基礎看護技術V 一問一答
基本概念
Q. 環境変化に応じて体のバランスを保つ働きを何というか? A: ホメオスタシス(恒常性)
Q. ストレスの原因となるものを何というか? A: ストレッサー
Q. ストレッサーに対する抵抗力を何というか? A: ストレス耐性
Q. 心身への負荷状態を何というか? A: ストレス
Q. ストレスによって起こる身体的反応を何というか? A: ストレス反応
汎適応症候群
Q. ストレス反応の3段階を何というか? A: 汎適応症候群
Q. 汎適応症候群の第1段階は何か? A: 警告反応期
Q. 汎適応症候群の第2段階は何か? A: 抵抗期
Q. 汎適応症候群の第3段階は何か? A: 疲憊期
Q. 警告反応期の一時的機能低下の段階を何というか? A: ショック相
Q. 警告反応期の抵抗力増強の段階を何というか? A: 反ショック相
Q. ストレッサーに適応し安定状態になる段階はどれか? A: 抵抗期
Q. 適応限界を超過して機能不全となる段階はどれか? A: 疲憊期
ストレッサーの種類
Q. 温度・騒音・放射線は何的ストレッサーか? A: 物理的ストレッサー
Q. 薬物・毒物・アレルゲンは何的ストレッサーか? A: 化学的ストレッサー
Q. 病原体・感染症は何的ストレッサーか? A: 生物学的ストレッサー
Q. 人間関係・経済・死別は何的ストレッサーか? A: 心理社会的ストレッサー
コーピング
Q. ストレス原因に直接対処するコーピングを何というか? A: 問題焦点型コーピング
Q. 感情や認知を調整して対処するコーピングを何というか? A: 情動焦点型コーピング
Q. 「私は困難を乗り越えられる」という信念を何というか? A: セルフエフィカシー(自己効力感)
防衛機制
Q. 不安から自我を守る無意識の心理的戦略を何というか? A: 防衛機制
Q. 嫌な記憶を意識から追い出す防衛機制は何か? A: 抑圧
Q. 現実から逃れて空想にふける防衛機制は何か? A: 逃避
Q. 感情の対象を変える防衛機制は何か? A: 置き換え
Q. 理由付けをする防衛機制は何か? A: 合理化
Q. 社会的に受け入れられる形に変換する防衛機制は何か? A: 昇華
Q. 現実を受け入れない防衛機制は何か? A: 否認
Q. 幼児的行動に戻る防衛機制は何か? A: 退行
Q. 身体症状に変える防衛機制は何か? A: 転換
Q. 自分の感情を他者に押し付ける防衛機制は何か? A: 投影
Q. 本心と逆の行動を取る防衛機制は何か? A: 反動形成
病気行動
Q. 症状に対する主観的反応を何というか? A: 病気行動
Q. 医療機関受診等の積極的対応を何というか? A: 病気対処行動
Q. 社会が期待する患者の行動を何というか? A: 病者役割行動
Q. 病者役割から外れた行動を何というか? A: 逸脱行動
ペプロウの関係論
Q. ペプロウの患者と看護師の関係の第1段階は何か? A: 方向づけ
Q. ペプロウの患者と看護師の関係の第2段階は何か? A: 同一化
Q. ペプロウの患者と看護師の関係の第3段階は何か? A: 開拓利用
Q. ペプロウの患者と看護師の関係の第4段階は何か? A: 問題解決
エリクソンの発達段階
Q. エリクソンの発達段階で乳児期の課題は何か? A: 基本的信頼 vs 不信
Q. エリクソンの発達段階で幼児前期の課題は何か? A: 自律性 vs 恥・疑惑
Q. エリクソンの発達段階で幼児後期の課題は何か? A: 積極性 vs 罪悪感
Q. エリクソンの発達段階で学童期の課題は何か? A: 勤勉性 vs 劣等感
Q. エリクソンの発達段階で青年期の課題は何か? A: 自我同一性の確立 vs 自我同一性の拡散
Q. エリクソンの発達段階で成人前期の課題は何か? A: 親密性 vs 孤立
Q. エリクソンの発達段階で成人期の課題は何か? A: 生殖性 vs 停滞
Q. エリクソンの発達段階で老年期の課題は何か? A: 統合性 vs 絶望
ハヴィガーストの発達課題
Q. ハヴィガーストの乳幼児期の発達課題は何か? A: 歩行・言語習得
Q. ハヴィガーストの児童期の発達課題は何か? A: 読み書き・仲間関係
Q. ハヴィガーストの青年期の発達課題は何か? A: 身体受容・異性関係
Q. ハヴィガーストの成人前期の発達課題は何か? A: 職業選択・結婚
Q. ハヴィガーストの中年期の発達課題は何か? A: 責任受容・次世代指導
Q. ハヴィガーストの老年期の発達課題は何か? A: 身体変化適応・死の受容
質問技法
Q. 「今日の気分はいかがですか?」は何質問か? A: 開かれた質問
Q. 「痛みはありますか?」は何質問か? A: 閉ざされた質問
意識の層
Q. 現在自覚している内容を何というか? A: 意識
Q. 努力すれば意識化可能な内容を何というか? A: 前意識
Q. 抑圧され意識化困難な内容を何というか? A: 無意識
フロイトの精神構造
Q. 本能的な欲求を何というか? A: エス
Q. エスと超自我のバランスをとる部分を何というか? A: 自我
Q. 道徳心や理想像からくる部分を何というか? A: 超自我
心理療法
Q. 思考と行動の両方を変える療法は何か? A: 認知行動療法
Q. 行動を変えて症状改善を図る療法は何か? A: 行動療法
Q. 考え方を変えて症状改善を図る療法は何か? A: 認知療法
学習理論
Q. 自分でした行動で結果により強化される行動を何というか? A: オペランド行動
Q. たまたま起こったことに対する反応を何というか? A: レスポンデント行動(古典的条件付け)
マズローの欲求段階説
Q. マズローの欲求段階説の第1段階は何か? A: 生理的欲求
Q. マズローの欲求段階説の第2段階は何か? A: 安全欲求
Q. マズローの欲求段階説の第3段階は何か? A: 社会的欲求
Q. マズローの欲求段階説の第4段階は何か? A: 承認欲求
Q. マズローの欲求段階説の第5段階は何か? A: 自己実現欲求
フィンクの危機モデル
Q. フィンクの危機モデルの第1段階は何か? A: 衝撃期
Q. フィンクの危機モデルの第2段階は何か? A: 防御的退行期
Q. フィンクの危機モデルの第3段階は何か? A: 承認期
Q. フィンクの危機モデルの第4段階は何か? A: 適応期
心理的概念
Q. 感情を認識・表現できない状態を何というか? A: アレキシサイミア(失感情症)
Q. 偏見・差別的な烙印を何というか? A: スティグマ
Q. 自分に対する偏見を何というか? A: セルフスティグマ
Q. 社会からの偏見を何というか? A: 社会的スティグマ
全人的苦痛
Q. 全人的苦痛を構成する4つの苦痛は何か? A: 身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペイン
キューブラー・ロスの死の受容
Q. キューブラー・ロスの死の受容の第1段階は何か? A: 否認
Q. キューブラー・ロスの死の受容の第2段階は何か? A: 怒り
Q. キューブラー・ロスの死の受容の第3段階は何か? A: 取引
Q. キューブラー・ロスの死の受容の第4段階は何か? A: 抑うつ
Q. キューブラー・ロスの死の受容の第5段階は何か? A: 受容
ナンシー・コーンの障害受容
Q. コーンの障害受容の第1段階は何か? A: ショック
Q. コーンの障害受容の第2段階は何か? A: 回復への期待
Q. コーンの障害受容の第3段階は何か? A: 悲嘆
Q. コーンの障害受容の第4段階は何か? A: 防衛
Q. コーンの障害受容の第5段階は何か? A: 適応
バーンアウト
Q. 燃え尽き症候群を何というか? A: バーンアウト
Q. バーンアウトの感情的エネルギーの枯渇を何というか? A: 情緒的消耗感
Q. バーンアウトで患者を物のように扱うことを何というか? A: 非人格化
Q. バーンアウトで仕事への無力感・無価値感を何というか? A: 個人的達成感の減退
その他
Q. どうやって治療を進めるかの計画を何というか? A: クリニカルパス
Q. 心理学を最初に考えた人は誰か? A: フロイト
Q. 認知療法の創始者は誰か? A: アーロン・ベック
Q. 自然に浮かんでくる考えを何というか? A: 自動思考
Q. 集団精神療法で治療が進む11の要素を考えたのは誰か? A: ヤーロム
知能検査
Q. ウェクスラー幼児用知能検査の略称は何か? A: WPPSI
Q. ウェクスラー児童用知能検査の略称は何か? A: WISC
Q. ウェクスラー成人用知能検査の略称は何か? A: WAIS
Q. 2歳~成人で精神年齢とIQを算出する検査は何か? A: 田中ビネーV:ビネー式知能検査の日本版、精神年齢とIQを算出
認知機能検査
Q. 認知症の程度を質問で評価する検査は何か? A: 長谷川式認知症スケール
Q. 11下位検査で認知機能を評価する検査は何か? A: 日本版コグニスタット認知機能検査(Cognistat):11の下位検査で認知機能を包括的評価
Q. カード分類で認知柔軟性を評価する検査は何か? A: ウィスコンシンカード分類検査(WCST):Wisconsin Card Sorting Test、前頭葉機能・認知柔軟性を評価
Q. 認知症スクリーニング検査の略称は何か? A: MMSE(ミニメンタルステート検査):Mini-Mental State Examination、認知症スクリーニング検査
性格検査
質問紙法
Q 質問紙法とは何か? A: 質問紙に回答してもらい、性格特性や心理状態を評価する方法
Q. 550の質問項目がある質問紙で性格特性を測定する検査の略称は何か? A: MMPI(ミネソタ多面人格目録)
Q. 15歳以上を対象とした53の質問で5つの性格分類に分ける検査は何か? A: 新版東大式エゴグラム(TEG-Ⅱ):5つの自我状態(CP、NP、A、FC、AC)で性格を分類
Q. 小学生から成人を対象とした12尺度で性格傾向を5類型で判断する検査は何か? A: 矢田部ギルフォード性格検査:12の性格特性を測定し5つの類型(A~E)で性格を判断
投影法
Q. 絵や文章で性格を探る検査方法は何か? A: 投影法
Q. 木を描かせて心理状態を分析する検査は何か? A: バウムテスト
Q. インクのしみを見て何に見えるかで性格診断する検査は何か? A: ロールシャッハ・テスト
Q. 短文の続きを書くことで無意識を探る検査の略称は何か? A: SCT(文章完成法):Sentence Completion Test
作業検査法
Q. 足し算などの作業で性格傾向を評価する検査は何か? A: 作業検査法
Q. 数字の連続加算で作業量や傾向を評価する検査は何か? A: 内田クレペリン検査:1分間の単純加算を繰り返し、作業能力・性格傾向を評価
その他の概念
Q. リハビリテーションを実施する上で多面的に患者を捉え生活機能評価するモデルは何か? A: ICF(国際生活機能分類)モデル
Q. 家族が亡くなった時は悲しまなかったが、数ヶ月後に突然悲しみが襲ってくる反応を何というか? A: 遅延反応
Q. 家族が亡くなった時に忘れようと無理して働く反応を何というか? A: 歪曲反応
各期での特徴
Q. 急性期に使われる理論は何か? A: フィンクの危機モデル、悲嘆反応
Q. 慢性期に関連する概念は何か? A: アレキシサイミア、セルフエフィカシー、スティグマ
Q. 終末期に使われる理論は何か? A: キューブラー・ロスの死の受容、全人的苦痛
Q. リハビリで使われる理論は何か? A: コーンの障害受容
Q. 医療従事者に使われる概念は何か? A: バーンアウト
各期の特徴的な問題
Q. 急性期に見られる特徴的な問題は何か? A: 認知機能の低下、緊急入院の不安、手術後のせん妄、ボディイメージ変化
Q. 回復期に見られる特徴的な問題は何か? A: 自立への不安、子ども返り、退院後の生活への不安
Q. 慢性期に見られる特徴的な問題は何か? A: 外出しなくなる、感情を出さなくなる、社会的にダメな人間だと思い込む、治療への疑問
Q. 慢性期の支援方法は何か? A: ソリューションフォーカストアプローチ、ソーシャルサポート
Q. ソーシャルサポートの4つの支援は何か? A: 情緒的支援、道具的支援、情報的支援、評価的支援
患者の心理
Q. 急性期の患者の心理にどのような影響があるか? A: 頭系の病気では認知機能低下でパニックになることがあるので丁寧な説明が必要。突然の入院で不安を覚え家庭内の経済的負担を心配することがある。病気や薬の副作用によって身体バランスが崩れせん妄が起こることがある。
Q. 回復期は退院が近づくと、患者の心理にどのような影響があるか A: 社会復帰できるか不安になる、抑うつになることがある
Q. 急性期病院から回復期病院に転院した場合、患者の心理にどのような影響があるか A: 医療従事者との関係がリセットされるため、精神的に不安定になることがある
Q. 急性期は患者のほとんどを手伝うが、回復期は自分できることが増えるので自分でやってもらうようにするが、このときに患者の心理にどのような変化があるか A: 変化に不安を覚え、急性期と同じようにしてほしいとささいなことで訴えることがあり、ナースコールの頻度が増え、子ども返りのような行動をとることがある。
Q. 回復期の家族は 長期の入院になると、面会の頻度が増える? A: 増える。看護師は患者だけでなく家族の観察も必要。
Q. 回復期の家族は、患者の退院後に自宅で介護できるか不安になる? A: なる。看護師は家族の不安を軽減するよう具体的に何を自宅ですればよいかを一緒に考える。
Q. 慢性期は病気との付き合いが長くなり、患者の心理にどのような影響があるか? A: 食事療法による食事制限で食事自体が楽しくなくなったり、免疫力が低下して感染を恐れて外出しなくなったり、皮膚疾患、脱毛など見た目の変化があると、他人の目が気になり外出しなくなり、社会的なつながりが希薄になりうつ状態になり、自分はダメな人間だと思い込むことがある。
Q. 慢性期で患者が自分はダメな人間だと思い込む場合、看護師はどのように対応すればよいか? A: 患者が自分でできることを一緒に考え、できたことをほめて自己肯定感を高めるように支援する。ソリューションフォーカストアプローチを使って小さな目標を設定し、達成感を味わってもらう。情緒的支援、道具的支援、情報的支援、評価的支援といったソーシャルサポートを提供する。
Q. 慢性期の家族の心理にどのような影響があるか? A. 慢性期の家族は定期的な付き添いなど負担が大きいため、疲れて果ててないか注意深く観察する。
Q. 終末期の家族の心理にどのような影響があるか? A. 家族は患者の看護に注力する一方無力感を感じることがある。看護師は家族の話をよく聞き、感情表出を促す。