再
第1問
1 恒常性(ホメオスタシス)について、正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 大きな負担を強いられる環境に遭遇した時、それに適応するために示される反応である。
- イ 生体が一定の状態から脱するための性質を指す。
- ウ 恒常性が維持されることで、不適応につながる。
- エ 人体にとって危険な性質である。
正答: ア
解説: 恒常性(ホメオスタシス)は、外部環境の変化に対して生体内部環境を一定の範囲内に保とうとする生理機能です。アは適応反応について述べており、ストレスに関連する説明ですが、この問題では恒常性の定義に最も近いものとしてアが正答となります。
2 ストレスの概念をボールで例えた時、圧力によって生じたボールの歪みをなんというか。正しいものを次のアーエから1つ選べ。
- ア ストレス反応
- イ ストレス
- ウ ストレッサー
- エ ストレス耐性
正答: ア
解説:圧力によって生じたボールの歪みは刺激に対する反応であり「ストレス反応」で、圧力そのものは「ストレッサー」、歪んだ状態を指すのが「ストレス」、それに耐える力が「ストレス耐性」である。
3 情動焦点型コーピングについて、正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 問題に詳しい人へ相談して情報を得る。
- イ 病気を告知された患者が、他の医師へセカンドオピニオンを行う。
- ウ リラクゼーションを行う。
- エ 家族と治療計画について相談しておく。
正答: ウ
解説: 情動焦点型コーピングは、ストレスによって生じた感情や情動に焦点を当てて対処する方法です。リラクゼーションは感情を落ち着かせる方法であり、情動焦点型コーピングの典型例です。ア、イ、エは問題焦点型コーピングに該当します。
4 1-4の記述に当てはまる防衛機制をアーエからそれぞれ1つずつ選びなさい。
- 診察の予約をうっかり忘れてしまう
- 病気療養中に絵を描く事に集中する
- 体調不良で旅行に行けなかったことに対し、「行っても混雑しても大変だから」と考える。
- 頻回にナースコールを押して看護師を呼び、わがままを聞いてもらおうとする。
- ア 合理化
- イ 抑圧
- ウ 昇華
- エ 退行
正答: 1-イ、2-ウ、3-ア、4-エ
解説:
- 抑圧: 不快な記憶や感情を無意識下に押し込める機制
- 昇華: 社会的に認められない欲求を、社会的に認められる活動に転換する機制
- 合理化: 不都合な事実に対して、もっともらしい理由をつけて正当化する機制
- 退行: 発達段階の早期の行動パターンに戻る機制
第2問
1 自分が病気であると知ったことで、患者が取る行動をなんというか。次のアーエから1つ選べ。
- ア 病気行動
- イ 病者役割行動
- ウ 逸脱行動
- エ 病気対処行動
正答: エ
解説:自分が病気だと知ってから治療や生活調整などを行うのは「病気対処行動」であり、症状を感じて受診するまでが「病気行動」、患者として社会的役割を受け入れるのが「病者役割行動」、社会規範から外れるのが「逸脱行動」である。
2 省略
3 ハヴィガーストの発達課題について、それぞれの時期(1-6)にあった発達課題をアーカからそれぞれ1つずつ選びなさい。
- 乳児期・児童初期
- 児童中期(学童期)
- 青年期
- 成人初期
- 成人中期
- 高齢期
- ア 就職
- イ 話すことの学習
- ウ 配偶者の死に適応すること
- エ 結婚と家庭生活の準備
- オ 大人としての市民的社会的責任を達成すること
- カ 日常の遊びに必要な身体的技能の学習
正答: 1-イ、2-カ、3-ア、4-エ、5-オ、6-ウ
解説: ハヴィガーストの発達課題は各発達段階に応じて設定されています。
- 乳児期: 言語の獲得
- 学童期: 遊びや運動技能の発達
- 青年期: 職業の選択と準備
- 成人初期: 結婚と家族形成
- 成人中期: 市民的・社会的責任
- 高齢期: 配偶者の死への適応
4 対話について正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 言語メッセージは意識せずに発していることが多い。
- イ 心の理論(人間は他者の精神状態を洞察する能力やスキルを持つ)という仮説がある
- ウ 私達のコミュニケーションの9割以上が言語的コミュニケーションに頼っているとされている
- エ メッセージの表現方法と受け取り方はどの人間も共通している
正答: イ
解説: 心の理論(Theory of Mind)は、他者の心的状態を推測する能力に関する重要な概念です。ウは誤りで、実際には非言語的コミュニケーションが大きな割合を占めています(メラビアンの法則では非言語が93%)。
5 ペプロウが示した患者と看護師の説明について、1-4の特徴に当てはまるものをアーエからそれぞれ1つずつ選びなさい。
- 患者は看護師から独り立ちできる能力を身につける。
- 患者が自分の問題について全体的な印象をつかむ。
- 患者が自分自身のニーズに答えてくれそうな人を選んで反応するようになる。
- 患者が自分の関心とニーズに基づいて、与えられたサービスを様々な方法で十分に利用する。
- ア 方向づけの局面
- イ 同一化の局面
- ウ 開拓利用の局面
- エ 問題解決の局面
正答: 1-エ、2-ア、3-イ、4-ウ
解説: ペプロウの看護理論における4つの局面は以下の通りです。
- 問題解決の局面: 自立に向けた能力獲得
- 方向づけの局面: 問題の全体像把握
- 同一化の局面: 信頼できる看護師の選択
- 開拓利用の局面: サービスの積極的活用
6 精神分析を創始したのは誰か。次のアーエから1つ選べ。
- ア パブロフ
- イ アイゼンク
- ウ ウォルビ
- エ フロイト
正答: エ
解説: ジークムント・フロイトは精神分析学の創始者です。パブロフは条件反射、アイゼンクは性格理論、ウォルビは系統的脱感作法で知られています。
7 認知行動療法やそのルーツを含む心理療法について、正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 治療者や患者に対し、行動や考えを変えるよう指示する
- イ レスポンデント行動とは、特定の誘発刺激を持たない、自発的な行動である
- ウ 出来事や物事に対する人間の反応を「出来事ー認知ー感情ー行動」の4つの連なりで捉える。
- エ 治療の対象となる問題が続く背景に、強化や弱化の関係はない
正答: ウ
解説: 認知行動療法では、出来事→認知→感情→行動という4つのプロセスで人間の反応を理解します。イは誤りで、レスポンデント行動は特定の刺激によって誘発される行動です。エも誤りで、行動の強化や弱化は重要な概念です。
8 省略
第3問
1 急性期にある患者の心理的特徴として、正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 患者のADLを拡大することが求められる
- イ 緊急入院に伴う不安がある
- ウ 尊厳が失われ羞恥心や情けなさを感じることはまったくない
- エ 認知機能の低下は見られない
正答: イ
解説: 急性期の患者は、突然の入院や病状の急変により強い不安を感じることが多いです。アはリハビリ期、ウは誤り(急性期でも羞恥心は感じます)、エは誤り(せん妄などで認知機能低下がみられることがあります)。
2 フィンクの危機モデルのプロセスについて次のアーエを正しい順番に並べ替えなさい。
- ア 衝撃の段階
- イ 適応の段階
- ウ 承認の段階
- エ 防衛的退行の段階
正答: ア→エ→ウ→イ
解説: フィンクの危機モデルは4段階からなります。1.衝撃の段階、2.防衛的退行の段階、3.承認の段階、4.適応の段階の順に進みます。
3 回復期にある患者の特徴として、正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 患者から「退行」のような言動が見られることがある
- イ 身体機能が回復する程度などの見通しは立ちにくい
- ウ せん妄の発症頻度が高い
- エ 家族の患者の障害受容は必要ない
正答: ア
解説: 回復期には、依存性が高まり退行のような言動がみられることがあります。イは誤り(回復期には見通しが立ちやすくなる)、ウは急性期、エは誤り(家族の障害受容も重要)。
4 慢性期にある患者に関する概念について正しいものを次のアーエから1つ選べ。
- ア MBI
- イ 全人的苦痛(トータルペイン)
- ウ ハロー効果
- エ ソーシャルサポート
正答: エ
解説: 慢性期の患者には、長期にわたる療養生活を支えるソーシャルサポートが重要です。MBIはバーンアウト測定尺度、トータルペインは終末期、ハロー効果は心理学的現象です。
5 キューブラー・ロスの死の受容過程について次のアーエを正しい順番に並べ替えなさい。
- ア 怒り
- イ 抑うつ
- ウ 受容
- エ 否認
正答: エ→ア→取引→イ→ウ
解説: キューブラー・ロスの死の受容過程は5段階です。1.否認、2.怒り、3.取引、4.抑うつ、5.受容の順に進みます。選択肢には「取引」がありませんが、順序はエ→ア→イ→ウです。
6 入院患者への治療の経過説明に役立つものとは何か、正しいものを次のアーエから1つ選べ。
ア BPSモデル イ ICFモデル ウ クリニカルパス エ DSM-5
正答: ウ
解説: クリニカルパスは、治療や検査の標準的な経過を時系列で示したもので、患者への説明に有用です。BPSモデルは生物・心理・社会モデル、ICFは国際生活機能分類、DSM-5は精神疾患の診断分類です。
7 バーンアウトについて、正しい記述を次のアーエから1つ選べ。
- ア 一度の大きな出来事によって生じる
- イ 人のことを人間だと思わなく鳴ること(非人間化)が見られる
- ウ 幻覚・妄想が見られる
- エ フィンクによって提唱された
正答: イ
解説: バーンアウト(燃え尽き症候群)は、長期的なストレスによる心身の疲弊状態で、脱人格化(非人間化)が特徴の一つです。マスラックによって提唱されました。アは誤り(慢性的なストレスが原因)、ウは精神病症状でバーンアウトには該当しません。