成人看護4 呼吸器
問題1. 排痰法について、適切なのはどれか。
- 体位ドレナージは、痰が貯留している肺区域を下側にした体位とする
- スクイージングは、吸気時に胸郭の動きに合わせて用手的に圧迫を加える
- 咳嗽により排痰を促す
- それぞれの排痰法は単独で行う
解答:3
解説:
- 体位ドレナージは痰が貯留している肺区域を「上側」にして、重力により痰を中枢気道へ移動させる方法である。
- スクイージングは「呼気時」に胸郭の動きに合わせて圧迫を加え、呼気を促進して排痰を助ける方法である。
- (正解)咳嗽(咳)は気道内の分泌物を排出する最も基本的な排痰法で、深吸気後に強く咳をすることで効果的に排痰できる。
- 排痰法は体位ドレナージ、スクイージング、咳嗽などを組み合わせて行うことで、より効果的に排痰できる。
問題2. 呼吸困難時の看護について、誤っているのはどれか。
- 呼吸しやすい体位にする
- セルフケア不足の援助を行う
- 声掛けやタッチングは、安静の妨げになる
- 呼吸状態の変化に注意して観察する
解答:3
解説:
- セミファウラー位や起座位など、呼吸しやすい体位にすることで横隔膜の可動域が広がり呼吸が楽になる。
- 呼吸困難時は日常生活動作が困難になるため、セルフケア不足を援助する。
- (正解)呼吸困難は不安を伴うため、声掛けやタッチングにより精神的支援を行い、不安を軽減することが重要で、安静の妨げにはならない。
- 呼吸状態の急変に備え、呼吸数、呼吸パターン、SpO2、チアノーゼの有無などを継続的に観察する。
問題3. 胸腔ドレナージを受ける患者の看護について、適切なのはどれか。
- エアリークの有無、排液の性状・量、呼吸性移動の有無を観察する
- 排液バッグは挿入部よりも高い位置に置く
- 絶対安静であると説明する
- 肺に空気を送り込むための処置であると説明する
解答:1
解説:
- (正解)エアリーク(空気漏れ)の有無、排液の性状(血性、漿液性など)・量、呼吸性移動(水封室の水位変動)の観察は重要な看護である。
- 排液バッグは挿入部より「低い」位置に置く(高い位置に置くと排液が逆流する危険がある)。
- ドレーン挿入中でも、医師の指示のもと適度な活動や体位変換は可能で、絶対安静ではない。
- 胸腔ドレナージは胸腔内の空気や液体を「排出」するための処置である(送り込むのではない)。
問題4. 動脈血採血時の看護で誤っているのはどれか。
- 動脈血ガス分析で、低酸素血症や高二酸化炭素血症の有無、酸塩基平衡の異常がわかる
- 採血部位は、上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、足背動脈が選択される
- 検体は直ちに検査室に提出する
- 圧迫止血の必要はない
解答:4
解説:
- 動脈血ガス分析(ABG)ではPaO2、PaCO2、pH、HCO3-などを測定し、呼吸状態や酸塩基平衡を評価する。
- 一般的に橈骨動脈が第一選択であるが、上腕動脈、大腿動脈、足背動脈も使用される。
- 時間経過により血液中のガス分圧が変化するため、採血後は氷水で冷却し直ちに提出する。
- (正解)動脈血採血後は出血予防のため、採血部位を5〜10分間しっかり圧迫止血する必要がある(動脈は静脈より圧が高いため、十分な圧迫が重要)。
問題5. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の看護について、適切なのはどれか。
- 呼吸困難が強くならないよう安静を促す
- 少しなら喫煙を吸ってもよいと説明する
- 胸式呼吸の指導を行い、呼吸を整えるよう説明する
- インフルエンザや肺炎ワクチンの接種をすすめる
解答:4
解説:
- 過度な安静は筋力低下を招くため、呼吸リハビリテーションを含め適度な運動が推奨される。
- COPD患者には完全禁煙が必須で、「少しなら」という妥協は許されず、喫煙継続は病態を悪化させる。
- COPD患者には口すぼめ呼吸や腹式呼吸(横隔膜呼吸)が推奨される(胸式呼吸ではない)。
- (正解)COPD患者は感染症により急性増悪を起こしやすいため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が推奨される。
問題6. 肺血栓塞栓症患者の看護について、適切なのはどれか。
- 深部静脈に形成された血栓が肺動脈を閉塞して発症する
- 整形外科疾患や腹部疾患の手術後に発生する可能性が高い
- 手術後の臥床安静中に起こることが多い
- 発症後に弾性ストッキングを着用する
解答:2
解説:
- 深部静脈に形成された血栓が肺動脈を閉塞して発症する。
- (正解)長時間の手術、特に整形外科手術(股関節・膝関節手術)や骨盤内手術後に発生リスクが高まる。
- 臥床安静後の離床時に起こることが多い(長時間の臥床により下肢静脈に血栓が形成され、離床時に血栓が肺へ移動して発症する)。
- 弾性ストッキングは肺血栓塞栓症の「予防」のために着用し、発症後の治療は抗凝固療法が中心である(予防策として術前から着用することが重要)。