • レスポンデント:「レス(返事)」→刺激に「返事」するように反射的に反応
  • オペラント:「オペ(操作)」→自分で「操作」して選ぶ行動

(10) 認知行動療法やそのルーツを含む心理療法に関連する技法や理論について正しいものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:防衛機制(まちがい。防衛機制は精神分析という別の方法の概念で、認知行動療法の技法ではありません)
  • イ:ペアレント・トレーニング(正しい。ペアレント・トレーニングは行動療法の技法の1つです)
  • ウ:夢の解釈(まちがい。夢の解釈は精神分析という別の方法の技法で、認知行動療法の技法ではありません)
  • エ:投映法(まちがい。投映法は心理検査の一種で、認知行動療法の技法ではありません)

解答:イ

解説: ペアレント・トレーニングは、親が子どもの行動をうまく導けるようになるための訓練で、認知行動療法の一つです。防衛機制や夢の解釈は精神分析という別の方法の技術なので、認知行動療法ではありません。

(11) 以下の表は、マズローの欲求階層説である。1-4 それぞれの空欄に当てはまる欲求を、次のアーオから 1 つ選びなさい。​

マズローの欲求段階対応するニーズ
自己実現の欲求2
32
42
安全と安定の欲求1
生理的欲求1

選択肢:

  • ア:心理・社会的ニーズ(2に該当。心と社会のニーズです)
  • イ:尊敬と承認の欲求(3に該当。認められたいという欲求です)
  • ウ:所属と愛の欲求(4に該当。仲間がほしい、愛されたいという欲求です)
  • エ:身体的ニーズ(1に該当。体のニーズです)

解答:

  1. エ(身体的ニーズ:生理的欲求と安全・安定の欲求に対応)
  2. ア(心理・社会的ニーズ:自己実現の欲求、尊敬と承認の欲求、所属と愛の欲求に対応)
  3. イ(尊敬と承認の欲求)
  4. ウ(所属と愛の欲求)

解説: マズローは、人間の欲求を5段階のピラミッドで表しました。下から順に、①生理的欲求(ご飯を食べたい、寝たい)、②安全と安定の欲求(安全に暮らしたい)、③所属と愛の欲求(仲間がほしい、愛されたい)、④尊敬と承認の欲求(認められたい)、⑤自己実現の欲求(自分の夢を叶えたい)です。①②は体のニーズ、③④⑤は心と社会のニーズです。

(12) 心理アセスメントについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:参加観察では、観察者からは相手の様子が見え、相手からは鏡のように反射して見えるワンウェイミラーやビデオカメラが用いられる。(まちがい。これは非参加観察の説明です。参加観察は、観察者が対象者と一緒に活動に参加しながら観察する方法です)
  • イ:心理アセスメントでは、知能検査や発達障害、精神症状の有無と言ったカテゴリカル(範疇的)な視点のみを適用する。(まちがい。カテゴリカル(「ある・ない」で判断する)な視点だけでなく、ディメンショナル(程度で判断する)な視点も使います)
  • ウ:自由度がありながら、質問内容や手順が決められている面接を半構造化面接という。(正しい。ある程度の質問内容や手順が決まっているけれど、柔軟に対応できる面接法です)
  • エ:被験者の知的能力の発達を測定する検査を認知機能検査と言う。(まちがい。知的能力の発達を測定するのは知能検査です。認知機能検査は認知症かどうかを調べる検査などに使われます)

解答:ウ

解説: 半構造化面接とは、聞くことは大体決まっているけれど、状況に応じて柔軟に質問を変えられる面接方法です。完全に決まっている面接と自由な会話の間くらいの方法です。

(13) 性格検査として正しいものを、次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:MMPI(正しい。ミネソタ多面人格目録という、代表的な性格検査です)
  • イ:WAIS-IV(まちがい。ウェクスラー成人知能検査という、知能検査です)
  • ウ:HDS-R(まちがい。改訂長谷川式簡易知能評価スケールという、認知症かどうかを調べる検査です)
  • エ:STAI(まちがい。状態-特性不安検査という、不安の強さを測定する検査で、性格検査ではなく情緒検査です)

解答:ア

解説: MMPIは、その人の性格を色々な面から調べる検査で、世界中で使われています。WAIS-IVは知能(頭の良さ)を調べる検査、HDS-Rは認知症かどうかを調べる検査、STAIは不安の強さを測る検査です。

第 3 問​

(1) 急性期にある患者の心理的特徴として、誤った記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:心身症と呼ばれる一群が生じやすい。(まちがい。心身症は、長い間ストレスが続いて起こる病気で、急性期よりも長く続く慢性期に関係が深いです)
  • イ:精神的なケアが後回しになってしまう場合が多い。(正しい。急性期は命を守ることが最優先になるので、心のケアが後回しになりがちです)
  • ウ:せん妄の発症頻度が高い。(正しい。急性期、特に手術の後や重症の患者さんでは、せん妄(混乱した状態)が起きやすいです)
  • エ:認知機能の低下が見られる。(正しい。急性期のストレスや体の状態が悪くなることで、考える力が一時的に落ちることがあります)

解答:ア

解説: 急性期は命の危険がある時期で、まず体の治療が最優先されます。混乱したり考える力が落ちたりすることがありますが、心身症は長い間ストレスが続いて起こる病気なので、急性期よりも長く続く慢性期に関係が深いです。

(2) フィンクの危機モデルのプロセスについて、正しい順序を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:防衛的退行の段階 → 衝撃の段階 → 適応の段階 → 承認の段階(まちがい。順番が間違っています)
  • イ:衝撃の段階 → 防衛的退行の段階 → 適応の段階 → 承認の段階(まちがい。承認と適応が逆です)
  • ウ:防衛的退行の段階 → 衝撃の段階 → 承認の段階 → 適応の段階(まちがい。衝撃と防衛的退行が逆です)
  • エ:衝撃の段階 → 防衛的退行の段階 → 承認の段階 → 適応の段階(正しい。フィンクの危機モデルの正しい順番です)

解答:エ

解説: フィンクという人が考えた、障害を受け入れるまでの4つの段階があります。①衝撃の段階(びっくりして混乱する)、②防衛的退行の段階(「そんなはずない」と認めたくない)、③承認の段階(「本当なんだ」と現実を受け入れる)、④適応の段階(新しい生活に慣れる)の順に進みます。

(3) 急性悲嘆について、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:フロイトによって報告された。(まちがい。急性悲嘆はリンデマンという人が報告しました。フロイトは「悲哀とメランコリー」という本を書きました)
  • イ:正常な悲嘆反応の経過では、悲嘆反応に結び付くような強い苦痛や感情を表出させず洞察する姿勢が大切である。(まちがい。普通の悲しみの反応では、強い苦痛や感情を外に出して、悲しみの過程を通じて考えることが回復につながります)
  • ウ:病的な悲嘆反応は、自身が死別した近親者が亡くなった年齢に達することによって引き起こされる遅延反応が当てはまる。(正しい。遅延反応は病的な悲しみの反応の1つで、亡くなった家族と同じ年齢になったときに引き起こされることがあります)
  • エ:歪曲反応は医療機関へ受診する必要があるほど重篤な反応である。(まちがい。歪曲反応は病的な悲しみの反応の1つですが、必ずしも病院に行く必要があるほど重いとは限りません)

解答:ウ

解説:

(4) 次の文章の中の空欄について、当てはまるものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

回復期になると医療従事者と患者の関係性に変化が生じる。医療従事者は患者の( )を拡充していくために、少しずつできることを患者自身にしてもらうように促すことが求められる。

  • ア:BMI(まちがい。Body Mass Indexという、太っているか痩せているかを表す数字です)
  • イ:SST(まちがい。Social Skills Trainingという、社会生活の技能を訓練することです)
  • ウ:ICU(まちがい。Intensive Care Unitという、集中治療室のことです)
  • エ:ADL(正しい。Activities of Daily Livingという、日常生活動作のことです)

解答:エ

解説: 回復期には、患者さんのADL(日常生活動作=ご飯を食べたり服を着たり、日常生活で必要な動作)を増やして、自分でできることを増やすことが大切です。できることを少しずつ自分でやってもらうことで、自信が戻ってきます。

(5) 慢性期にある患者の心理的特徴について、誤った記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:治療期間が長くなるに伴い、治療上、あるいは生活上重要な決断をしなければならない機会が増える。(正しい。慢性期は、長期的な治療の計画や生活の調整が必要です)
  • イ:慢性疾患に罹患したことで健康な時と現状の違いを感じ、社会的な引きこもり傾向の状態に陥ってしまうこともある。(正しい。長く続く病気になったことで、健康だった時との違いを感じて、引きこもりがちになることがあります)
  • ウ:社会的スティグマが要因で、自身の病気を隠匿し周囲に知られないようにする患者がいる。(正しい。病気への偏見や差別を恐れて、自分の病気を隠す患者さんがいます)
  • エ:アレキシサイミア傾向のある患者は、感情を過剰に認知し、表現することが多い。(まちがい。アレキシサイミア(失感情症)は、感情を認識したり表現したりすることが難しい状態です。「過剰に認知し、表現する」は真逆の説明です)

解答:エ

解説: アレキシサイミア(失感情症)は、自分の気持ちがよくわからず、言葉にするのも難しい状態です。感情をたくさん表現するのではなく、逆に自分の気持ちに気づけず、表現もできないのが特徴です。

(6) 慢性期にある患者に有効な概念やアプローチについて、誤ったものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:ソーシャルサポート(正しい。周りの人の支えは、長く病気と付き合っている患者さんの大切な支えになります)
  • イ:ソリューション・フォーカスト・アプローチ(正しい。問題解決志向アプローチという、患者さんの強みに注目する良い方法です)
  • ウ:セルフエフィカシー(正しい。自己効力感(「自分ならできる!」という気持ち)を高めることは、長く続く病気を自分で管理するのに大切です)
  • エ:デイリーハッスルズ(まちがい。デイリーハッスルズ(日常の小さなストレスや困難)という言葉はありますが、長く病気と付き合っている患者さんに特に有効なアプローチではありません)

解答:エ

解説: 長く病気と付き合っている患者さんには、①ソーシャルサポート(周りの人の支え)、②ソリューション・フォーカスト・アプローチ(できることに注目する方法)、③セルフエフィカシー(「自分ならできる!」という気持ち)などが役に立ちますが、「デイリーハッスルズ(日常の小さなストレスや困難)」は特に有効なアプローチではありません。

(7) トータルペインについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:キューブラー・ロスによって提唱された。(まちがい。トータルペインはシシリー・ソンダースという人が考えました。キューブラー・ロスは死の受容過程を考えた人です)
  • イ:身体的苦痛とは、痛み以外では治療の副作用や熟眠感が得られない倦怠感や疲労感のことなどを指す。(正しい。身体的苦痛には、痛みだけでなく、様々な体の症状が含まれます)
  • ウ:精神的苦痛とは、家族との関係や経済的な面での心配、社会的なステータスを失ったことへの喪失感などを指す。(まちがい。これは社会的苦痛の説明です。精神的苦痛は、不安、恐怖、孤独感などを指します)
  • エ:スピリチュアルペインは、死生観についての悩みなど、宗教的な悩みのみを指す。(まちがい。スピリチュアルペインは、宗教的な悩みだけでなく、「なぜ自分が」という実存的苦痛も含みます)

解答:イ

解説: トータルペインは、シシリー・ソンダースという人が考えた、痛みや苦しみを4つに分ける考え方です。①身体的苦痛(体の痛みやだるさ)、②精神的苦痛(不安や怖さ)、③社会的苦痛(お金の心配や仕事を失った悲しみ)、④スピリチュアルペイン(「なぜ自分が」という苦しみや信仰に関する悩み)の4つです。

(8) キューブラー・ロスの死の受容過程について、正しい順序を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:否認 → 怒り → 抑うつ → 取り引き → 受容(まちがい。3番目と4番目が逆になっています)
  • イ:否認 → 怒り → 取り引き → 抑うつ → 受容(正しい。これがキューブラー・ロスが考えた正しい順番です)
  • ウ:怒り → 否認 → 取り引き → 抑うつ → 受容(まちがい。1番目と2番目が逆になっています)
  • エ:怒り → 否認 → 抑うつ → 取り引き → 受容(まちがい。1番目と2番目が逆で、3番目と4番目も逆になっています)

解答:イ

解説: キューブラー・ロスという人が考えた、死を受け入れるまでの5つの段階があります。①否認(「そんなはずない」)、②怒り(「なんで私が」)、③取り引き(「せめて○○までは」)、④抑うつ(「もう何もできない」)、⑤受容(「これが私の運命」)の順に進みます。ただし、みんながこの順番通りに進むとは限りません。

第 4 問​

(1) 次の文章の中の空欄について、当てはまるものを次のアーエから 1 つ選びなさい。​

入院患者に対して、最近では、( )などを用いて治療の経過を入院時に説明することが多い。

  • ア:インテーク面接(まちがい。インテーク面接は最初に会って話をすることで、患者さんの情報を集めたり、仲良くなったりするためのものです)
  • イ:SCT(まちがい。SCTは文章完成法という心のテストの一種です)
  • ウ:チーム医療(まちがい。チーム医療は、いろんな職業の人が協力して患者さんを助けることで、治療の予定を説明する道具ではありません)
  • エ:クリニカルパス(正しい。クリニカルパスは、治療や検査の予定を示した計画表のことです)

解答:エ

解説: クリニカルパスは、病気ごとに「いつ、何をするか」を示した計画表です。入院したときにこれを見せてもらうと、「次は何をするのか」がわかって、安心して治療を受けられます。

(2) ICF モデルについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:身体機能障害が社会的不利を生み出すという考え方が中心である。(まちがい。これはICIDH(国際障害分類)という古い考え方です。ICFはもっと広い見方をします)
  • イ:生活機能という、患者をプラス面からも見られる視点も含まれている。(正しい。ICFは、できないことだけでなく、できることにも注目します)
  • ウ:特定の職種のスタッフのみが活用できるようになっている。(まちがい。ICFは、お医者さんや看護師さんなど、いろんな職業の人が一緒に使える世界共通の分類方法です)
  • エ:人間の生活機能と障害における 2 つの次元に加え、それらに影響を及ぼす因子として「環境因子」「個人因子」がある。(まちがい。2つではなく3つの要素があります)

解答:イ

解説: ICF(国際生活機能分類)は、「できないこと」だけでなく「できること」にも注目する新しい考え方です。古いICIDHという分類では、「体が不自由だと→社会で不利になる」という見方だけでしたが、ICFでは、体の状態、活動、社会参加を全部見て、環境や個人の特徴も考えます。お医者さんだけでなく、いろんな職業の人が一緒に使える世界共通の仕組みです。

(3) ナンシー・コーンのステージ理論について、正しい順序をアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:ショック → 回復への期待 → 悲嘆 → 防衛 → 適応(正しい。これがナンシー・コーンが考えた正しい順番です)
  • イ:ショック → 回復への期待 → 防衛 → 悲嘆 → 適応(まちがい。3番目と4番目が逆になっています)
  • ウ:回復への期待 → ショック → 悲嘆 → 防衛 → 適応(まちがい。1番目と2番目が逆になっています)
  • エ:回復への期待 → ショック → 防衛 → 悲嘆 → 適応(まちがい。1番目と2番目が逆で、3番目と4番目も逆になっています)

解答:ア

解説: ナンシー・コーンという人が考えた、障害を受け入れるまでの5つの段階があります。①ショック(びっくりする)、②回復への期待(「きっと治る」と思う)、③悲嘆(治らないことを悲しむ)、④防衛(現実から目をそらす)、⑤適応(新しい生活に慣れる)の順に進みます。フィンクの理論と似ていますが、最初が「回復への期待」なのが特徴です。

(4) 在宅療養中の患者を介護する家族の心理的特徴について、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:最近では、家族が乳幼児や病弱な高齢者の世話をして日常生活の基本的な欲求を満たす介護機能が低下してきたと言われている。(正しい。小さな家族が増えたり、お父さんもお母さんも働く家が増えたりして、家族が介護する力が弱くなっています)
  • イ:60 歳以上の高齢者を同じく 60 歳以上の高齢者が介護している状態を老老介護という。(まちがい。老老介護は「65歳以上」のお年寄りがお年寄りを介護することを言います)
  • ウ:1960 年代から介護負担という概念が注目されるようになった。(まちがい。介護の大変さに注目されるようになったのは1980年代以降です)
  • エ:認知症の周辺症状を PTSD と呼び、認知症患者の家族はこれによって疲弊を起こしやすい。(まちがい。認知症の周辺症状はBPSDと呼ばれます。PTSDは心に大きな傷を受けた後のストレス障害のことです)

解答:ア

解説: 家族が介護する力が弱くなってきた理由は、①小さな家族(核家族)が増えたこと、②お父さんもお母さんも働く家が増えたこと、③お年寄りが増えたこと、などがあります。昔は大家族で、おじいちゃんおばあちゃんの世話を家族みんなでできましたが、今は難しくなっています。老老介護や介護の大変さも大きな問題になっています。

(5) バーンアウトについて、正しい記述を次のアーエから 1 つ選びなさい。​

  • ア:身体が大きく疲れたという感覚を情緒的消耗感という。(まちがい。情緒的消耗感は、体ではなく心や気持ちがすり減ってしまった状態のことです)
  • イ:それまでと大きく趣味・趣向が変わってしまうことを非人格化という。(まちがい。非人格化(脱人格化)は、人に対して冷たくなったり、ロボットみたいな対応になったりすることです。趣味が変わることではありません)
  • ウ:仕事に対するやりがいの低下を個人的達成感の減退という。(正しい。個人的達成感の減退は、仕事にやりがいを感じなくなることです)
  • エ:それまで感情的に余裕をもって仕事をしていた人が、大きな出来事によって引き起こされる身体的、感情的、精神的疲弊である。(まちがい。バーンアウトは、大きな出来事が原因ではなく、長い間ストレスが続いて少しずつ疲れていくことが原因です)

解答:ウ

解説: バーンアウト(燃え尽き症候群)は、人を助ける仕事をしている人によく見られる症状です。3つの特徴があります。①情緒的消耗感(心も気持ちもすり減ってしまった状態)、②非人格化(人に冷たく、ロボットみたいな対応になる)、③個人的達成感の減退(仕事にやりがいを感じなくなる)です。長い間ストレスが続いて、少しずつこうなっていくのが特徴です。