基礎看護技術Ⅳ
Ⅰ. ○×問題
下記の文章を読んで正しいものには○、誤っているものには×を記入してください。
① 姿勢とは、構えと体位の二つの要素で構成されている
正答: ○
姿勢は「構え」と「体位」の2要素から構成される。
② 良肢位での膝関節の角度は90度である
正答: ×
良肢位での膝関節の角度は軽度屈曲位(約10〜15度)である。90度ではない。
③ 仰臥位は他の姿勢より支持基底面が狭い
正答: ×
仰臥位は身体の背面全体がベッドに接するため、支持基底面は他の姿勢より広い。
④ 歩行介助では患者の患側斜め後方に立つ
正答: ○
患側からの転倒を防ぐため、患側の斜め後方に立って介助する。
⑤ 車椅子で坂道を下るときは、後ろ向きで車いすを支えながらゆっくり下る
正答: ○
前向きだと患者が前方に転落する危険があるため、後ろ向きでゆっくり下る。
⑥ ストレッチャーで坂道を下るときは、進行方向に患者の頭側を向けてゆっくり進む
正答: ×
坂道を下るときは足側を先にして進む。頭側を下にすると血液が頭部に集中し危険である。
⑦ ストレッチャー移送時、段差がある場合はスピードを上げて乗り越える
正答: ×
段差がある場合はスピードを落とし、慎重に乗り越える。スピードを上げると患者に衝撃が加わり危険である。
⑧ 車椅子移送中、エレベーターには後ろ向きで乗る
正答: ○
エレベーターには後ろ向きで乗り、前向きで降りる。狭い空間での方向転換を避けるためである。
⑨ 麻痺のある患者の口腔ケアを行う時は、誤嚥を防ぐため健側を下にする
正答: ○
健側を下にすることで、洗浄液や唾液が健側に流れ、誤嚥を防ぐことができる。
⑩ 状態が安定している患者であれば、入浴時浴槽につかっている時間は30分を超えても問題ない
正答: ×
長時間の入浴は体力を消耗し、血圧変動やのぼせの原因となる。状態が安定していても適切な時間で切り上げる。
⑪ ノンレム睡眠は1〜4の段階で分けられるが、段階1は外界の刺激に反応しにくく深く寝入った状態をいう
正答: ×
段階1は最も浅い睡眠段階であり、外界の刺激に反応しやすい。深く寝入った状態は段階3・4である。
⑫ 睡眠中の生体の変化では、体温は入眠とともに下降し始め、午前4〜6時が最も低くなり覚醒するころには上昇し始める
正答: ○
体温は入眠とともに低下し、午前4〜6時頃に最低となり、覚醒に向けて上昇する。
⑬ 仰臥位の褥瘡好発部位として後頭部・肩甲骨部・肘頭部・仙骨部・踵骨部があげられる
正答: ×
仰臥位の褥瘡好発部位は後頭部・肩甲骨部・仙骨部・踵骨部などである。肘頭部は側臥位での好発部位であり、仰臥位では肘頭部ではなく肘部が該当する場合がある。
Ⅱ. 選択問題
問1. 体位変換援助について適切でないものはどれか
- 介助者は少ない力で援助できるように工夫する。
- 患者の能力が有効に活用できるように配慮する。
- 仰臥位から側臥位にするときは、患者の膝は伸ばしたままで行う。
- 長坐位から端座位にするときは臀部を支点にして回転させる。
答え:3
- 1:○ ボディメカニクスを活用し、少ない力で援助する
- 2:○ 残存機能を活用し、患者の自立を促す
- 3:× 仰臥位から側臥位にするときは膝を曲げて行う。膝を曲げることで体が回転しやすくなる
- 4:○ 臀部を支点にして回転させることで端座位に移行できる
問2. ストレッチャーによる移送について正しいものはどれか
- 平坦なところ、下り坂では頭側から先に進む。
- 上り坂では、患者の頭側を先にして移送する。
- 曲がる時は、ゆっくりではなく加速をつけて速やかに曲がる。
- 足側にいる看護師は移送中に患者の観察を行う。
答え:2
- 1:× 平坦なところは足側から、下り坂も足側から先に進む
- 2:○ 上り坂では頭側を先にして移送し、患者の頭が下がらないようにする
- 3:× 曲がる時はゆっくりと進む。加速をつけると患者に遠心力がかかり危険である
- 4:× 頭側にいる看護師が患者の観察を行う。足側の看護師は進行方向の安全確認を行う
問3. 清潔の援助について正しいものはどれか
- 女性の陰部洗浄は、肛門から尿道口の方向に向けて行う。
- 清拭の時は50℃程度の湯を準備する。
- 清拭することにより、マッサージ効果が期待できる。
- 食事直後に入浴するように説明する。
答え:3
- 1:× 女性の陰部洗浄は尿道口から肛門の方向に行う(感染予防のため)
- 2:× 清拭の湯は50〜55℃程度を準備する(タオルを絞ると適温になる)。ただし直接肌に触れる温度は40℃程度
- 3:○ 清拭には皮膚の清潔保持のほか、血液循環促進やマッサージ効果がある
- 4:× 食事直後の入浴は消化器への血流が減少し、消化不良を起こす可能性がある
問4. ベッド上での清潔について、適切なものはどれか
- 食後30分以内に行う。
- 湯温は、40〜42℃で準備する。
- エタノールを使用しての洗髪では、70%エタノールを用いる。
- 皮膚の露出は最小限にする。
答え:4
- 1:× 食後30分以内は消化のため避ける。食後1時間程度経ってから行う
- 2:× 清拭用の湯温は50〜55℃程度で準備する(タオルを絞ると冷めるため高めに設定)
- 3:× 洗髪に使用するエタノールは50%程度が適切。70%は刺激が強すぎる
- 4:○ 皮膚の露出を最小限にし、プライバシーの保護と保温に配慮する
問5. 褥瘡について正しいものはどれか
- 発生要因のひとつに低栄養状態がある。
- 筋肉が厚い部位に発生しやすい。
- 麻痺は褥瘡の発生要因ではない。
- 側臥位の場合、肩峰突起部は好発部位である。
答え:1
- 1:○ 低栄養状態は組織の耐久性を低下させ、褥瘡の発生要因となる
- 2:× 褥瘡は骨が突出した部位に発生しやすい。筋肉が厚い部位ではなく薄い部位が好発部位
- 3:× 麻痺があると自力で体位変換ができず、同一部位への圧迫が持続するため褥瘡の発生要因となる
- 4:× 側臥位の好発部位は大転子部・腸骨稜・外果などである。肩峰突起部は側臥位の好発部位に含まれることもあるが、主要な好発部位ではない
問6. 姿勢について正しいものはどれか
- エネルギーの消費は、立位より臥位のほうが大きい。
- 支持基底面は、仰臥位より側臥位のほうが広い。
- 重心を低くし、支持基底面を広くすると身体が安定する。
- 立位では、両足を広げるより足を閉じて立つほうが安定する。
答え:3
- 1:× エネルギー消費は臥位より立位のほうが大きい。立位は重力に抗して姿勢を保持するためエネルギーを多く消費する
- 2:× 仰臥位は背面全体で支えるため支持基底面が広い。側臥位は体側のみで支えるため狭い
- 3:○ 重心を低く、支持基底面を広くすることで安定性が増す(ボディメカニクスの原則)
- 4:× 両足を広げると支持基底面が広くなり安定する。足を閉じると不安定になる
問7. 睡眠について正しいものはどれか
- サーカディアンリズムは生活習慣の影響を受けない。
- 病院の環境は睡眠を妨げる原因にならない。
- 体温は入眠とともに低下し、覚醒する頃には上昇する。
- レム睡眠は浅い睡眠から深い睡眠まで、4つの段階に分けられている。
答え:3
- 1:× サーカディアンリズムは光や生活習慣の影響を受ける
- 2:× 病院の騒音・照明・他患者の存在などは睡眠を妨げる要因となる
- 3:○ 体温は入眠とともに低下し、午前4〜6時頃に最低となり、覚醒に向けて上昇する
- 4:× 4つの段階に分けられるのはノンレム睡眠である。レム睡眠には段階分けはない
問8. 車椅子による移乗・移送について適切なものはどれか
- 車椅子は患側に置く。
- 移乗する前にフットレストを上げる。
- 下り坂では前向きに車椅子を進める。
- 段差は勢いをつけて乗り越える。
答え:2
- 1:× 車椅子は健側に置く。患者が健側の手足を使って移乗できるようにするため
- 2:○ フットレストを上げておかないと、移乗時に足が引っかかり転倒の危険がある
- 3:× 下り坂では後ろ向きに進む。前向きだと患者が前方に転落する危険がある
- 4:× 段差は勢いをつけず、慎重に乗り越える。衝撃で患者が転落する危険がある
問9. 口腔ケアについて適切なのはどれか
- 体位は頸部を後屈した姿勢で実施する。
- 最初にブラッシングする。
- 舌苔がある場合は舌ブラシを使用する。
- 義歯の洗浄は研磨剤入りの歯磨き剤を使用して行う。
答え:3
- 1:× 頸部は前屈(顎を引く)姿勢で行う。後屈すると誤嚥の危険がある
- 2:× 最初に含嗽(うがい)や口腔内の観察を行い、その後ブラッシングを行う
- 3:○ 舌苔がある場合は舌ブラシを使用して奥から手前に向かって除去する
- 4:× 義歯は研磨剤入りの歯磨き剤を使うと傷がつく。義歯専用の洗浄剤やブラシを使用する
問10. 入浴について適切なのはどれか
- シャワーに比べて心臓・呼吸器系の負担が大きく、体力の消耗は少ない。
- 脱衣所と浴室の温度差を少なくする。
- 食事直後に入浴するのがよい。
- 浴槽からでるときは血圧が高くなることがある。
答え:2
- 1:× 入浴(浴槽に浸かる)はシャワーに比べて心臓・呼吸器系の負担が大きく、体力の消耗も大きい
- 2:○ 温度差が大きいとヒートショックを起こす危険がある。脱衣所を暖めるなどして温度差を少なくする
- 3:× 食事直後の入浴は消化器への血流が減少し、消化不良を起こす可能性がある
- 4:× 浴槽から出るときは静水圧がなくなり血液が下肢に移動するため、血圧は低下する(起立性低血圧のリスク)
Ⅲ. 睡眠を妨げる因子を3つ記入してください
- 環境的因子(騒音、光、温度、湿度など)
- 身体的因子(疼痛、発熱、呼吸困難、頻尿など)
- 心理的因子(不安、ストレス、緊張、悲嘆など)
Ⅳ. 清潔援助の効果・目的を3つ答えてください
- 皮膚の清潔を保ち、汚れを取り除く
- 血液循環の促進
- 拘縮予防・関節拘縮予防、爽快感・リラクゼーション
Ⅴ. 褥瘡の主な発生要因について()内を埋めてください
- (同一体位)による圧力の継続
- 皮膚の(摩擦)とずれ
- 皮膚の(不衛生状態)と湿潤
- 循環障害、浮腫および(低栄養状態)