成人看護Ⅱ - 運動器
過去問
問1. 骨格筋の正しくない名称はどれか。
- 三角筋
- 最短筋
- 大腿四頭筋
- 上腕二頭筋
正答:2
解説:
- 三角筋は肩関節を覆う筋で、実在する骨格筋である。
- (正解)最短筋という名称の骨格筋は存在しない。
- 大腿四頭筋は大腿部前面の筋で、実在する骨格筋である。
- 上腕二頭筋は上腕部の筋で、実在する骨格筋である。
問2. 骨粗鬆症に用いられる治療薬はどれか。
- チアマゾール
- スルホニル尿素系薬
- 副腎皮質ホルモン
- ビスホスホネート製剤
正答:4
解説:
- チアマゾールは甲状腺機能亢進症の治療薬である。
- スルホニル尿素系薬は糖尿病の治療薬である。
- 副腎皮質ホルモンは長期使用により骨粗鬆症を引き起こすリスクがあるため、骨粗鬆症の治療薬ではない。
- (正解)ビスホスホネート製剤は骨吸収を抑制し、骨粗鬆症の治療に用いられる。
問3. 腰椎椎間板ヘルニアの患者の看護について、適切なのはどれか。
- 上肢のしびれを観察する。
- 膀胱直腸障害に注意する。
- 手術後の体位変換は自分で自由に行ってもらう。
- 体重コントロールは必要ない。
正答:2
解説:
- 腰椎椎間板ヘルニアでは下肢のしびれを観察する必要がある。上肢のしびれは頸椎疾患で見られる。
- (正解)腰椎椎間板ヘルニアが重症化すると馬尾神経を圧迫し、膀胱直腸障害を引き起こすことがある。
- 手術後の体位変換は医師の指示に従って慎重に行う必要がある。
- 体重コントロールは腰椎への負担を軽減するために重要である。
問4. 痛みについて、適切なのはどれか。
- 痛みは客観的に評価できる。
- 拍動性の痛みを緩和するには挙上が有効である。
- 睡眠に影響を与えることはない。
- 消化器症状を伴うことはない。
正答:2
解説:
- 痛みは主観的な感覚であり、客観的に評価することは困難である。ペインスケールなどの主観的評価法を用いる。
- (正解)拍動性の痛みは血流の増加によって生じることが多く、患部を挙上することで血流を減らし、痛みを緩和できる。
- 痛みは睡眠の質を低下させ、不眠の原因となる。
- 痛みは消化器症状(食欲不振、悪心、嘔吐など)を伴うことがある。
問5. ギプス固定中の患者の看護について、適切なのはどれか。
- 患肢を下垂する。
- 知覚異常を定期的に確認する。
- 患肢は手指や足趾も含めて安静を促す。
- 入浴・シャワー浴は禁止する。
正答:2
解説:
- 患肢は挙上することで浮腫を予防する。下垂すると循環障害のリスクがある。
- (正解)ギプスによる圧迫で神経障害や循環障害が生じる可能性があるため、知覚異常を定期的に確認する必要がある。
- 手指や足趾の自動運動は循環を促進し、拘縮を予防するために推奨される。
- ギプスを濡らさないように工夫すれば、入浴・シャワー浴は可能である。
問6. 加齢による骨粗鬆症の原因について、正しいのはどれか。
- エストロゲンの低下
- ビタミンEの欠乏
- カルシウム摂取量の増加
- 骨吸収の低下
正答:1
解説:
- (正解)エストロゲンは骨吸収を抑制する働きがあり、閉経後の女性ではエストロゲンの低下により骨粗鬆症のリスクが高まる。
- 骨粗鬆症に関係するのはビタミンDやビタミンKの欠乏であり、ビタミンEの欠乏ではない。
- カルシウム摂取量の減少(増加ではない)が骨粗鬆症の原因となる。
- 骨吸収の亢進(低下ではない)が骨粗鬆症の原因となる。
問7. 変形性膝関節症について、正しいのはどれか。
- 女性より男性に多い。
- 痛みが増すので運動は控える。
- 今までどおりの生活環境とする。
- 体重のコントロールが必要である。
正答:4
解説:
- 変形性膝関節症は男性より女性に多い(特に閉経後の女性)。
- 適度な運動(水中歩行や大腿四頭筋の筋力訓練など)は推奨される。過度な安静は筋力低下を招く。
- 膝への負担を減らすために生活環境の調整(和式から洋式への変更、段差の解消など)が必要である。
- (正解)体重のコントロールは膝関節への負担を軽減するために重要である。
問8. 末梢神経障害について知ることを書きなさい。
解答例:
- 橈骨神経麻痺: 下垂手
- 正中神経麻痺: さる手
- 尺骨神経麻痺: 鷲手
問9. MMTについて知ることを書きなさい。
解答例: MMT = 徒手筋力テスト
- 0~5段階で評価する(0:全く収縮しない、1~5:重力に抗した運動能力で判定)
- 0~2: 重力に抗して収縮できない
- 3~5: 重力に抗して収縮できる
- 筋力の客観的評価法として重要
MMT(徒手筋力テスト)の評価基準(覚えなくても良い)
| 数字 | 筋収縮 | 重力 | 抵抗 | 関節うごくか |
|---|---|---|---|---|
| 5 | あり | あり | あり | 全可動域 |
| 4 | あり | あり | いくらか | 全可動域 |
| 3 | あり | あり | なし | 全可動域 |
| 2 | あり | なし | なし | 全可動域 |
| 1 | 少し | なし | なし | 動かない |
| 0 | なし | なし | なし | 動かない |
問10. デルマトームについて知ることを書きなさい。
解答例:
- 麻酔などでよく使う、皮膚の知覚の支配領域を用いている
- アルファベットと数字を組み合わせたもの
- 皮膚分節: C(頸髄)、T(胸髄)、L(腰髄)、S(仙髄)
- 神経根の機能評価に重要
簡単な回答例(1文) デルマトームとは、どの脊髄神経がどの皮膚感覚の領域を支配しているかを示す図。
試験対策
穴埋め問題
1. 触診
痛みを訴えている場合の触診では、(1)、(2)、(3)、(4) など、痛みの特徴を診察する。
- 圧痛
- 叩打痛
- 介達痛
- 運動痛
2. 骨密度測定
骨粗鬆症診断の骨密度測定では、(5)、(6) と (7) の3項目からなる。
- MMT(徒手筋力テスト)
- 表在感覚(触覚、痛覚、温度覚)
- 深部感覚(位置覚、振動覚)
3. 骨密度測定
骨密度の測定値は、(8) の診断に用いられる。 8. 骨粗鬆症
4. ギプス包帯
ギプス包帯の目的は骨折や脱臼の(9)の保持、手術後の(10)の安静、(11)の予防、(12)の矯正、(13)の軽減などを目的に行われる。重篤な捻挫や靭帯損傷、腱断裂などの(14)の際にも用いられる。
- 整復位
- 患肢
- 不良肢位
- 変形
- 関節痛
- 軟部組織の損傷
5. 直達牽引法
直達牽引法は、(15) に直接牽引力を加える方法で、牽引力が大きい。大腿骨骨折に対する(16)や頚椎に対する(17)などに用いられる。
- 骨
- 鋼線牽引
- 頭蓋直達牽引
6. 大腿骨近位部骨折
大腿骨近位部骨折は、(18)に多い。内側骨折では骨癒合を得にくいために(19)となりやすい。外側骨折の骨癒合は良好であるが、(18)の長期臥床を避けるため、(20)が行われる。
- 高齢者
- 偽関節
- 観血的整復内固定術
7. 変形性関節症
加齢や関節への過度な負担により、(21)の変性と摩耗、反応性の骨増殖が生じて関節変形をきたす。荷重関節である(22),(23),(24)に見られることが多い。脊椎では(25)と呼ばれる。
- 関節軟骨
- 股関節
- 膝関節
- 足関節
- 変形性脊椎症
8. 脊髄損傷
脊椎の骨折や脱臼で脊髄を圧迫、挫滅すると(26)を生じる。脊椎部の障害では(27)、胸椎以下では(28)となる。完全に損傷した脊椎は再生しないため(29)を行い、残存機能を活用してADLの改善を図る。
- 麻痺
- 四肢麻痺
- 対麻痺
- リハビリテーション
9. 腰椎椎間板ヘルニアの治療
ヘルニアは(30)が期待できるが、保存療法で警戒しないものは、(31)を顕微鏡下あるいは内視鏡下に摘出する。
- 自然退縮
- 脱出腫瘤
4択問題
問題1. 骨について、正しいのはどれか。
- 骨膜と骨髄の2種類からなる。
- 骨膜には血管や神経はない。
- 黄色骨髄には造血作用がある。
- 無機質(無機塩類)があることにより骨が硬くなる。
解答:4
解説: 1:骨は骨膜と骨質からなる、2:骨膜には血管や神経が豊富に分布している、3:黄色骨髄には造血作用はない(赤色骨髄に造血作用がある)、4:(正解)無機質(主にカルシウムとリン)により骨が硬くなる
問題2. 筋について、正しいのはどれか。
- 心筋は平滑筋である。
- 骨格筋の収縮は、ミオシンとアクチンの作用により行われる。
- 筋収縮のエネルギーは、主にたんぱく質の代謝により供給される。
- 白筋は持続的な収縮に適している。
解答:2
解説: 1:心筋は横紋筋である、2:(正解)骨格筋の収縮は、ミオシンとアクチンフィラメントの滑走により行われる、3:筋収縮のエネルギーは主にATP(アデノシン三リン酸)から供給される、4:白筋は瞬発力に優れ、赤筋が持続的な収縮に適している
問題3. 骨粗鬆症薬はどれか。
- スルホニル尿酸薬
- 炭酸リチウム
- カルシトニン製剤
- メルカゾール
解答:3
解説: 1:スルホニル尿素薬は糖尿病治療薬である、2:炭酸リチウムは双極性障害(躁うつ病)の治療薬である、3:(正解)カルシトニン製剤は骨粗鬆症の治療薬である、4:メルカゾール(チアマゾール)は甲状腺機能亢進症の治療薬である
問題4. 肘関節の良肢位はどれか。
- 屈曲0度
- 屈曲30度
- 屈曲60度
- 屈曲90度
解答:4
解説: 1:屈曲0度は伸展位であり良肢位ではない、2:屈曲30度は良肢位ではない、3:屈曲60度は良肢位ではない、4:(正解)肘関節の良肢位は屈曲90度である
問題5. 痛みがある患者にみられるのはどれか。
- 熟睡感
- 多幸感
- 活動の制限
- 食欲増進
解答:3
解説: 1:痛みがあると熟睡できない、2:多幸感はみられない、3:(正解)痛みにより活動が制限される、4:痛みにより食欲は低下する
問題6. 抵抗を加えなければ、重力に抗して動かすことが出来る筋力程度の人に行う筋力増強訓練はどれか。
- 他動運動
- 自動介助運動
- 自動運動
- 抵抗運動
解答:3
解説: 1:他動運動は筋力がほとんどない場合に行う、2:自動介助運動は筋力が不十分な場合に介助を加えて行う、3:(正解)自動運動は重力に抗して動かせる場合に行う(MMT3に相当)、4:抵抗運動は重力に抗して抵抗を加えても動かせる場合に行う(MMT4以上)
問題7. 関節リウマチ患者の看護について、適切なのはどれか。
- 疼痛の程度に関わらず、関節は冷やす。
- かばんは肩にかけるよう説明する
- 抗リウマチ薬の効果はすぐにでることを説明する。
- リハビリテーション運動は禁忌である。
解答:2
解説: 1:疼痛がある場合は関節を温めることが多い、2:(正解)かばんは肩にかけることで手関節への負担を軽減できる、3:抗リウマチ薬の効果は数週間から数ヶ月かかることが多い、4:リハビリテーション運動は関節の可動域維持に重要である
問題8. 変形性股関節症で人工股関節置換術後の患者の看護について、適切なのはどれか。
- 手術後は外転位をとるように説明する。
- 体重コントロールが必要と説明する。
- 杖や補助具の使用は控える。
- 手術後一定期間静座すれば脱臼がおこらないと説明する。
解答:2
解説: 1:人工股関節置換術後は外転位(脚を外側に開く)を保つことが重要であるが、これは正しい選択肢、2:(正解)体重コントロールは関節への負担を軽減するために必要である、3:杖や補助具の使用は推奨される、4:脱臼のリスクは長期的に存在するため、常に注意が必要
問題9. 下肢のキルシュナー鋼線牽引中の患者の看護について、適切なのはどれか。
- 鋼線刺入部の観察を行う。
- 患者は外旋位を保持する。
- 体位交換は制限なく行う。
- 患者の訴えに応じて重錘を減らす。
解答:1
解説: 1:(正解)鋼線刺入部は感染のリスクがあるため、定期的に観察する必要がある、2:外旋位は避け、内旋位を保持することが多い、3:体位交換は制限される場合があるため、医師の指示に従う、4:重錘の調整は医師の指示に基づいて行う
問題10. 大腿骨切断術を受けた患者の看護について、適切なのはどれか。
- 股関節の外転、外旋を保持する。
- 幻肢痛について説明する。
- 臥床時の膝関節位は禁忌である。
- 創部断端は、ゆるめに包帯を巻く。
解答:2
解説: 1:股関節は中間位を保持する、2:(正解)幻肢痛(切断した部位がまだあるように感じる痛み)について事前に説明することが重要、3:膝関節の屈曲位は拘縮予防のため避けるべき、4:創部断端は適度な圧迫で包帯を巻く
問題11. 高齢者にみられる筋・骨格系の変化はどれか。
- 関節軟骨の摩耗
- 筋力の増強
- 関節可動域の拡大
- 骨量の増加
解答:1
解説: 1:(正解)加齢により関節軟骨が摩耗する、2:加齢により筋力は低下する(サルコペニア)、3:加齢により関節可動域は縮小する、4:加齢により骨量は減少する(骨粗鬆症)
問題12. ロコモティブシンドロームスクリーニング項目(ロコモチェック)に該当するのはどれか。
- コミュニケーションがとれない。
- 歯磨きができない。
- 片足立ちで靴下がはけない。
- お風呂で身体が洗えない。
解答:3
解説: 1:コミュニケーションは運動器の機能とは直接関係ない、2:歯磨きは運動器の機能とは直接関係ない、3:(正解)片足立ちで靴下がはけないのはバランス能力や筋力の低下を示すロコモチェック項目である、4:身体を洗えないのは上肢の機能だが、ロコモチェックの主要項目ではない
問題13. Aさん(80歳、男性)。大腿骨頚部骨折のため人工骨頭置換術を受けた。手術後の看護について、適切なのはどれか。
- 痛みは我慢するよう伝える。
- 臥床安静は長期になると説明する。
- 肺炎併発を予防する。
- 積極的に患側の股関節の届曲運動を行う。
解答:3
解説: 1:痛みは我慢せず、鎮痛剤の使用を検討する、2:早期離床が推奨される、3:(正解)高齢者の術後は肺炎併発のリスクが高いため、深呼吸や体位変換などで予防する、4:股関節の過度な屈曲は脱臼のリスクがあるため避ける