基礎看護技術IVのまとめ1と2
ボディメカニクス
- ボディメカニクスの5原則
- 患者の体を小さくまとめる
- 支持基底面を広くする、重心の位置を低くする
- 重心を近づける、水平移動を利用する
- 大きな筋群を使う
- てこの原理と力のモーメントを使う
車椅子移送時の注意事項
- 段差を上がるときは、ティッピングレバーを踏んで前輪を段差に乗せる。後輪がぶつかったらハンドルを持ち上げる。前向きに押す
- 段差を下りるときは、後ろ向きで降りる。後輪からハンドルをしっかり持ち上げて下ろす。前輪はティッピングレバーでバランスをとりながら下ろす
- エレベーターに乗る時は、後ろ向きで乗る。
- 上り坂は前向きに押す
- 下り坂は後ろ向きに降りる
褥瘡予防のための援助
- 発生要因
- 同一体位による圧力の継続
- 皮膚の不衛生状態と湿潤
- 循環障害、浮腫および低栄養状態
- 皮膚の摩擦とズレ
基本肢位と良肢位とは。違いはなにか
- 基本肢位:基本肢位とは、各関節がすべて0度になる姿勢を言います。
- 良肢位:関節拘縮の起こる可能性があるとき、筋萎縮と関節拘縮を最小限に抑え、日常生活動作上の支障が比較的少ない肢位(関節の角度)をいう
- 違い:基本肢位はすべての関節が0度の姿勢であるのに対し、良肢位は関節拘縮を防ぐために関節の角度を調整した姿勢である。
全身清拭の注意点
- バケツの湯温は55-60℃程度にする
- ベースンの湯温は50℃以下にならないように50-55℃程度にする
次の文章を読んで、左のマスに正しいものには○、間違っているものには×を記せ。 また、間違っている文章に線を引き、正しい文章になるよう訂正せよ。
4. 姿勢と体位について、正しいのはどれか
- 良い姿勢の条件に重心が安定していることがあるが、外観の美しさは関係ない。
- 静的姿勢には立位、座位、臥位があり、この姿勢を一般に体位とよんでいる。
- 座位は最も安定した姿勢で、患者が静養するときの代表的な体位である。
- 腰部や臀部への負荷が小さいのは長座位である。
正解:
- × (誤り: 外観の美しさは関係ない → 正しくは: 外観の美しさも関係する)
- ○
- × (誤り: 座位 → 正しくは: 仰臥位)
- × (誤り: 小さい → 正しくは: 大きい)
解説: 良い姿勢には外観の美しさも含まれ、最も安定した体位は仰臥位です。長座位は腰部・臀部への負荷が大きいです。p157参照
5. 体位について、正しいのはどれか
- 半座位は、ギャッチアップによって上半身を約90度起こす体位である。
- 腹臥位は、呼吸困難時に適している。
- 側臥位は、仰臥位に比べて支持基底面が広い。
- 立位は、支持基底面が狭く重心が高いため不安定である。
正解:
- × (誤り: 90度 → 正しくは: 45度)
- × (誤り: 呼吸困難時 → 正しくは: 骨盤位や股関節、脊柱の疾患)
- × (誤り: 広い → 正しくは: 狭い)
- ○
解説: 半座位は45度の角度です。腹臥位は骨盤位や股関節・脊柱疾患に適しており、側臥位は支持基底面が狭くなります。p159参照
6. ボディメカニクスについて、誤っているのはどれか
- 身体の支持基底面を広くすると安定性が増す。
- 重心が支持基底面の外にあり、高い位置にあれば安定する。
- 患者のからだを動かすときは、持ち上げず水平に滑らせるようにする。
- 重い物を動かすときは、てこの原理と力のモーメントを使う。
正解:
- ○
- × (誤り: 外にあり、高い位置 → 正しくは: 内にあり、低い位置)
- ○
- ○
解説: 重心は支持基底面の内側にあり、低い位置にあるほど安定します。p161参照
7. 仰臥位から側臥位への体位変換について、適切なのはどれか
- 患者の両膝を伸ばす。
- 患者の両腕を胸の上で組む。
- 看護者は、患者の向く側と反対側に立つ。
- 看護者から近いほうの患者の肩に手を当てる。
正解:
- × (誤り: 伸ばす → 正しくは: 曲げる)
- ○
- × (誤り: 反対側 → 正しくは: 同じ側)
- × (正しくは: 遠い側)
解説: 体位変換時は両膝を曲げ、看護者は患者の向く側と同じ側に立ち、遠い側の肩に手を当てます。p163参照
8. 移動の援助について、適切なのはどれか
- 歩行時の介助では、看護者は患者の健側斜め後方に立つ。
- 段差があるところでは、下りるときは健側下肢、上がるときは患側下肢から前へ出すよう指導する。
- ベッドから車椅子に移動する際は、車椅子をベッドに対して90度に置く。
- ベッドから立ち上がる際は、患者の腕を看護者の首にかけ、両手を患者の腰に回して側腹部を支える。
正解:
- × (誤り: 健側 → 正しくは: 患側)
- × (誤り: 健側、患側 → 正しくは: 患側、健側(逆))
- × (誤り: 90度 → 正しくは: 30~45度斜め)
- ○
解説: 歩行介助は患側斜め後方、段差は上がるとき健側・下りるとき患側から、車椅子は30~45度斜めに置きます。p169参照
9. 移送の援助について、適切なのはどれか
- ストレッチャー(輸送車)で斜面を上がるときは患者の足先から進む。
- ストレッチャーで平坦なところを移送するときは、患者の頭部から進む。
- 車椅子で段差を上がるときは、ティッピングレバーを踏んで後輪を持ち上げる。
- 車椅子で坂を下りるときは、後ろ向きに降りる。
正解:
- × (誤り: 足先 → 正しくは: 頭部)
- × (誤り: 頭部 → 正しくは: 足部)
- × (誤り: 後輪 → 正しくは: 前輪)
- ○
解説: ストレッチャーで斜面を上がるときは頭部から、平坦な場所は足部から進みます。段差では前輪を持ち上げます。p177参照
10. 口腔の清潔の援助について、適切でないのはどれか
- 経管栄養を行っている患者は、口腔清掃の必要はない。
- 口腔清掃時の体位には座位やファーラー位が適しているが、疲労しやすいため、患者の全身状態に合わせた体位を選択する。
- 歯ブラシを用いたブラッシングは毎食後・就寝前に実施することが望ましく、就寝前はていねいに行う。
- 歯のブラッシングは、奥歯から前歯そして奥歯へと歯列に沿って磨く。
正解:
- × (誤り: 必要はない → 正しくは: 必要がある(のんだり食べたりしないため))
- ○
- ○
- ○
解説: 経管栄養中でも口腔清掃は必要です。口を使わないため、唾液分泌が減り口腔内が不潔になりやすくなります。p236参照
11. 義歯の手入れについて、適切なのはどれか
- 義歯は流水の下で洗う。
- 義歯を装着したまま寝ても問題ない。
- 夜間は乾燥させて保管する。
- 1日1回ブラシで洗う。
正解:
- ○ (洗面器に水を張って洗うとより安全)
- × (誤り: 問題ない → 正しくは: 外す)
- × (誤り: 乾燥させて → 正しくは: 水の入った容器で保管(洗浄液でもよい))
- × (誤り: 1日1回 → 正しくは: 毎食後)
解説: 義歯は毎食後洗い、就寝時は外して水中で保管します。p243参照
12. 入浴の援助について、適切なのはどれか
- 脱衣室は20℃、浴室は30℃程度に調整する。
- 空腹時の入浴をすすめる。
- 浴槽につかっている時間は15分以上とする。
- 入浴後は、水分摂取を促す。
正解:
- × (誤り: 20℃、30℃ → 正しくは: 22~26℃)
- × (誤り: すすめる → 正しくは: 避ける)
- × (誤り: 15分以上 → 正しくは: 10分±1分)
- ○
解説: 脱衣室・浴室は22~26℃に調整し、空腹時は避け、入浴時間は約10分が適切です。p248参照
13. 洗髪時の援助について、適切なのはどれか
- ケリーパッドに入れる空気の量は少なめにする。
- ケリーパッド使用時の湯は45~46℃で準備する。
- 湯の温度は看護者の手にかけて確認する。
- シャンプーは直接髪に垂らす。
正解:
- × (誤り: 少なめ → 正しくは: 多めに)
- × (誤り: 45~46℃ → 正しくは: 40~41℃)
- ○
- × (誤り: 直接 → 正しくは: 泡立てて使う)
解説: ケリーパッドは多めに空気を入れ、湯温は40~41℃、シャンプーは泡立てて使用します。p273参照
14. 全身清拭について、適切なのはどれか
- 筋肉の走行に対し垂直に、大きく、手早く、滑らかに、均一な圧力を加えながら拭く。
- ウォッシュクロスを使用する際は、洗面器の湯温を40~42℃に保つ。
- 拭く順序は原則として上から下へ、きれいなところを最初に拭き、最も汚れやすいところを最後にする。
- 拭いた後は乾いたタオルで押え拭きし、水分を取り除く。
正解:
- × (誤り: 垂直に → 正しくは: 平行に)
- × (誤り: 40~42℃ → 正しくは: 50℃)
- ○
- ○
解説: 清拭は筋肉の走行に平行に拭き、ウォッシュクロス使用時の湯温は50℃が適切です。p254参照
15. 睡眠について、適切なのはどれか
- 人間の睡眠と覚醒には、概日リズムがかかわっている。
- 睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠に大別される。
- レム睡眠は、脳の睡眠と考えられている。
- レム睡眠は1~4までの段階に分けられている。
正解:
- ○
- ○
- × (誤り: レム → 正しくは: ノンレム睡眠)
- × (誤り: レム → 正しくは: ノンレム睡眠)
解説: ノンレム睡眠が脳の睡眠で1~4段階に分けられ、レム睡眠は身体の睡眠と考えられています。
16. 睡眠中の生体の変化について、正しいのはどれか
- 呼吸数の減少
- 心拍数の増加
- 筋緊張の上昇
- 体温の上昇
正解:
- ○
- × (誤り: 増加 → 正しくは: 減少)
- × (誤り: 上昇 → 正しくは: 低下)
- × (誤り: 上昇 → 正しくは: 低下)
解説: 睡眠中は呼吸数、心拍数、筋緊張、体温のすべてが低下します。
17. 睡眠の援助について、適切でないのはどれか
- 騒音を極力防止し、話し声や足音にも気をつける。
- 空腹で寝つけない場合は、温かいミルクを勧める。
- どうしても眠れない患者には、医師の指示により睡眠薬を与薬する。
- 夜間不眠を訴える患者には、長時間の昼寝をするよう促す。
正解:
- ○
- ○
- ○
- × (誤り: 長時間 → 正しくは: 短時間)
解説: 夜間の睡眠を妨げないよう、昼寝は短時間にとどめることが重要です。
18. 仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか
- 肋骨部
- 仙骨部
- 腸骨部
- 外果部
正解:
- ×
- ○
- ×
- ×
解説: 仰臥位では仙骨部、後頭部、肩甲骨部、踵骨部が褥瘡の好発部位です。
19. 褥瘡の予防について、適切なのはどれか
- ウォーターベッドなど体圧を分散する用具を使用すれば、褥瘡は発生しない。
- シーツや寝衣のしわを除去し、摩擦を避ける。
- 皮膚を清潔に保つため、熱いお湯で何度も拭く。
- 少なくとも4時間ごとの体位変換が必要である。
正解:
- × (誤り: 発生しない → 正しくは: 軽減できるが発生する可能性はある)
- ○
- × (誤り: 熱いお湯 → 正しくは: 適温)
- × (誤り: 4時間 → 正しくは: 2時間)
解説: 体圧分散用具でも褥瘡は発生しうるため、2時間ごとの体位変換が基本です。
20. 褥瘡の予防について、適切でないのはどれか
- 失禁などによる皮膚の湿潤を避ける。
- ベッドの頭部側をギャジアップするときは、からだがずり落ちないよう工夫する。
- 発赤している部位は積極的にマッサージし、血行を促進させる。
- バランスのとれた食事が摂取できるよう気をつける。
正解:
- ○
- ○
- × (誤り: マッサージし → 正しくは: マッサージしない)
- ○
解説: 発赤部位のマッサージは組織を損傷させる危険があるため避けます。
良肢位
- 肩関節: 外転10-30度
- 肘関節: 屈曲90度
- 前腕: 回内・回外中間位
- 手関節: 背屈20-30度
- 股関節: 屈曲10-30度、内旋・外旋中間位、外転10-15度
- 膝関節: 屈曲10-20度
- 足関節: 背屈、底屈0度
ボディメカニクスの原理
- 患者、看護師双方の負担を軽減する上手な重心移動のこと
- 患者の体を小さくまとめる
- 支持基底面を広くする
- 重心の位置を低くする
- 重心を近づける
- 水平移動を利用する
- 大きな筋群を使う
- てこの原理と力のモーメントを使う
車いすへの移動方法
- ベッドに対して20-30度の角度に車いすを置く
車椅子移送時の注意事項
- 段差を上がるときは、ティッピングレバーを踏んで前輪を段差に乗せる。後輪がぶつかったらハンドルを持ち上げる。前向きに押す
- 段差を下りるときは、後ろ向きで降りる。後輪からハンドルをしっかり持ち上げて下ろす。前輪はティッピングレバーでバランスをとりながら下ろす
- エレベーターに乗る時は、後ろ向きで乗る。
- 上り坂は前向きに押す
- 下り坂は後ろ向きに降りる
ストレッチャー移送の注意事項
- 平坦なところを移送するときは、患者の足部から進む。前の援助者は安全確認、後ろの援助者は患者の状態を観察する
- 斜面を上がるときは、患者の頭部から進む。
- 斜面を下りるときは、患者の足部から進む。
入浴介助の注意点
- 室温は22-26度 油温は38-42度
清拭の注意点
- 室温22ー26度 湯温60-80度
- 絞ったタオルはぬるくなったら絞り直す。端がぶらぶらしないようにする
- 拭き方は面が離れないようにふく
洗髪の注意点
- 室温22-26度 湯温40度
活動と休息のための援助
- レム睡眠:浅い睡眠、ノンレム睡眠:深い睡眠
- 概日リズム:人間の睡眠と覚醒のリズム。
褥瘡予防のための援助
- 好発部位
- 仰臥位:後頭部、肩甲骨部、肘頭部、仙骨部、踵骨部
- 側臥位:耳介部、肩峰突起部、肋骨部、腸骨部、大転子部、膝関節部、内果部、外果部
- 腹臥位:耳介部、肩峰突起部、乳房(女性)、性器(男性)、膝関節部、趾部
- 発生要因
- 同一体位による圧力の継続
- 皮膚の不衛生状態と湿潤
- 循環障害、浮腫および低栄養状態
- 皮膚の摩擦とズレ
- 予防法(ブレーデンスケール14点以下は危険)
- 体位変換
- 褥瘡予防用具使用
- 摩擦とズレを避ける
チャレンジ問題
●筋委縮と関節拘縮を最小限に抑え日常生活動作上の支障が比較的少ない肢位を(良肢位)という。
●長座位、仰臥位、ファーラー位、端座位を支持基底面が大きい順に並べかえると(端座位) <長座位<(ファーラー位)<仰臥位の順となる。
●車椅子移送で段差があるときは(ティッピングレバー)を踏み前輪を上げる。
●車椅子移送でスロープ、上り坂の場合は緩やかな(S字)に蛇行走行し、下り坂の場合は(後ろ向き)で車椅子を支えながらゆっくり降りる。
●ストレッチャーによる移送では(後ろ)を押す看護師が患者を観察する。
●清潔ケアを行う際の病室の室温は(22)~(26)℃にする。
●清拭時に準備する湯の温度は50~55℃で(50)℃以下にならないようにする。
●洗髪時の湯温は(40)℃である。
●人間の睡眠と覚醒には地球が24時間で1回転するのと一致した(概日リズム)がある。
●できるだけからだを動かさない状態を(絶対安静)といい、日常生活の大部分を援助する。
●仰臥位での褥瘡の好発部位には(肩甲骨)部と踵骨部、後頭部、(仙骨)部、肘頭部がある。
●褥瘡の発生要因には(同一体位)による圧力の継続、皮膚の(摩擦)とずれ、皮膚の不衛生状態と(循環障害、浮腫および低栄養状態)などがある。